USB Type-Cケーブル
最終更新日
2025年05月27日
USB Type-Cケーブルとは
基礎
USB Type-CケーブルとはUniversal Serial Bus Type-Cケーブルの略で、コネクターとケーブルの規格のUSB Type-Cに対応するUSBケーブルです。ユーエスビー・タイプシー・ケーブルと読みます。他の呼び方には、USB-Cケーブルがあります。USB Type-Cケーブルが必要な規格等
USB Type-Cケーブルが必要な規格等に、USB 3.2 Gen 2x2、USB4、USB PD、DisplayPort Alternate Mode、Thunderbolt 3以降のThunderbolt、以上があります(2025/02/20時点)。USB 3.2 Gen 2x2はデュアルレーンのため、USB Type-Cケーブルが必要です。USB4はデュアルレーン関係なしに、USB Type-Cケーブルが必要です。Thunderboltに関してはThunderboltケーブルが必要と言えますが、ThunderboltケーブルがThunderbolt対応USB Type-Cケーブルとも言えるため、USB Type-Cケーブルが必要な規格等にThunderboltも含めています。ケーブル本体の外観からUSB規格の判断が難しい
USB Type-Cケーブルが対応するUSBの規格を、ケーブル本体の外観から判断するのが難しいです。コネクター部分に40Gbpsが印字されているためUSB4 Gen 3x2対応とわかる場合もあります。USB Type-Cケーブル本体に対応規格がわかるようなものがない場合、対応規格名を記載したラベルシールをケーブル本体に巻き付ける等、対応規格がわかるようにしておくと良いです。
USB Type-Cケーブルの対応規格の判別方法
USB Type-Cケーブルにロゴマークがないと対応規格の判別が困難です。ロゴマークがあっても一部の対応規格の判別が困難です。そこで、USBケーブルチェッカーやUSB電力計を使用して判別する方法があります。USB Type-Cケーブル、伝送路
USB 3.x用伝送路が2本
USB Type-CケーブルはUSB 3.x用伝送路が2本ありますが、USB Type-Aケーブルは1本です。デュアルレーンではUSB 3.x用伝送路が2本必要のため、USB Type-Cケーブルはデュアルレーンを使用でき、USB Type-Aケーブルは使用できません。USB Type-Cケーブルのデータ転送速度
USBの規格によって違う最大データ転送速度
USB Type-Cケーブルが対応するUSBの規格によって、対応する最大データ転送速度が違います。USB Type-Cケーブルの方が最大データ転送速度が低いと、USB機器が本来の性能を発揮できない等の問題が発生する場合があります。例えば最大40GbpsのUSB4 Gen 3x2に対応するパソコンと外付けSSDを、最大20GbpsのUSB4 Gen 2x2に対応するUSB Type-Cケーブルで接続する場合、パソコンと外付けSSDも最大20Gbpsになります。そして外付けSSDが本来の性能を発揮できない場合があります。
USB 3.0〜USB 3.2 Gen 2x2、ケーブルの品質に違いあり
USB 3.0 Type-Cケーブル〜USB 3.2 Gen 2x2 Type-Cケーブル、それぞれの違いがケーブルの品質です。データ転送速度が速くなるほど、USB信号を基準以上の強度で反対側のUSBポートまで届けるために高い品質が求められます。そのため、USB 3.2 Gen 2x2 Type-Cケーブルに求められる品質が最も高いです。実際には必要以上に品質が高く、USB Type-Cケーブルが対応するUSB規格よりも、上位のUSB規格に対応するUSB Type-Cケーブルとして使用できる場合があります。例えば、USB 3.2 Gen 2x1 Type-Cケーブルを、USB 3.2 Gen 2x2 Type-Cケーブルとしても使用できる場合があります。それならなぜ上位のUSB規格に対応するとしないのかという疑問が出てきますが、発売開始時点では上位のUSB規格が存在しなかった、試験において一部のUSB機器では上位のUSB規格に対応するUSB Type-Cケーブルとして使用できなかった等の理由があります。
USBの規格の一覧
種類 | 最大速度 | |
---|---|---|
USB 1.1 | 12Mbps | |
USB 2.0 | 480Mbps | |
USB 3.0 | 5Gbps | |
USB 3.1 | USB 3.1 Gen1 | 5Gbps |
USB 3.1 Gen2 | 10Gbps | |
USB 3.2 | USB 3.2 Gen 1x1 | 5Gbps |
USB 3.2 Gen 1x2 | 10Gbps | |
USB 3.2 Gen 2x1 | 10Gbps | |
USB 3.2 Gen 2x2 | 20Gbps | |
USB4 | USB4 Gen 2x1 | 10Gbps |
USB4 Gen 2x2 | 20Gbps | |
USB4 Gen 3x1 | 20Gbps | |
USB4 Gen 3x2 | 40Gbps |
USB Type-Cケーブル、USB PD
USB PD使用にUSB Type-Cケーブル必要
