Bluetooth - ノートパソコンの選び方

最終更新日 2016年08月25日

Bluetooth とは

Bluetooth は、パソコンやスマートフォン等の機器や、周辺機器と無線通信できる機能です。似たような機能に無線 LAN(Wi-Fi)がありますが、Bluetooth は消費電力が低いのが大きな特徴です。

Bluetooth なら、電池や小容量バッテリーで動作する周辺機器でも長持ちし、ノートパソコンと使われることが多い周辺機器に Bluetooth 対応モデルが増えてきています。

例えば、ノートパソコンでマウスを使う場合、Bluetooth に対応しているマウスを使えばケーブルがなくなりノートパソコンの周りがすっきりし、マウスを動かしやすくなります。

ノートパソコンで Bluetooth に対応しているイヤホンやヘッドフォンを使う場合でも、ケーブルがなくなってノートパソコンの周りがすっきりします。また、ノートパソコンから離れる時にイヤホンやヘッドフォンを耳から外す必要がなくなります。

Bluetooth なら、複数の周辺機器と接続できますので、USB 端子の数が少なくなりがちなノートパソコンでも、多くの周辺機器を一度に利用できます。

Bluetooth には、他にも様々な活用方法があり、ノートパソコンに Bluetooth が搭載されていると便利です。

Bluetooth の選び方

どのモデルにも Bluetooth が搭載されている

ノートパソコンを選ぶなら、Bluetooth 搭載モデルを選びたいですが、Bluetooth はノートパソコンに普及しましたので、比較的新しいモデルなら Bluetooth が搭載されています。

ノートパソコンにとって Bluetooth は必須ではありませんので、比較的新しいモデルに Bluetooth が搭載されていないモデルもあるかもしれませんが、Bluetooth が必要であっても、Bluetooth 非搭載モデルを避ける必要はありません。

ノートパソコンに Bluetooth が搭載されていなくても、Bluetooth アダプターと呼ばれる周辺機器を接続すれば、Bluetooth を利用できます。

Bluetooth 関連の仕様で不満があるモデルなら、Bluetooth アダプターを使えば良い

Bluetooth 関連の仕様では、Bluetooth の規格、最大通信速度、プロファイル、最大通信距離を確認して選ぶ必要がありますが、Bluetooth に対して望む仕様によっては、かなり選べるモデルが限られます。

そのため、Bluetooth 関連の仕様は気にせずにノートパソコンを選び、選んだモデルの Bluetooth 関連の仕様が自分のニーズを満たさない場合は、モデルを選び直さずに Bluetooth アダプターを別途用意して使うと良いです。

そうするなら、Bluetooth の規格、最大通信速度、プロファイル、最大通信距離について確認して選ぶ必要はありません。以下では、Bluetooth 関連の仕様を確認して選ぶ事を前提にした Bluetooth の選び方について記載しています。

Bluetooth の規格の選び方

主な Bluetooth 規格

Bluetooth には規格があります。Bluetooth は技術進歩を続けており、定期的に新しい機能や技術等が仕様に追加されバージョンアップしています。ここで言う仕様とは、Bluetooth 自体の仕様です。ノートパソコンの Bluetooth 関連の仕様とは、区別する必要があります。

2016年3月20日時点では、Bluetooth 規格には以下のバージョンがあります。

バージョン 主な仕様変更内容
1.1 ・1.0b が初期バージョンであり、次のバージョンが 1.0b+CE だが、バージョン 1.1 から本格的に Bluetooth が普及した
・最大通信速度は 1Mbps
1.2 ・Bluetooth と同じ周波数帯(2.4GHz 帯)を使用する無線 LAN との干渉を低減する機能が追加
2.0 ・最大通信速度を 3Mbps へ向上させる通信方式 EDR(Enhanced Data Rate)が追加
・EDR はオプションのため、Bluetooth 2.0 以降に対応した機器であっても EDR が実装されているとは限らない
2.1 ・ペアリングに必要な作業が簡略化
・バッテリー動作時間の延長等につながる消費電力を抑える機能 Sniff Subrating が追加
3.0 ・最大通信速度を 24Mbps へ向上させる通信方式 HS(High Speed)が追加
・HS はオプションのため、Bluetooth 3.0 以降に対応した機器であっても HS が実装されているとは限らない
・電力管理機能が強化され、消費電力が低下
4.0 ・大幅に消費電力を抑える通信方式 LE(Low Energy)が追加
4.1 ・Bluetooth と同じ周波数帯(2.4GHz 帯)を使用するモバイル端末向け通信サービスとの干渉を低減する機能が追加
・通信方式 LE のデータ転送が効率化
・自動再接続機能が追加
・通信方式 LE にて直接インターネット接続できる機能が追加
・通信方式 LE でもホストとクライアント同時動作できる機能が追加

