ウイルス検出率ランキング上位のセキュリティソフトを選ぶ方が良いのか

最終更新日 2023年09月07日

ウイルス検出率第1位は素晴らしく見えるが

ウイルス検出率ランキングの上位、特に第1位にランクインしていることを宣伝文句にしているセキュリティソフトウェアがあります。

ウイルス検出率に注目して選ぶ人が多いでしょうから、ウイルス検出率が高いことを宣伝文句にするセキュリティソフトウェアが多いのは当然です。

ウイルス検出率第1位と聞くと最も優れたセキュリティソフトウェアである証拠であり、ウイルス検出率第1位のセキュリティソフトウェアを選ぶ方が良さそうです。

しかし、ウイルス検出率第1位には何らかのからくりがあるのではないか、そもそもセキュリティソフトウェアはウイルス検出率だけで選ぶものなのか様々な疑問が出てきます。

ウイルス検出率第2位や第3位等についても同様ですが、ここではウイルス検出率第1位に絞るとします。

何のテストでウイルス検出率第1位をとったのか記載されていない

ウイルス検出率第1位とあっても、どのようなテストにてランキング第1位となったのか記載されていないとまず信用できません。

あくまで仮定の話ですが、自社のセキュリティソフトウェアが検出でき、かつ他社のセキュリティソフトウェアが検出できないウイルスを集めてウイルス検出テストを実施すれば、自社のセキュリティソフトウェアがウイルス検出率No.1になれます。

さすがにここまでえげつない自社テストを行ってウイルス検出率第1位をとったとしているところはないと思いたいところですが、何にせよ自社のセキュリティソフトウェアが有利になるようなテストならウイルス検出率第1位をとりやすいです。

ウイルス検出率第1位だったテストのみピックアップ

第三者評価機関が実施したウイルス検出率を測るテストの結果なら参考にする価値がありますが、第三者評価機関は1つだけでなく複数存在しテストのやり方が異なります。

そのため、ある第三者評価機関のテストではウイルス検出率第1位だが、別の第三者評価機関のテストではウイルス検出率第1位ではないセキュリティソフトウェアが見られます。

自社のセキュリティソフトウェアがウイルス検出率第1位だったテストのみピックアップしている可能性を考慮すると、ウイルス検出率第1位でも最もウイルス検出に優れたセキュリティソフトウェアとは限りません。

ウイルス検出率の差が誤差レベル

複数存在する第三者評価機関を絞りすぎることなく、それぞれのテスト結果を見比べれば参考にする価値が高くなります。

しかし、複数の第三者評価機関によるウイルス検出テストにて第1位を獲得しているとしても、下位と比べて数%くらいしか違わなければ誤差レベルです。

また、第三者評価機関によるウイルス検出テストは定期的に行われており、ランキングの入れ替わりが見られます。最新のウイルス検出率ランキングにて上位に入っていても後に下位に沈むこともあれば、逆に下位から上位に上がることもあります。

ウイルス検出率が他と比べて著しく低く、それが長期間に渡って続き順位が低迷しているセキュリティソフトウェアなら導入は見送る判断をしても良いでしょうが、それ以外のセキュリティソフトウェアであればウイルス検出率ランキングにこだわる必要はありません。

ウイルス検出以外も重要

セキュリティソフトウェアには様々な機能があり、複数の機能がサイバー攻撃からパソコンを守ります。ウイルス検出は機能の一つであり重要な機能ですが他の機能も重要です。

例えば、今でもウイルス検出は重要な機能ですが、不正サイトによって個人情報を盗まれる被害や金銭的被害が増えていることを考慮すると、パソコンが不正サイトへアクセスしたら接続を遮断する機能も重要です。

ウイルス検出率が低すぎるのは問題ですがウイルス検出率が高いだけでなく、ウイルス検出以外の機能が優れていることも重要です。

ウイルス検出率が低いよりは高い方が良いでしょうが、ウイルス検出率だけでなく他の機能も含めて総合的に見てセキュリティソフトウェアを選ぶ方が良いです。