外付け有線 LAN アダプターの選び方 - その他 周辺機器の選び方

最終更新日 2023年09月07日

外付け有線 LAN アダプターとは

パソコンに LAN ポートを増設するために使用する

外付け有線 LAN アダプターは、パソコンに LAN ポートを増設するために使用する周辺機器です。

昔は、どのパソコンにも LAN ポートがありましたが、無線 LAN が普及し、LAN ポートがあるとパソコン本体の薄型化が難しくなる事もあり、薄いノートパソコンやタブレット PC では LAN ポートがないモデルが増えてきました。

もしパソコンに LAN ポートを増設したい場合は、外付け有線 LAN アダプターを使用するのがおすすめです。外付け有線 LAN アダプターは、小型で軽量ですので、モバイルノートパソコンやタブレット PC と一緒に持ち運びしやすいです。

接続インターフェースの選び方

USB が主流

外付け有線 LAN アダプターは、パソコンの外部インターフェースに接続して使用します。2015年11月20日時点では、パソコンの外部インターフェースでは USB が普及しており、外付け有線 LAN アダプターの接続インターフェースは USB が主流です。

PC カードスロットで接続する外付け有線 LAN アダプターもありましたが、PC カードスロットは廃れましたので、最近の外付け有線 LAN アダプターでは選択肢は USB のみです。

USB 規格

USB は、規格によってデータ転送速度が異なります。基本的に LAN ポートの最大通信速度は、LAN ポートが対応するイーサネット規格によって決まりますが、外付け有線 LAN アダプターでは USB を経由するため、USB のデータ転送速度によっては最大通信速度に影響します。

以下は、USB の各規格のデータ転送速度です。

種類 データ転送速度
USB1.1 12Mbps
USB2.0 480Mbps
USB3.0 5Gbps
USB3.1 USB3.1 Gen1 5Gbps
USB3.1 Gen2 10Gbps

USB3.0 が選択の目安

後に詳しく記載しますが、2015年11月20日時点では、パソコンやルーター、ハブ等、LAN ポートを搭載する機器では、最大通信速度が 1Gbps となるイーサネット規格 1000BASE-T が普及しています。また、最大通信速度 1Gbps のインターネット接続サービスが普及し始めています。そのため、1000BASE-T に対応した LAN ポートを搭載する外付け有線 LAN アダプターを選ぶのがおすすめです。

1000BASE-T に対応した LAN ポートで最大通信速度 1Gbps を発揮するには、USB2.0 のデータ転送速度 480Mbps では足りません。1Gbps を超えるデータ転送速度 5Gbps がある USB3.0 が必要です。

外付け有線 LAN アダプターを接続して使用するパソコンの USB が、USB3.0 に対応しておらず USB2.0 等であれば、データ転送速度が遅い方に合わせられますので、USB3.0 対応の外付け有線 LAN アダプターを選んでも本来の性能を発揮できませんが、将来 USB3.0 対応パソコンに接続して使用する可能性を考慮し、USB3.0 対応の外付け有線 LAN アダプターを選ぶのがおすすめです。

USB ハブ

外付け有線 LAN アダプターは、LAN ポートがないモバイルノートパソコンやタブレット PC 向けです。これらのパソコンは、USB 端子数が少ない傾向があります。

もしパソコンに USB 端子が1つしかなければ、外付け有線 LAN アダプター以外の USB 接続機器を使えません。USB ハブを使用するとしても、外付け有線 LAN アダプターは USB ハブを経由すると正常に通信できず使えない製品が多いです。

そこで役立つのが、USB ハブと一体になった外付け有線 LAN アダプターです。外付け有線 LAN アダプターを USB ハブとしても使えるようになりますので、USB 端子不足に悩まされなくなります。

外付け有線 LAN アダプターを USB 端子が少ないパソコンに接続し、他にも多くの USB 接続機器を使用するなら、USB ハブと一体になった外付け有線 LAN アダプターを選ぶのがおすすめです。

LAN ポートのイーサネット規格の選び方

イーサネット規格

LAN ポートは、イーサネット規格によって通信に関わる様々な仕様が決まってきますが、それぞれのイーサネット規格の違いは、最大通信速度のみ注目しておけば十分です。

以下は、各イーサネット規格の最大通信速度です。下記以外にも様々なイーサネット規格が存在しますが、2015年11月20日時点において、一般的な家庭用ネットワーク機器で採用された比較的新しいイーサネット規格のみ記載しています。

イーサネット規格 最大通信速度
10BASE-T 10Mbps
100BASE-TX, 100Mbps
1000BASE-T 1Gbps
10G BASE-T 10Gbps

1000BASE-T が選択の目安

下にいくほど新しい上位のイーサネット規格であり、最大通信速度が速いです。10G BASE-T は、一部のネットワーク機器にしか普及しておらず、10G BASE-T 対応 LAN ポートを搭載した外付け有線 LAN アダプターはありません。1000BASE-T は、最近のネットワーク機器に普及しています。

そのため、1000BASE-T が選択の目安となります。イーサネット規格は上位互換性があり、通信先の LAN ポートのイーサネット規格が異なる場合、最大通信速度が遅い方に合わせられます。

外付け有線 LAN アダプターを、1000BASE-T より最大通信速度が遅い 100BASE-TX 等に対応した LAN ポート搭載ネットワーク機器に接続して使用するなら、1000BASE-T 対応の外付け有線 LAN アダプターを選んでも本来の性能を発揮できませんが、将来 1000BASE-T 対応ネットワーク機器に接続して使用する可能性を考慮し、1000BASE-T 対応の外付け有線 LAN アダプターを選ぶのがおすすめです。

外付け有線 LAN アダプターをルーター等と接続してインターネット接続のみに使用するなら、インターネット接続サービスの最大通信速度を考慮して選ぶのも選び方の一つです。

2015年11月20日時点では、最大通信速度 100Mbps のインターネット接続サービス利用者が多く、それなら 100BASE-TX で十分ですが、将来最大通信速度 1Gbps のインターネット接続サービスを利用する可能性や、他のパソコンや外付けストレージ等とデータのやり取りに使用する可能性も考慮し、1000BASE-T を選ぶのがおすすめです。

対応 OS の選び方

外付け有線 LAN アダプターに限らず周辺機器はドライバと呼ばれるソフトウェアが制御します。そのドライバが OS 上で動作するよう作られている必要があり、ある OS 上ではドライバが動作しなければ、その OS 搭載パソコンでは外付け有線 LAN アダプターは使えません。そのため、外付け有線 LAN アダプターには対応している OS があります。

外付け有線 LAN アダプターのドライバは、OS に強く依存しないため、幅広い OS に対応しています。以下は、2015年11月20日時点における比較的新しい Windows 製品です。

製品名 発売年
Windows 7 2009年
Windows 8 2012年
Windows 8.1 2013年
Windows 10 2015年

これらの Windows 製品だけでなく、Windows 7 より古い Windows Vista や Windows XP 等にも対応する外付け有線 LAN アダプターが多いです。

新しい Windows 製品が登場する前に発売された外付け有線 LAN アダプターだと、新しい Windows 製品に対応していない場合がありますが、新しい Windows 製品にも対応できる可能性が高いです。

メーカーのウェブサイトでは、後に登場した新しい Windows 製品への対応状況を公開している場合が多いので、新しい Windows 製品にも対応できるかどうか調べたい場合は、確認してみると良いです。

メーカーのウェブサイトでは公開していない場合、インターネットの検索エンジンで、外付け有線 LAN アダプターと新しい Windows の製品名を検索キーワードにして調べる手があります。


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