Bluetooth 規格の各バージョンにおいて、新しい機能や技術等が仕様に追加されていますが、仕様に追加された機能や技術等の一部は実装が必須とはなっていません。

例えば、Bluetooth 3.0 では最大通信速度が 24Mbps となる通信方式 HS が仕様に追加されましたが、この通信方式の実装は必須とはなっていないため、ノートパソコンが Bluetooth 3.0 以上に対応していても、HS が実装されているとは限りません。

ノートパソコンでは、対応している Bluetooth 規格のバージョンが同じであれば、実装内容はほぼ同じですので、あまり実装の違いを気にする必要はありません。実装内容の違いにまでこだわってノートパソコンを選ぶと、選べるモデルが少なくなってしまいますので、実装内容が自分のニーズを満たさない場合は、Bluetooth アダプターを別途用意して使うと良いです。

Bluetooth 4.0 以上が選択の目安

ノートパソコンでは、比較的新しいモデルなら Bluetooth 4.0 または Bluetooth 4.1 に対応しています。(2016年3月20日時点)

Bluetooth 4.0 から低消費電力な通信方式 LE が追加され大きく変わりましたが、ノートパソコンにとって Bluetooth 4.0 と Bluetooth 4.1 に大きな違いはないため、Bluetooth 4.0 に対応していれば十分です。

Bluetooth 3.0 以下に対応しているモデルであっても、Bluetooth アダプターを別途用意して使えば Bluetooth 4.0 に対応させる事ができます。

Bluetooth 規格の互換性を考慮した選び方

ノートパソコンと周辺機器等の別の機器と Bluetooth 接続して通信する場合、両者の Bluetooth 規格のバージョンの組み合わせによっては互換性がなく通信できません。

Bluetooth では、規格のバージョンと言うよりは通信方式の組み合わせによって互換性があるかどうか決まります。以下は、Bluetooth 規格の各バージョンで、仕様に含まれる通信方式です。BR(Basic Rate)は、Bluetooth にとって基本的な通信方式です。

バージョン 仕様に含まれる通信方式
Bluetooth 1.1 BR
Bluetooth 2.0〜2.1 BR、EDR
Bluetooth 3.0 BR、EDR、HS
Bluetooth 4.0〜4.1 BR、EDR、HS、LE

EDR は BR よりも最大通信速度が向上した通信方式であり、さらに向上した通信方式が HS です。これら BR、EDR、HS の間には互換性がありますが、最大通信速度は遅い方に合わせられます。LE は、BR、EDR、HS と互換性がありません。

以下は、A:Bluetooth 搭載機器AとB:Bluetooth 搭載機器Bとの組み合わせで、各通信方式で通信しようとする場合の互換性をまとめた表です。

A\B 1.1, 1.2
(BR)
2.0, 2.1
(BR, EDR)
3.0, 4.0, 4.1
(BR, EDR, HS)
4.0, 4.1
(LE)
1.1,1.2
(BR)
×
2.0, 2.1
(BR, EDR)
×
3.0, 4.0, 4.1
(BR, EDR, HS)
×
4.0, 4.1
(LE)
× × ×
(※)○:互換性あり、×:互換性なし

