GPU(Graphics Processing Unit)

最終更新日 2023年09月07日

GPUとは

基礎

GPUとはGraphics Processing Unitの略であり、グラフィックスに関連する処理を行うプロセッサーです。ジーピーユーと読みます。グラフィックスとは、コンピューターが描画する画像です。プロセッサーとは、データを演算する演算装置の別名です。GPUは画像を描画するためにデータを演算します。昔と違って今では、グラフィックス以外の処理でもGPUを使用する場合があります。GPUの性能が向上し、CPUよりもGPUの方が高速に行える処理があるためです。

CPUとの違い

CPUはパソコンにとって頭脳的な存在ですが、GPUは第2の頭脳的存在です。GPUには大量のコアがあり、大量の処理を同時に実行できます。GPUは並列で処理できないような複雑な処理は不得意であり、並列で処理できるような単純な処理は得意です。前者の処理は得意で後者の処理は不得意なのがCPUです。グラフィックス処理は並列で処理できる単純な処理が多くGPUに向いています。

ビデオチップ

GPUをビデオチップと呼ぶ場合もありますが、当初はGPUという名称がなくビデオチップという名称でした。その頃では、CPUが頂点単位(ポリゴン単位)の座標変換処理や光源処理を担当していました。ビデオチップがハードウェアT&Lを採用し、それがCPUが担ってきた描画処理(座標変換処理や光源処理)をCPUに代わって担当しました。それでビデオチップが描画処理全般を担うようになり、ビデオチップをGPUと呼び始めました。GPU(Graphics Processing Unit)という呼び方は、CPU(Central Processing Unit)になぞらえました。

VPU

VPUとはVisual Processing Unitの略であり、GPUの中で性能が高い製品の総称です。ブイピーユーと読みます。ATI Technologiesが考え出した名称です。当時から普及せず今も普及していない呼び方です(2022/05/09時点)。

dGPUとは

dGPU(ディスクリートGPU)とは、チップセットやCPUが内蔵しておらず、これらとは分離しているGPUです。

ビデオカードが実装しているGPUや、チップセット内蔵GPUではなくマザーボードが実装しているGPUがdGPUです。

dGPUは専用のVRAMを使用し、メインメモリーの一部をVRAMとして使用しません。

dGPUにはデスクトップパソコン向けとモバイルパソコン向けがあり、デスクトップパソコン向けdGPUはビデオカードが実装し、モバイルパソコン向けdGPUはマザーボードが実装します。

モバイルパソコン向けdGPUは発熱が抑えられていますが、それでもサイズが小さいパソコンにとっては搭載できないほど発熱が大きいです。

dGPUのグラフィックス性能の高さはピンキリですが、dGPUはグラフィックス性能が高いです。

高いグラフィックス性能が必要なPCゲーム向けパソコンや、動画や画像編集向けパソコンがdGPUを搭載している場合が多いです。

デスクトップ
パソコン向け
ビデオカードが実装
モバイル
パソコン向け
マザーボードが実装

GPUの種類とグラフィックス性能

グラフィックス性能が高い順に並べると、dGPU、CPU内蔵GPU、チップセット内蔵GPUですが、比較対象によっては逆転することがあります。

例えば、性能が低い方のdGPUと、性能が高い方のCPU内蔵GPUを比べると、後者の方がグラフィックス性能が高いことがあります。

GPUは技術進歩によりグラフィックス性能が向上し続けており、dGPUとCPU内蔵GPUのグラフィックス性能の向上が目覚ましいです。

性能が高い方のdGPUと性能が高い方のCPU内蔵GPUを比べると、圧倒的にdGPUの方がグラフィックス性能が高いです。

グラフィックス性能
dGPU > CPU内蔵GPU > チップセット内蔵GPU
(※)一般的には左に行くほどグラフィックス性能が高い

GPUの種類と用途

インターネット、メール、ワードやエクセル等のオフィスアプリケーションの利用等では、高いグラフィックス性能が不要ですので、CPU内蔵GPUやチップセット内蔵GPUがよいです。

テレビ視聴やDVD映画鑑賞等、動画コンテンツの視聴に使う場合、高いグラフィックス性能が必要そうですが、不要でありCPU内蔵GPUやチップセット内蔵GPUがよいです。

PCゲームでは高いグラフィックス性能が必要ですので、dGPUがよいです。

ゲームタイトルにより必要なグラフィックス性能の高さが異なり、CPU内蔵GPUのグラフィックス性能で十分なゲームタイトルもあります。

自分がプレイしたいゲームタイトルが必要とするグラフィックス性能の高さを調べて、dGPUが不要であればCPU内蔵GPUでもよいです。

動画・画像編集ではdGPUが必要かどうかは、動画・画像編集ソフトウェアや編集の仕方によります。

dGPUが必須になることもあれば、dGPUがなくてもよいこともあります。

CPU内蔵GPUとdGPUの切り替え

CPU内蔵GPUが普及したため、パソコンがdGPUを搭載していてもCPU内蔵GPUも搭載している場合が多いです。

原則的には使用するGPUは1つですのでdGPUを使いますが、例外的にグラフィックス処理内容に応じて使用するGPUが自動的に切り替わるパソコンがあります。

高いグラフィックス性能が必要なときはdGPUを使い、低いグラフィックス性能で十分なときはCPU内蔵GPUを使います。

dGPUは消費電力が高く、CPU内蔵GPUは消費電力が低いので、適切なタイミングでCPU内蔵GPUに切り替えて使うことで、パソコンの消費電力を抑えることができます。

このような機能をバッテリー動作のパソコンで利用すると、バッテリー駆動時間が延びます。

ただし、ほぼ常に高いグラフィックス性能が必要となりdGPUを使うと、ほとんど消費電力は変わりません。

CPU内蔵GPUからdGPUへ、または逆へ適切に切り替わらないトラブルが発生することがあります。

例えば、高いグラフィックス性能が必要なPCゲームをプレイするとdGPUへ切り替わるはずのところ、切り替わらずにグラフィックス性能が低いCPU内蔵GPUのままとなり、PCゲームを快適にプレイできないことがあります。

GPUのメーカー

GPUのメーカーには、NVIDIA、AMDがあります。

昔はATIがありました、AMDが買収しました。

GPUとベンチマーク

限られた予算の中で最も高い性能を発揮するGPUを選ぶ場合、選択候補となるGPUを集め、自分が利用するソフトウェアにて様々なプログラムを実行し性能を測定する必要がありますが、現実的に無理な話です。

そこでベンチマークを利用する方法があり、ベンチマークでは様々なプログラムを実行してGPUの性能を測定し、性能を数値化して比較できるようにします。

その数値をベンチマークスコアと呼び、GPUのベンチマークスコアを掲載しているウェブサイトは多数あり、簡単に性能比較できます。

あくまでもベンチマークが実行するプログラムにて発揮する性能で比較することに注意が必要です。

ベンチマークによって実行するプログラムが違う、プログラムによってGPUが発揮する性能が違う、以上の理由によりベンチマークによって性能の評価順が違います。

ソフトウェアによって実行するプログラムが違いますので、ベンチマークスコアと同じ評価順になるとは限りません。

ある2つのGPUをベンチマークスコアで性能を比較した結果、一方のGPUの方が性能が高かったが、自分が利用するソフトウェアではもう一方のGPUの方が高い性能を発揮する場合があります。


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