デスクトップパソコンレビュー「SL5010-i3-QGM」

最終更新日 2018年10月19日

日常利用に最適な省スペース型デスクトップパソコン

デスクトップパソコンには、大きく分けて一体型、省スペース型、タワー型、キューブ型の4つのタイプがあります。その中の省スペース型は、昔と比べてあまり見られなくなりましたが、設置スペースをあまり取らないというメリットがあります。

今回は、パソコンショップのパソコン工房で販売されている iiyama PC の省スペース型 SL5010-i3-QGM を使用しました。SL5010-i3-QGM は価格が約5万円と安く、価格に見合った性能となりますが、日常利用なら十分な性能を持っています。

SL5010-i3-QGM の主な仕様
OS Windows 7 Home Premium 64ビット
CPU Core i3-4130
メインメモリー 4GB
ストレージ HDD 500GB
光学ドライブ DVD スーパーマルチドライブ
グラフィックス インテル HD グラフィックス 4400
価格 価格 5万5629円(2014年2月14日時点)
※仕様、価格は 2014年2月14日 時点のものであり、変更される場合があります。

PC ケース

設置スペースを抑えられるスリムタワー

SL5010-i3-QGM の PC ケースはスリムタワーを採用しており、デスクトップパソコンの中では設置スペースを比較的抑えられるようになっています。特に幅の狭さが特徴で、液晶ディスプレイの後ろに設置して、机上のスペースを有効活用する置き方ができます。また、縦置きに限らず横置きもできますので、横長のラック等に設置したりとフレシキブルに対応できます。

SL5010-i3-QGM 縦置き
SL5010-i3-QGM 縦置き

SL5010-i3-QGM 横置き
SL5010-i3-QGM 横置き

左側面には、CPU 付近にエアインテークが広い範囲にあり、通気性を良くして冷却性を高めているのが伺えます。また、左側面の上部の方のエアインテークには、埃の侵入を防ぐためのフィルターがあります。

SL5010-i3-QGM 左側面
SL5010-i3-QGM 左側面

右側面の四隅には、横置き用に付属品のゴム足を付けるための窪みがあります。

SL5010-i3-QGM 右側面
SL5010-i3-QGM 右側面

押さえておきたいデメリット

設置スペースを抑えられるというメリットがありますが、スリムタワーには幾つかのデメリットがあります。SL5010-i3-QGM のようなモデルを選ぶ場合は、デメリットを押さえ、自分にとって問題ないか確認する必要があります。

まず、スリムタワーは拡張性が低いというデメリットがあります。そのため、PC パーツの交換や増設を行って機能や性能を向上させる事が難しいです。しかし、パソコンの購入後に PC パーツの交換や増設をする必要が無ければ全く問題ありません。

他に高性能 PC パーツの搭載が難しいというデメリットもあります。これは、特にビデオカードに当てはまり、高性能なビデオカードはサイズが大きいため、スリムタワーには搭載できません。そのため、高いグラフィックス性能を持たせるのが難しくなりますが、最近の CPU はビデオチップを統合しており、その統合ビデオチップの性能は随分と向上し、PC ゲームでも十分高いパフォーマンスを発揮します。

SL5010-i3-QGM は、ビデオチップを統合した CPU を搭載しており、高性能ビデオカードの性能よりは劣りますが、十分高いグラフィックス性能を持っています。

設置スペースを抑えられる事以外にもあるメリット

スリムタワーのデメリットばかり並べましたが、設置スペースを抑えれる事以外にも様々なメリットがあります。

まず、コストパフォーマンスの高さです。パソコンの性能の高さを大きく左右する CPU ですが、SL5010-i3-QGM はスリムタワーとは言えデスクトップパソコンですので、デスクトップ用 CPU を搭載できます。デスクトップ CPU は、ノート CPU よりもコストパフォーマンスが高い、言い換えると同じ性能で比べればデスクトップ CPU の方が価格が安いため、ノート CPU を搭載するノートパソコンやデスクトップパソコン一体型(デスクトップ CPU を搭載するモデルもあり)よりもコストパフォーマンスで有利です。

他の PC パーツに関しても同様に当てはまり、総じて見ればスリムタワーはコストパフォーマンスの高さに優れています。それは SL5010-i3-QGM の価格にも表れています。

他に、パソコン本体と液晶ディスプレイが分離しているメリットもあります。既に持っている液晶ディスプレイを流用できますし、新たに使いたい液晶ディスプレイが出てきても、交換して使う事ができます。また、液晶ディスプレイも同時に買う場合は、SL5010-i3-QGM は液晶ディスプレイがセットになっていませんので、液晶ディスプレイにかける予算を自分で調整でき、これは液晶ディスプレイと一体になっているパソコンではできない事です。