Bluetooth 3.0 まで存在していた頃は、どの機器にも BR が実装されていましたので、互換性について気にする必要はありませんでしたが、Bluetooth 4.0 から登場した LE は、過去に存在した通信方式とは互換性がなく実装は必須とはなっていない通信方式ですので、互換性について注意する必要が出てきました。また、Bluetooth 4.0 以上から LE のみ実装、すなわち BR(EDR、HS も含む)が実装されていない機器が作られるようになりました。

ノートパソコンでは、Bluetooth 4.0 以上に対応している場合、BR と LE は実装されています。ノートパソコンにとって BR も LE も重要性が高く必須と言える通信方式ですので、どちらか一方が実装されていないモデルは出てこないと思われます。

以下は、ノートパソコンが対応している Bluetooth 規格のバージョンにおいて、必ず実装されている通信方式と実装されているかはモデルによる通信方式の一覧です。

対応バージョン 必ず実装されている 実装されているかはモデルによる
Bluetooth 1.1 BR -
Bluetooth 2.0〜2.1 BR EDR
Bluetooth 3.0 BR EDR、HS
Bluetooth 4.0〜4.1 BR、LE EDR、HS

Bluetooth が搭載されているノートパソコンで、Bluetooth 3.0 以下に対応しているモデルだと、LE のみ実装されている機器とは互換性がありません。例えば、Bluetooth 3.0 に対応しているモデルと、LE のみ実装されているマウスとは互換性がないので接続して通信できません。

そのため、LE のみ実装されている機器を使うなら、Bluetooth 4.0 以上に対応しているモデルを選ぶ必要がありますが、無理に選ばなくても Bluetooth 4.0 以上に対応している Bluetooth アダプターを使う手があります。

最大通信速度の選び方

Bluetooth の最大通信速度は、実装されている通信方式によって決まります。以下は、各通信方式の最大通信速度です。

通信方式 最大通信速度
BR(Basic Rate) 1Mbps
EDR(Enhanced Data Rate) 3Mbps
HS(High Speed) 24Mbps
LE(Low Energy) 1Mbps

最大通信速度の速さを求めるなら、EDR や HS が必要ですが、ノートパソコンでは、イヤホンやヘッドフォン、スピーカーと Bluetooth 接続して使われる事が多く、最大通信速度が 1Mbps では十分な音質を実現できないため EDR の必要性が高いですが、ノートパソコンでは比較的新しいモデルなら EDR が実装されています。

HS は、最大通信速度が 24Mbps もありますが、この速度を出すと消費電力が無線 LAN 使用時と同じくらいになり、バッテリー動作するノートパソコンにとっては大きなデメリットとなりますので、HS が実装されているモデルは非常に少ないです。

ノートパソコン以外の機器でも、HS が実装されているモデルは非常に少なく、HS の必要性が低いですので、HS が実装されていなくても問題ありません。もし HS が必要であれば、HS が実装された Bluetooth アダプターを使う手があります。

Bluetooth のプロファイルの選び方

主なプロファイル

Bluetooth による通信では、プロファイルが使われます。プロファイルは、通信時におけるデータ送受信の仕方を定義したものであり、各用途ごとにプロファイルが存在します。Bluetooth で互いに通信する機器は、両者が同じプロファイルに対応している必要があります。

例えば、マウスやキーボード等の操作を行う用のプロファイル HID に対応しているマウスとキーボードを、ノートパソコンに Bluetooth 接続して使いたい場合は、ノートパソコンも HID に対応している必要があります。ノートパソコンにとって HID は必須と言えるプロファイルですので対応していますが、もし対応していなければ HID に対応しているマウスとキーボードは使えません。

