Windows のパッケージ版、OEM 版、DSP 版の選び方

最終更新日 2023年09月07日

製品によって違いが異なる

Windows は、各製品でパッケージ版、OEM 版、DSP 版の3つが販売されます。それぞれ価格や販売方法やライセンス等が異なります。

ここでは、Windows XP 以降の製品に限って、パッケージ版、OEM 版、DSP 版の違いについて見ていきます。以下は、Windows XP 以降の製品です。

製品名 発売年
Windows XP 2001年
Windows Vista 2007年
Windows 7 2009年
Windows 8 2012年
Windows 8.1 2013年
Windows 10 2015年

Windows XP や Windows Vista、Windows 7 では、パッケージ版、OEM 版、DSP 版の違いについて同様に説明できますが、Windows 8 からはパッケージ版、OEM 版、DSP 版の違いが、従来とは異なるため同様に説明できなくなりました。

そのため、選ぶ製品によってパッケージ版、OEM 版、DSP 版の違いを正しく認識して選ぶ必要があります。

Windows には、パッケージ版、OEM 版、DSP 版がある

OS を単体で購入するなら知っておきたい

売られているパソコンには、はじめから Windows 等の OS がインストールされているのが一般的ですが、中には OS がインストールされていないモデルもあります。このようなモデルは、OS を自分で別途で購入し、インストールしたい方等に向いており、OS が無い分価格が安くなっています。

パソコンに OS は必須であり、無料で使える Linux 等を使わないのであれば、パソコンを購入するときに OS も買わなければなりません。その際に知っておく必要がある事は、OS の Windows にはパッケージ版と OEM 版、DSP 版があり、どれを選んでも使用できる機能に変わりはありませんが、価格や販売方法、ライセンス等が異なる事です。

間違って選んでしまっても深刻な事態にはなりませんが、自分の使用スタイルに合わせて3つの中から選ぶと、Windows に投じるコストが結果的に安くなる可能性があります。

以下にパッケージ版、OEM 版、DSP 版の3つの違いについて説明しますが、特に選ぶ必要性を感じなければ、一般的にパソコンと一緒に販売される OEM 版を迷わず選んでも大丈夫です。

パッケージ版とは

Windows 単体で購入する方向け

Windows は、パソコン関連の商品を扱うショップ等で、単体でも売られています。このように販売されている Windows はパッケージ版と呼ばれており、既にパソコンを持っている方向けに販売されています。

パッケージ版は、単体で買われるものであり、メーカーやショップで売られているパソコンと一緒に販売される事はあまりありません。

パソコンと一緒に販売されている Windows は、OEM 版が一般的で、パソコンと一緒に買う Windows は、OEM 版と思って問題ありません。

通常版とアップグレード版

パッケージ版には、通常版とアップグレード版があります。ただし、製品によっては通常版とアップグレード版に分かれていません。

通常版は、使用中の製品に関係なくパソコンにインストールできます。Windows に限らず OS が何もインストールされていないパソコンにインストールできますし、何らかの OS がインストールされているパソコンにもインストールできます。

アップグレード版は、使用中の製品を上書きしてアップグレードできます。アップグレード版でアップグレードするには、アップグレード対象製品がパソコンにインストールされている必要があります。

例えば、Windows XP のパッケージ版のアップグレード版が、アップグレード対象製品が Windows 2000 のみだった場合、Windows 2000 がインストールされているパソコンにて Windows XP へアップグレードできます。Windows 2000 以外の製品がインストールされているパソコンではアップグレードできません。(仮定の話であり、実際のアップグレード対象製品の内容は異なります。)

Windows は、同じ製品に複数のエディションが存在するので、アップグレード版に複数のエディションが存在しますが、エディションによってアップグレード対象製品が異なります。また、期間限定キャンペーン等で特別なアップグレード版が発売される場合があり、特別なアップグレード版ではアップグレード対象製品が変わっている場合があります。

そのため、アップグレード版のアップグレード対象製品を見て、そのアップグレード対象製品がパソコンにインストールされているのか確認する必要があります。

通常版 ・使用中の製品に関係なくパソコンにインストール可能
アップグレード版 ・使用中の製品を上書きしてアップグレードする
・アップグレード対象製品がインストールされているパソコンにインストール可能

Windows 8 ではアップグレード版しかない

Windows 7 までの Windows と違い、Windows 8 のパッケージ版にはアップグレード版しかありません。そのため、Windows 8 のパッケージ版をパソコンにインストールするには、パソコンにアップグレード対象製品 Windows XP、Windows Vista、Windows 7 のどれかがインストールされている必要があります。これらの Windows がインストールされていないパソコンに Windows 8 を新規インストールしたい場合は、Windows 8 の DSP 版を選ぶ必要があります。

Windows 8 へのアップグレード対象製品

製品名
Windows XP
※Service Pack 3(SP3)である必要あり
Windows Vista
Windows 7

Windows 8.1 では通常版とアップグレード版に分かれず

Windows 8.1 のパッケージ版は、通常版とアップグレード版が分かれず組み合わさったものとなっています。つまり、Windows 8.1 のパッケージ版は、使用中の製品に関係なくパソコンにインストールできますし、使用中の製品を上書きしてアップグレードする事もできます。