主要 PC パーツ構成

CPU

SL5010-i3-QGM が搭載する CPU は、インテル社の第4世代 Core i シリーズの Core i3-4130 です。Core i3-4130 の主な仕様は、コア数2、スレッド数2、動作周波数 3.4GHz です。

Core i シリーズは、大きく分けて性能が高い順に Core i7、Core i5、Core i3 が存在し、Core i3 は下位に位置しますが、CPU の性能が随分と底上げされた今、Core i3 でも十分高いパフォーマンスを発揮します。

インターネットやメールはもちろん、オフィスソフトウェアの使用等、パソコンにあまり負荷がかからない使用用途に使うのであれば、十分快適に作業できます。

メインメモリー

SL5010-i3-QGM が搭載するメインメモリーの容量は 4GB です。メインメモリーの低価格化と大容量化が進み、8GB や 16GB、さらに容量が大きいメインメモリーを搭載するパソコンが見られるようになった今、容量 4GB は少なく見えますが、パソコンにあまり負荷がかからない使用用途に使うのであれば、容量 4GB もあれば十分と言えます。

もし購入後に容量 4GB では足りないようであれば、SL5010-i3-QGM には空きスロットが1つありますので、容量アップが可能です。

ストレージ

SL5010-i3-QGM が搭載するストレージは HDD で、容量は 500GB です。HDD に関しても低価格化と大容量化が進み、500GB を超える容量を搭載するパソコンが見られますが、500GB もあれば大容量の動画ファイル等を大量に保存でもしない限り、使い切るのが難しいほどです。

光学ドライブ

SL5010-i3-QGM が搭載する光学ドライブは、DVD スーパーマルチドライブです。BD(ブルーレイディスク)が使えませんが、BD の読み込みや書き込みを行わなければ DVD スーパーマルチドライブで十分です。

もし、後に BD を使用する事になっても、別途で外付けの BD ドライブを用意すれば BD も使えるようにできます。

ビデオチップ

SL5010-i3-QGM が搭載するビデオチップは、インテル HD グラフィックス 4400 であり、これは CPU に統合されているビデオチップです。

マザーボードに組み込む形で搭載する専用のビデオチップに比べたら性能は劣りますが、マザーボードに内蔵されているビデオチップ(チップセット内蔵、オンボード)と比べたら性能に優れており、高いグラフィックス性能を必要とする PC ゲームのプレイも可能なほどです。

ただし快適にプレイできる性能とは言えませんが、動画コンテンツの視聴等の日常利用であれば十分高い性能です。

外部インターフェース

前面

パソコン前面には、USB が2つ(USB2.0×2)、マイク入力端子、ヘッドフォン出力端子があります。 カバーが付いており、インターフェースを使わない時はカバーを閉じて埃が入らないようにする事ができます。

前面の外部インターフェースは、主に頻繁に抜き差しを行う周辺機器との接続に使用しますが、前面の上部の方に並んでいるため、机の下等の低い位置にパソコン本体を縦置きで設置した場合、インターフェースに手が届きやすく接続や取り外しがしやすいです。

SL5010-i3-QGM 前面インターフェース
SL5010-i3-QGM 前面インターフェース

背面

パソコン背面には、USB が4つ(USB2.0×2、USB3.0×2)、映像出力端子として DVI-D、D-sub 15pin、サウンド関連の端子としてマイク入力、ライン入力、ライン出力、他に LAN と PS/2 があります。

付属のマウスとキーボードで USB を2つ使うため、残りの 2 つの USB が残りますが、人によってはプリンターやスキャナー、外付け HDD 等の数多くの周辺機器を接続するため USB が足りなくなるかもしれませんが、その場合は USB ハブを別途で用意すれば USB の数を増やせます。また、USB2.0 よりもデータ転送速度が速い USB3.0 がありますので、USB3.0 対応の外付けストレージ等と高速にデータのやり取りができます。

映像出力端子には DVI-D があり、画質の劣化が無いデジタル接続が可能です。他に映像出力端子には D-sub 15pin もありますので、画質の劣化が生じますがアナログ接続しかできない液晶ディスプレイとも接続が可能となっています。

