フラッシュメモリーのメモリーセル

最終更新日 2023年09月19日

フラッシュメモリーのメモリーセルとは

基礎

フラッシュメモリーのメモリーセルとは、フラッシュメモリーを構成している要素です。記憶セル、セルと呼ぶ場合もあります。

メモリーセルでは1ビットのデータ、すなわち0か1を記憶します。複数ビットのデータを記憶できるメモリーセルもあります。例えば2ビットのデータを記憶できる場合、00、01、10、11のどれかを記憶します。

データ読み書き、データ消去はメモリーセル単位では行えない

メモリーセルに対しデータ読み書きするための信号線は、一定数のメモリーセルを直列に接続しています。このように接続すると配線が簡素になり記憶容量を大きくしやすいためです。直列に接続した一定数のセルをページと呼びます。複数のページをまとめたものをブロックと呼びます。データ読み書きはページ単位で行い、データ消去はブロック単位で行います。データ読み書きやデータ消去は、メモリーセル単位では行えません。

出典
なぜ消えるのか、劣化するのか(4ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2009/11/19公開記事)

フラッシュメモリーのメモリーセルの構造

浮遊ゲートの電子の有無でデータを記憶する

フラッシュメモリーのメモリーセルの構造を大まかに解説します。

  制御ゲート  
  絶縁体  
    浮遊ゲート    
     
ソース
(電極)
  ドレイン
(電極)
  シリコン基板  

土台としてシリコン基板があり、片方にソース(電極)、もう片方にドレイン(電極)があります。シリコン基板の上に絶縁体に囲まれた浮遊ゲートがあります。この上に制御ゲートがあります。ソース(電極)からドレイン(電極)に電子が流れます。制御ゲートが電子の流れを制御します。浮遊ゲートとシリコン基板に電子が存在できます。両者の間に絶縁体がありますが、量子力学のトンネル効果により電子が絶縁体を通り抜けできます。

ソース(電極)からドレイン(電極)に電子を流し、制御ゲートに高電圧をかけると、シリコン基板から浮遊ゲートへ電子が移動します。シリコン基板側から制御ゲートに高電圧をかけると、浮遊ゲートからシリコン基板へ電子が移動します。一般的に浮遊ゲートに電子がある状態は0、電子がない状態は1として、1ビットのデータを記憶します。

  制御ゲート  
  絶縁体  
    浮遊ゲート    
     
ソース
(電極)
(-)(-)(-)
→電子があるので電子が流れる→
ドレイン
(電極)
  シリコン基板  
(※)(-)は電子を表す

データを読み出すとき、ソース(電極)からドレイン(電極)に流れる電子量を見て、浮遊ゲートにある電子量を識別します。データを読み出すとき、制御ゲートに低電圧をかけます。浮遊ゲートに電子がない場合、シリコン基板にある電子がソース(電極)からドレイン(電極)に流れる状態になり、浮遊ゲートに電子がない、すなわち1と識別します。

  制御ゲート  
  絶縁体  
    浮遊ゲート (-)(-)(-)    
     
ソース
(電極)
電子がないので電子が流れない ドレイン
(電極)
  シリコン基板  
(※)(-)は電子を表す

浮遊ゲートに電子がある場合、シリコン基板に電子がないので電子がソース(電極)からドレイン(電極)に流れない状態になり、浮遊ゲートに電子がある、すなわち0と識別します。

データを1から0に変えたり0から1に変えたりすると、電子が絶縁体を通り抜けますが、このときに絶縁体が劣化します。絶縁体が劣化するほど浮遊ゲートから電子が漏れやすくなります。浮遊ゲートから短期間で電子が漏れるほど絶縁体が劣化するとメモリーセルの寿命です。

出典
なぜ消えるのか、劣化するのか | 日経クロステック(xTECH)(2009/11/19公開記事)
【USBメモリー編】放置厳禁!データの“自然蒸発”に要注意(2ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2010/05/25公開記事)


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