メインメモリーのメモリーチップ

最終更新日 2023年09月07日

メインメモリーのメモリーチップとは

基礎

メインメモリーのメモリーチップとは、データを記憶する半導体チップです。メインメモリー本体に黒い四角形の部品が複数ありますが、これらがメモリーチップです。

メモリーチップの色が黒い理由

メモリーチップの外側を樹脂で保護してあります。この樹脂の色が黒いです。樹脂にカーボンが混ざっているので黒色です。樹脂にカーボンを混ぜると熱に強くなり、熱による破損が起きにくいです。メモリーチップが動作すると触れないほど高温になるので熱に対する強さが重要です。樹脂にカーボンを混ぜると静電気が溜まりにくくなり、静電気による回路の破壊が起きにくいです。カーボンは電流が流れやすく静電気が溜まりにくいです。樹脂内部にある回路が静電気に弱いので静電気の溜まりにくさが重要です。

メモリーチップのメモリーセルアレイ

メモリーチップを構成するメモリーセルアレイ

メモリーチップには複数のメモリーセルアレイがあります。メモリーセルアレイとは、2次元の行列に配置されたメモリーセルの集まりです。メモリーセルとは、メモリーセルアレイを構成している最小の要素です。1個のメモリーセルが1ビットのデータを記憶します。メモリーセルに対しデータ読み書きを行う場合、対象のメモリーセルが存在する行と列を指定します。

メモリーセルアレイの数や容量

メモリーセルアレイの数や容量がメモリーチップによって異なります。例えばメモリーセルアレイの容量が512Mbit、メモリーセルアレイの数が8個とします。メモリーチップの容量が512Mbit×8=4Gbitです。

メインメモリーにあるメモリーチップの数がわかれば、メインメモリーの容量も計算できます。メモリーチップが8個なら、メインメモリーの容量が4Gbit×8=4GBです。

メモリーチップの個数

ECC対応だと1個多い

一般的にメモリーチップの個数が8個ですが、ECC対応メインメモリーだと9個あります。ECCとはError Checking and Correctingの略で、メインメモリーで発生したエラーの検出と訂正を行う機能です。1個はエラー訂正用のデータを記録するために使用します。

レジスタードだとメモリーチップが多い

メインメモリーがレジスタードだと入出力にバッファーを持つため、メモリーチップを多く実装できます。持たないメインメモリーをアンバッファードと呼びます。バッファーとは、メインメモリー外にあるメモリーコントローラー、メインメモリー内にあるメモリーチップ、両者の間でデータ信号のタイミングのずれ等を調整し安定化させるメモリーです。メモリーチップが多くなるとデータ信号のタイミングのずれ等が問題になるため、バッファーが必要です。

メモリーチップ容量

メモリーチップ容量とメインメモリー容量

メモリーチップ容量にメモリーチップの枚数を掛けると、メインメモリー容量になります。例えば容量が128Mbit(メガビット)のメモリーチップが8枚ある場合、128Mbit×8=128MB(メガバイト)がメインメモリー容量です。1MBが8Mbitに等しいことを考慮し計算したので、単位がMbitからMBに変わっています。

パソコンが対応するメモリーチップ容量

メモリーチップの技術進歩によりメモリーチップ1枚あたりの容量が増えています。それに合わせてパソコンも対応が必要なので、古いパソコンだと新しいメモリーチップ容量に非対応で、メインメモリーを認識できない場合があります。認識できるとしても本来のメインメモリー容量の全てを使用できない場合があります。例えば古いパソコンだとメモリーチップ容量が256Mbitのメインメモリーを正常に認識できない場合があります。パソコンの仕様等から対応するメモリーチップ容量がわかればよいですが、仕様等に未記載です。

第1世代Core iシリーズ等は2Gbitまで対応

第1世代Core iシリーズ等は、対応するメモリーチップ容量が2Gbit(ギガビット)までです。例えばメモリーチップ容量が2Gbit、枚数が16の場合、メインメモリー容量が4GB(ギガバイト)ですが対応します。メモリーチップ容量が4Gbit、枚数が8の場合、メインメモリー容量が4GB(ギガバイト)ですが非対応です。