USB PDを使用できるコネクターがUSB Type-Cです。USB Type-C以外のUSB Type-A等ではUSB PDを使用できません。このため、USB PDの使用にUSB Type-Cケーブルが必要です。対応最大電力がUSB Type-Cケーブルによって異なる
USB Type-Cケーブルによって対応する最大電力が異なります。対応最大電力に60W、100W、240Wがあります。伝送できる最大電力が、USB Type-Cケーブルの対応最大電力で頭打ちにならないようにします。例えばUSB PD機器の給電側と受電側の対応最大電力が100Wでも、両者を接続するUSB Type-Cケーブルの対応最大電力が60Wだと、伝送できる最大電力が60Wになります。USB Type-CケーブルのeMarker
電力制御を行うICチップ
eMarkerとは、USB Type-Cケーブルのコネクター部分に内蔵されている電力制御を行うICチップです。eMarkerにUSB Type-Cケーブルが対応する最大電力、製造者情報等が記録されています。eMarker内蔵とは限らない
USB Type-CケーブルにeMarkerが内蔵されているとは限りません。USB 3.x Type-CケーブルはeMarker内蔵が必須ですが、規格に従っておらずeMarker非内蔵の場合があります。USB 2.0 Type-CケーブルはeMarker内蔵が必須ではないため、eMarker内蔵の場合とeMarker非内蔵の場合があります。eMarker使用例
USB Type-Cケーブルを使用してUSB機器同士を接続すると、USB機器同士で通信を行います。そこでeMarkerを使用し供給する最大電力を決めます。例えば100W対応ノートパソコンに100W対応充電器を、USB Type-Cケーブルを接続して使用するとします。充電器がノートパソコンに電力を供給する前に、両者で通信を行い供給する最大電力を決めます。USB Type-CケーブルにeMarkerがない場合、供給する最大電力が60Wに決まります。USB Type-CケーブルにeMarkerがあり、かつ対応する最大電力が100Wと記録されている場合、供給する最大電力が100Wに決まります。USB Type-CケーブルとThunderbolt
USB Type-CケーブルがThunderbolt非対応
Thunderbolt 3ケーブルやThunderbolt 4ケーブルのコネクターがUSB Type-Cのため、USB Type-Cケーブルと呼ぶこともできます。しかし、USB Type-CケーブルはThunderbolt 3やThunderbolt 4に非対応とし、Thunderbolt 3ケーブルやThunderbolt 4ケーブルと区別します。USB Type-Cケーブルのコネクター
片方はUSB Type-C以外のUSBケーブル
片方はUSB Type-C、もう片方はUSB Type-C以外のUSB Type-A等のUSBケーブルがあります。このようなUSBケーブルでもUSB Type-Cケーブルと呼ぶこともできます。しかし、USB Type-Cケーブルと呼ばず、片方のコネクターがUSB Type-C以外とわかる名称にする場合が多いです。例えば、片方はUSB Type-Aの場合、USB Type-C to USB Type-A変換ケーブル等と呼びます。片方はUSB Type-C以外だと対応不可の機能
片方はUSB Type-C以外のUSBケーブルだと、USB Type-Cを必要とする機能に対応できません。例えば、USB PDやDisplayPort Alternate Mode等に対応できません。リバーシブル
USB Type-Cケーブルはリバーシブルです。コネクターに表裏の区別がなく、表と裏どちらでも差し込めます。従来のUSBケーブルはリバーシブルではありません。ただし、USBケーブルのUSB Type-Aは、メーカー独自仕様のリバーシブルがあります。ロゴマーク
USB Type-Cケーブルのコネクターにロゴマークがあります。ロゴマークから対応する最大データ転送速度等がわかる場合があります。ロゴマークを使用するには、USB-IFの認証が必要です。認証の取得にコストがかかります。コスト削減のために認証を取得していないUSB Type-Cケーブルが存在しており、ロゴマークがありません。ロゴマークがなく安価
ロゴマークがない安価なUSB Type-Cケーブルは、USB 2.0 Type-Cケーブルの可能性が高いです。この場合、最大データ転送速度がUSB 2.0の480Mbpsです。USB PDに対応していますが、最大電力が60Wの可能性が高いです。安価ならコストをかけて60W超えに対応とは考えにくいためです。USB Type-Cケーブルのコネクターの変換
規格上では禁止のコネクター変換
USB Type-Cケーブルのコネクターを変換する変換コネクターがあります。変換コネクターも使用すると、USB Type-CケーブルをUSB Type-C以外のコネクターに接続できるようになりますが、規格上では禁止のコネクター変換もあります。例えば、USB Type-CケーブルのUSB Type-Cプラグを、USB Type-Aプラグに変換する変換コネクターがあります。これは規格上では禁止のコネクター変換です。この変換コネクターを使用すると、例えばパソコンのUSB Type-A同士を接続できますが、パソコンが故障する恐れがあります。問題ない使い方もあり、例えばパソコンのUSB Type-Aと外付けSSDのUSB Type-Cを接続するために使用するなら問題ありません。USB Type-Cケーブルのピン
