HDDの温度

最終更新日 2023年09月07日

HDDの温度とは

基礎

HDDの温度とは、HDDの温かさを示す値です。HDDの性能が高いほど温度が高くなる傾向があります。

HDDの温度の式

HDDの温度は以下の式で求められます。

HDDの温度=HDDの周囲温度+熱抵抗×消費電力

HDDの製品によって熱抵抗と消費電力が異なるが、一例を挙げると熱抵抗が0.15℃/W、消費電力が15Wです。HDDの周囲温度が30℃の場合、HDDの温度が32.25℃(=30℃+0.15℃/W×15W)です。

あくまでも大雑把な計算式なので実際とは差が生じます。HDDの周囲温度が高いほど、熱抵抗が大きいほど、消費電力が高いほどHDDの温度が高くなる傾向があるのは確かです。使用する製品が決まれば熱抵抗と消費電力も決まるので、HDDの温度を下げるにはHDDの周囲温度を下げることが重要です。

HDDの温度が他のPCパーツの影響を受けて上昇する場合あり

例えばパソコンの冷却能力が不足しており、CPUが高温になりパソコン内部も高温になると、HDDも高温になる場合があります。

S.M.A.R.T.が取得した温度の値

S.M.A.R.T.を使用するとHDDの温度を示す値を取得できます。しかし、この値から計算して温度を求める必要があり、求め方がメーカーによって異なります。S.M.A.R.T.を使用してHDDの温度を表示するソフトウェアがありますが、正確ではない温度と認識しておくとよいです。温度の変化を知るために見るとよいです。温度の求め方がメーカーの求め方と同じと明らかな場合、正確な温度です。

HDDの温度を確認する方法

HDDの温度を確認するには、CrystalDiskInfoがよいです。CrystalDiskInfoとは、ディスクに異常があればメールや音声で通知するユーティリティーソフトです。HDDの温度の確認もできます。

HDDの動作温度範囲

動作温度範囲の温度は周囲温度

HDDの仕様に記載の動作温度範囲の温度は、周囲温度の場合が多いです。HDDは周囲温度と内部温度の差があまり生じず、周囲温度の方がわかりやすいためです。

適正温度の上限

HDDの適正温度の上限は、一般的に50度です。50度を上回ると故障率が上がります。モデルによって異なり、60度の場合もあれば70度の場合もあります。

適正温度の下限

HDDの適正温度の下限は、一般的に20度です。20度を下回ると故障率が上がります。

HDDの温度とトラブル

適正温度の範囲内かつ温度変化がない使い方が望ましい

HDDの温度が高すぎたり低すぎたり、温度変化があると生じるトラブルについて以下に記載しますが、適正温度の範囲内かつ温度変化がないように使用すればトラブルが発生しません。使用を始めると温度が上がり、使用を止めると温度が下がるため、温度変化があるのは仕方がないです。なるべく温度変化が生じないように使用するとよいです。例えば短時間離席するならHDDのコンピューターの電源を切らず起動したままにすると、HDDの温度変化を抑えられます。

部品への影響

HDDが温度変化すると熱膨張により部品の大きさがわずかに変化します。わずかな変化でも精密動作するHDDでは問題になります。実際にはサーマルキャリブレーションと呼ぶ機能があるため問題になりません。サーマルキャリブレーションとは、熱膨張により大きさが変化した部品に合わせて動作するように補正する機能です。ただし、サーマルキャリブレーションを実行すると短時間データ転送が停止するので、映像・音声の記録・再生時にノイズの原因になる場合があります。

ヘッドへの影響

HDDの温度が高いほどヘッドが浮きづらくなりプラッターに接触するリスクが高まり故障率が上がります。

流体軸受への影響

HDDの温度が高いほど流体軸受のオイルの劣化が早まり粘性が上がります。HDDの温度が低いほど流体軸受のオイルの粘性が上がります。HDDの温度が変化すると流体軸受のオイルの劣化が早まり粘性が上がります。粘性が上がるとモーターへの負担が大きくなり故障率が上がります。

データ書き込み速度への影響

HDDの温度が低いほどデータ書き込み速度が低下します。温度が低いほど磁気方向が変化しにくく、正常にデータを書き込めていない可能性が出てきます。正常にデータを書き込めたか確認する処理が発生するため、データ書き込み速度が低下します。この確認する処理が発生しないHDDであれば低下しません。

データ保持期間への影響

HDDの温度が高いほど磁気が弱まりデータ保持期間が短くなります。HDDが故障するほどの高温だと磁気に影響を及ぼすので、通常はデータ保持期間がほとんど短くなりません。


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