Windows 10 のパッケージ版は、通常版のみ

2015年12月1日時点では、Windows 10 のパッケージ版には通常版のみあります。Windows 10 は、Windows 10 の発売日である2015年7月29日から1年間は無料でアップグレードできますので、アップグレード版はないと思われます。無料でアップグレードできる期間が終了したら、アップグレード版が発売されるかもしれません。

また、Windows 10 からパッケージ版は USB メモリによる提供に変わりました。Windows 8.1 までは光ディスクメディアによる提供でした。

OEM 版とは

パソコンと一緒に買う Windows

メーカーやショップで販売されているパソコンにはじめからインストールされている Windows は、OEM 版と呼ばれるものです。プリインストール版とも呼ばれます。

この OEM 版ですが、何といっても安いという特徴があります。大体パッケージ版の半額となっています。パソコン本体とセットにして大量に売りさばきたいという狙いもあって安くなっているでしょうが、他にパッケージ版より安い分、パッケージ版と比べて劣る所があります。

それは、他のパソコンに移動する形でインストールができない事です。例えば、パッケージ版であれば、前にインストールしたパソコンからアンインストールすれば、別のパソコンに再インストールできますが、OEM 版ではできません。

と言っても、パソコンは故障するまで同じ Windows をずっと使い続けるでしょうし、一般的な寿命(5年以上)を過ぎれば、新しい Windows が出てるでしょうから、Windows を引越しさせる必要性は低いです。

ちなみに、パッケージ版と OEM 版を比較した場合、同じ製品かつエディションであれば、機能に違いはありません。つまり、OEM 版の方が安いからと言って、機能が削られている事はありません。

DSP 版とは

Windows を安く手に入れられる

Windows には、DSP 版と呼ばれるものもあります。OEM 版と同様に、パッケージ版と比べ大幅に安くなっています。

ただし、DSP 版は購入と使用に関して条件があり、まず PC パーツ1つと一緒に買わなければなりません。そして、かつその購入した PC パーツが組み込まれたパソコンにしかインストールできません。

例えば、フロッピーディスクドライブと DSP 版を購入した場合、そのフロッピーディスクドライブをパソコンに搭載すれば、そのパソコンに DSP 版をインストールできます。

また、同時に購入した PC パーツも移動させるのであれば、DSP 版も移動させる事が可能となり、他のパソコンへ再インストールできます。

Windows 7 では、途中からPC パーツと一緒という縛りが無くなった

Windows 7 は、発売後に新たな DSP 版が発売され、その新しい DSP 版では PC パーツと一緒に購入する必要はありません。そのため、別パソコンにインストールし直す場合、PC パーツを移動させる必要もありません。

Windows 8、Windows 8.1 では PC パーツと一緒という縛りが無い

Windows 7 までの Windows と違い、Windows 8 と Windows 8.1 の DSP 版では、PC パーツと一緒に購入する必要はありません。そのため、別パソコンにインストールし直す場合、PC パーツを移動させる必要もありません。

Windows 10 では PC パーツと一緒という縛りが復活

Windows 10 では、Windows 7 までの Windows と同様に PC パーツとセットで購入しなければならず、かつセットで購入した PC パーツが組み込まれたパソコンにしかインストールできません。

別のパソコンへインストールし直す場合は、セットで購入した PC パーツも移動させる必要があります。

製品名 DSP 版の購入と使用に関する条件
Windows XP PC パーツをセットで購入し、組み込んだパソコンにインストール可能
Windows Vista
Windows 7(※)
Windows 8 PC パーツをセットで購入する必要なし
Windows 8.1
Windows 10 PC パーツをセットで購入し、組み込んだパソコンにインストール可能
(※)途中から発売された新しい DSP 版では、PC パーツをセットで購入する必要なし

OEM 版で決まり?

わかりにくい内容だったら申し訳ありませんが、パッケージ版、OEM 版、DSP 版について、どのような違いがあるかわかったでしょうか。他にも異なる点がありますが、最も注意すべき違いは、上記の通りです。

パソコンを買って、何年も使い続けるのであれば、パソコンと一緒に販売される OEM 版で問題ないのがわかるかと思います。また、自作したパソコン用の OS を買うのであれば、DSP 版がおすすめです。ただし、その際は、DSP 版と一緒に購入する PC パーツが組み込めるのか、よく確認してから購入する必要があります。(Windows 8 と Windows 8.1 の DSP 版では、PC パーツについて気にする必要はありません。)

おすすめ OS(Windows)製品販売ショップ

OS の Windows 製品は、主に自作パソコンユーザー向けに販売されてきましたが、自作パソコンの衰退と共に自作パソコンユーザー向けに PC パーツや Windows 製品の販売に力を入れるショップが少なくなりました。

このような状況でも豊富な品揃えや価格の安さを武器に Windows 製品の販売に力を入れているショップは存在し、以下は Windows 製品を購入するなら見ておきたいおすすめのショップです。
ツクモ
ツクモは、AeroStream と呼ばれる静音デスクトップパソコンで有名なパソコンショップですが、各メーカーのパソコン本体や PC パーツ、周辺機器等の品揃えが豊富で安い特長があり、OS(Windows )にも当てはまります。
(2014年11月22日時点)
PC ワンズ
PC ワンズは、PC パーツと自作パソコンの専門店です。BTO パソコンも販売していますが、自作パソコンユーザー向けに特化した品揃えとサービスを提供しており、PC パーツや周辺機器等の品揃えが豊富で、自作パソコンに欠かせない OS(Windows )も販売しています。
(2014年11月22日時点)


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