ピンの一覧
ピン | 名称 | 役割 | ピン | 名称 | 役割 |
---|---|---|---|---|---|
A1 | GND | グラウンド | B12 | GND | グラウンド |
A2 | TX1+ | USB 3.x信号伝送(1) | B11 | RX1+ | USB 3.x信号伝送(1) |
A3 | TX1- | USB 3.x信号伝送(1) | B10 | RX1- | USB 3.x信号伝送(1) |
A4 | VBUS | 電力伝送 | B9 | VBUS | 電力伝送 |
A5 | CC | 設定信号伝送 | B8 | SBU2 | 機能拡張(2) |
A6 | D+ | USB 2.0信号伝送 | B7 | - | 未使用 |
A7 | D- | USB 2.0信号伝送 | B6 | - | 未使用 |
A8 | SBU1 | 機能拡張(1) | B5 | VCONN | eMarker電力伝送 |
A9 | VBUS | 電力伝送 | B4 | VBUS | 電力伝送 |
A10 | RX2- | USB 3.x信号伝送(2) | B3 | TX2- | USB 3.x信号伝送(2) |
A11 | RX2+ | USB 3.x信号伝送(2) | B2 | TX2+ | USB 3.x信号伝送(2) |
A12 | GND | グラウンド | B1 | GND | グラウンド |
USB 3.x用ピン
TX1+ピン、TX1-ピン、TX2+ピン、TX2-ピン、RX1+ピン、RX1-ピン、RX2+ピン、RX2-ピン、SBU1ピン、SBU2ピン、以上はUSB 3.x用のピンです。USB 3.x Type-CケーブルはUSB 3.x用のピンを結線していますが、USB 2.0 Type-CケーブルはUSB 3.x用のピンを結線していません。USB Type-Cケーブルの最大長
最大長が目安
USB Type-Cケーブルの最大長が、USB Type-Cケーブルが対応するUSB規格によって違います。USB規格が規定するケーブル最大長が必ず守らなければならない基準ではなく目安です。そのため、対応するUSB規格が規定するケーブル最大長よりも長いUSB Type-Cケーブルも存在します。USB Type-Cケーブル、USB機器
USB機器にUSB Type-Cが普及し、USB Type-Cケーブルのみに
USB Type-Aはホスト用、USB Type-Bはデバイス用です。USB Type-Bを小型化したUSB Micro-B等もあります。USB Type-B、USB Micro-Bは、USB 3.xからコネクターの形状が変更です。以上の通りコネクターの種類が多いため、USBケーブルの種類も多いです。USB Type-Cでは、ホストとデバイスの両者がUSB Type-Cを使用します。USB Type-Cが普及し従来のコネクターが廃れると、コネクターの違いで分類したUSBケーブルの種類が、USB Type-Cケーブルのみになります。出典
・多機能USB Type-Cは便利だけどややこしい、インタフェース規格最新事情(2ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2022/01/11公開記事)
・同じように見えても速度が違う?ケーブルにまつわる困りごとを解決(2ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2022/01/13公開記事)
・USB Type-Cは規格で速度がいろいろ、ケーブルのパッケージ開封時にすべきこと | 日経クロステック(xTECH)(2022/02/18公開記事)
・USB Type-Cは規格で速度がいろいろ、ケーブルのパッケージ開封時にすべきこと(2ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2022/02/18公開記事)
・【教えてVAIO】開発者に教わってきた、USB Type-Cケーブルのトラブル回避方法 - PC Watch[Sponsored](2024/04/12公開記事)
・いろいろあるUSBケーブルの選び方、端子の形状だけでなく対応する規格にも注意 - まる分かりUSB最新事情(5ページ目):日経クロステック Active(2025/02/14公開記事)
・USB Type-Cケーブルの違いを見極める、転送速度やUSB PD対応などポイントは複数:日経クロステック Active(2025/02/20公開記事)
・USB Type-Cケーブルの違いを見極める、転送速度やUSB PD対応などポイントは複数(2ページ目):日経クロステック Active(2025/02/20公開記事)
・USB給電の規格と仕組みを理解、複数規格があり供給電力が異なるので注意 - まる分かりUSB最新事情(4ページ目):日経クロステック Active(2025/03/21公開記事)
・同じように見えても速度が違う?ケーブルにまつわる困りごとを解決(2ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2022/01/13公開記事)
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