Core iシリーズの第2世代、第3世代は4Gbitまで対応

Core iシリーズの第2世代、第3世代は、対応しているメモリーチップの容量が4Gbitまでです。

メモリーチップ容量の推測方法

メインメモリー容量と、メモリーチップが片面実装か両面実装かわかると、メモリーチップ容量を推測できます。片面実装とは、メモリーチップがメインメモリーの片面のみに存在です。両面実装とは、メモリーチップがメインメモリーの両面に存在です。

一般的に片面実装であれば片面にメモリーチップが8枚あるので、例えばメインメモリー容量が256MBであれば256Mbit×8=256MBとなり、メモリーチップ容量が256Mbitと推測できます。一般的に両面実装であれば両面合わせてメモリーチップが16枚あるので、例えばメインメモリー容量が512MBであれば256Mbit×16=512MBとなり、メモリーチップ容量が256Mbitと推測できます。

片面実装であればメモリーチップが8枚とは限らず、両面実装であればメモリーチップが16枚とは限りません。メモリーチップの枚数がわかると確実です。

メモリーチップとランク

シングルランク

シングルランクとは、64ビットのメモリーバス幅を構成する複数のメモリーチップのグループがメインメモリーに1個あることです。

デュアルランク

デュアルランクとは、64ビットのメモリーバス幅を構成する複数のメモリーチップのグループがメインメモリーに2個あることです。

メモリーチップ実装面とランク

メインメモリーの片面のみにメモリーチップがあるとシングルランク、両面にメモリーチップがあるとデュアルランクの場合が多いです。片面のみメモリーチップでもデュアルランクの場合もあり、両面にメモリーチップでもシングルランクの場合もあります。

リテールのメモリーチップ、バルクのメモリーチップ

リテールのメモリーチップ

リテールのメインメモリーでは、メモリーチップのメーカーが検査を行い、メモリーチップのメーカーがパッケージングし、メモリーチップのメーカーの刻印を行ったメモリーチップを使用しています。

バルクのメモリーチップ

バルクのメインメモリーでは、メモリーチップのメーカーが検査を行っておらずパッケージングしていない状態のメモリーチップを、メモリーモジュールのメーカーが検査してパッケージングしたメモリーチップを使用している等、リテールよりも劣る場合があります。

リテールが無難

メモリーモジュールのメーカーがしっかり検査を行いパッケージングしたメモリーチップであれば、リテールより劣ることがなくリテールより優れている場合もあります。これに該当するか判断するのが難しいため、リテールのメインメモリーを選ぶのが無難です。

メインメモリーのメモリーチップの動作方式

動作方式の一覧

下表は、メインメモリーのメモリーチップの動作方式の一覧です。

メモリーチップの動作方式 説明
SDRAM ・バスクロックの立ち上がりのタイミングでデータ送受信
DDR SDRAM ・SDRAMと比べてデータ送受信のタイミングが2倍
・バスクロックの立ち上がりと立ち下がりのタイミングでデータ送受信
・SDRAMと比べてデータ転送速度が2倍
・SDRAMと比べて動作電圧が低い
DDR2 SDRAM ・DDR SDRAMと比べてデータ転送速度が2倍
・DDR SDRAMと比べて動作電圧が低い
DDR3 SDRAM ・DDR2 SDRAMと比べてデータ転送速度が2倍
・DDR2 SDRAMと比べて動作電圧が低い
DDR4 SDRAM ・DDR3 SDRAMと比べてデータ転送速度が2倍
・DDR3 SDRAMと比べて動作電圧が低い
DDR5 SDRAM ・DDR4 SDRAMと比べてデータ転送速度が2倍
・DDR4 SDRAMと比べて動作電圧が低い

出典

信頼性の高いメモリーとそうでないメモリーの見分け方 | 日経クロステック(xTECH)(2007/01/22公開記事)
メモリーのECCとは? | 日経クロステック(xTECH)(2007/06/01公開記事)
【メモリ屋社長のちょっとタメになるメモリ話】Ryzenで話題になった、メモリの”Rank”って何のこと? - PC Watch(2017/04/10公開記事)
PCのメモリー増設、失敗しないための必須知識(3ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2018/07/31公開記事)


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