以下は、主なプロファイルです。

プロファイル 用途
A2DP(Advanced Audio Distribution Profile) ヘッドフォンやイヤホン等に音声を伝送する
aptX ヘッドフォンやイヤホン等に音声を伝送する(音質が向上、音声の遅延が低減しており、エラー回復機能が追加されている)
AVRCP(Audio/Video Remote Control Profile) AV機能のリモコン機能を制御する
BPP(Basic Printing Profile) 携帯電話等からプリンターへ印刷データを転送し、印刷機能を制御する
BIP(Basic Image Profile) 機器に対し、画像を転送する
DIP(Device ID Profile) デバイスの認識等のために必要なデバイス固有の情報を提供する
DUN(Dial-up Networking Profile) 携帯電話や PHS を経由してインターネットにダイヤルアップ接続する
FAX(FAX Profile) FAX を送信する
FMP(Find Me Profile) 見つからない機器の場所を特定するために、アラームやバイブレーションを鳴らす
FTP(File Transfer Profile) パソコン同士でデータを転送する
GAP(Generic Access Profile) 機器に対し、認識、接続の確立や認証、暗号化を行う
GATT(Generic Attribute Profile) 各プロファイルで通信仕様は異なるが、基本となる共通化した通信仕様で通信する
主に通信方式 LE を実装する機器で使われる
GAVDP(Generic Audio/Video Distribution Profile) AV機器に対し、音声や動画を伝送する
GOEP(Generic Object Exchange Profile) 機器に対し、データを転送する
HCRP(Hardcopy Cable Replacement Profile) プリンターに印刷データを転送する
HDP(Health Device Profile) 医療機器や健康管理機器等のヘルス機器と接続し、データを転送する
HFP(Hands Free Profile) ヘッドセットでハンズフリー通話を行う(音声の送受信だけでなく通話の発着信機能の制御も行う)
HID(Human Interface Device Profile) マウスやキーボード等の操作を行う
HOGP(HID Over GATT Profile) マウスやキーボード等と消費電力を抑えて接続し操作を行う
HSP(Headset Profile) ヘッドセットと音声を送受信する
LAP(LAN Access Profile) Bluetooth を使用して LAN を構築する
MAP(Message Access Profile) 機器間でメッセージを送受信する
OPP(Object Push Profile) 携帯電話同士で、データを転送する
PAN(Personal Area Networking Profile) 複数のパソコン間でネットワーク環境を構築する
PBAP(Phone Book Access Profile) 携帯電話等へ電話帳のデータを転送する
PXP(Promoxity Profile) 通信相手となる機器との距離を測定する
SDAP(Service Discovery Application Profile ) 通信相手となる機器が提供する機能を検索する
SPP(Serial Port Profile) パソコン間で仮想シリアルポートを作成し、シリアル接続する
SYNC(Synchronization Profile) パソコンや携帯電話等との間で、スケジュール帳や電話帳のデータ転送を行い自動的に同期する
TIP(Time Profile) 時刻、時間帯のデータを転送する

ノートパソコンでは、様々な機器と接続して使われる事が多い機器のため、多くのプロファイルに対応しています。モデルによって対応プロファイルに差が見られますが、あまり差はなく、対応プロファイルを確認せずに選んでも後にプロファイルが足りなくて困る可能性は低いです。

絶対に必要なプロファイルがあれば、対応プロファイルを確認して選ぶ必要がありますが、必要とするプロファイルによっては選べるモデルが少なくなります。必要なプロファイルに対応している Bluetooth アダプターを使う事にすれば、必要なプロファイルに対応していないモデルでも選ぶ事ができます。

最大通信距離の選び方

Bluetooth による通信は、電波が届く範囲内において可能になります。電波が届く距離、すなわち最大通信距離は、対応している Class(クラス)によって決まります。

以下は、各 Class の最大通信距離です。

Class 最大通信距離
Class1 100m
Class2 10m
Class3 1m

Bluetooth で通信する機器同士において、お互いの対応 Class が異なる場合は、最大通信距離は短い方に合わせられます。例えば、ノートパソコンが Class 2 に対応、マウスが Class3 に対応していて互いに通信する場合、最大通信距離は Class3 の 1m となります。

ノートパソコンは、どのモデルも Class2 に対応しています。Class1 対応モデルもあるかもしれませんが、通信距離が長くなるほど消費電力が大きくなり、バッテリー動作するノートパソコンにとってデメリットとなりますので、Class1 対応モデルは出てこないと思われます。Class3 では最大通信距離が短すぎますので、Class3 対応モデルも出てこないと思われます。

もし Class1 対応、すなわち最大通信距離 100m が必要であれば、Class1 に対応している Bluetooth アダプターを使うと良いです。


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