SL5010-i3-QGM 背面インターフェース
SL5010-i3-QGM 背面インターフェース

SL5010-i3-QGM の実力

日常利用において十分なパフォーマンスを発揮

パソコンを使うなら、たいていウェブブラウザでネットサーフィンを行う方が多いと思いますが、SL5010-i3-QGM なら実に快適にネットサーフィンできます。

次々と気になるページや後で見直すページを開いたままにし、10個や20個タブを開いたままにしても動作の重さを感じる事がありません。そこから、さらにオフィスソフトウェアを複数起動して編集作業をおこなったりしても、実に快適に作業ができます。

昔なら、上記のような日常利用で使うソフトウェアでも、複数起動させたりとヘビーな使い方をすると、SL5010-i3-QGM のような低価格パソコンが持つ性能では厳しいものでしたが、今ではパソコンの性能が随分と底上げされたため、性能に余裕すら感じます。

動画配信サイトでのパフォーマンスは

YouTube 等の動画配信サイトが成長して様々な動画コンテンツがある中、ネットサーフィンを行うなら利用する方が多いと思われますが、動画の視聴はパソコンに高い負荷かかかります。SL5010-i3-QGM の性能で十分かどうか気になるところですが、今回は YouTube にて試してみました。

まずフルハイビジョン動画の視聴であればスムーズに再生でき、SL5010-i3-QGM の性能で十分と感じます。ただ、4K 動画となってくると、SL5010-i3-QGM の性能では厳しく、4K 動画の再生中は CPU の使用率が常に100%近くを維持し、動画がカクカクに表示されます。

そのため、4K 動画の視聴には SL5010-i3-QGM の性能よりも高いモデルを選ぶ必要がありますが、4K の方が画質に優れているとは言えフルハイビジョンであれば十分画質が高く、4K 動画の録画や再生環境が普及していない事もあり、4K 動画の再生に対応できる性能を持つパソコンを、あせって選ぶ必要はありません。4K 動画の視聴の必要が無いなら、SL5010-i3-QGM の性能で十分と言えます。

また、4K 動画の画質の高さの恩恵をしっかり受けるなら、4K 対応の液晶ディスプレイやパソコン側が 4k 出力に対応している必要がありますが、両者とも対応しているモデルは少なく、特に液晶ディスプレイはまだ普及があまり進んでいないのが現状です。ちなみに、SL5010-i3-QGM の最大出力解像度は 1920×1080 であり、4K 出力には対応していません。

高度な編集でなければ、動画編集や画像編集も快適

動画編集や画像編集を快適に行うには、高性能なパソコンが必要ですが、SL5010-i3-QGM の性能でも十分快適に動画編集や画像編集ができます。さすがに RAW 形式の画像ファイルやフルハイビジョン動画ファイルの編集、各編集機能を多用しての高度な編集となると動作の重さを感じ、もっと性能が高いモデルが欲しくなるところですが、たまに編集を行う程度であれば SL5010-i3-QGM の性能で十分だと個人的には思います。

PC ゲームもできる

SL5010-i3-QGM は PC ゲームのプレイに向いたモデルではありませんが、パソコンの性能が底上げされた今、SL5010-i3-QGM の性能でも PC ゲームのプレイが十分可能です。

手軽に遊べるブラウザゲームや 2D グラフィックスがメインの PC ゲームであれば、快適にプレイできます。3D グラフィックスがメインの PC ゲームとなると、ゲームタイトルによっては性能に不足を感じてきますが、画面の解像度を落としたり、PC ゲームのグラフィックス関連の設定を調整して負荷を下げるようにすると、快適にプレイできるようになります。

以下は、主な 3D グラフィックスがメインな PC ゲームのベンチマーク結果です。

FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編

解像度、設定等 スコア
1280×720 標準品質(デスクトップPC) 2598 やや快適(※1)
1280×720 最高品質 1129 設定変更が必要(※2)
(※1)標準的な動作が見込めます。余裕があればグラフィック設定の調整をお勧めします。
(※2)ゲームプレイは可能ですが、全体的に動作が重く感じられます。グラフィック設定の調整が必要で、調整により改善される可能性があります。

ファンタシースターオンライン2 キャラクタークリエイト体験版 ver2.0

解像度、設定等 スコア
1280×720 簡易描画設定1 10884(※1)
1280×720 簡易描画設定2 1132(※2)
1280×720 簡易描画設定3 980(※2)
(※1)快適に動作すると思われます。お好みの設定でお楽しみください。
(※2)処理負荷によっては動作が重くなりますので簡易描画設定の調整をお勧めいたします。

モンスターハンターフロンティア【大討伐】

解像度、設定等 スコア
1280×720 1821(※)
(※)公式には、快適なプレイができるスコアの目安を公表していませんが、快適にプレイできると言えます。

(ご注意)ベンチマーク結果は、パソコンの使用環境や使用するソフトウェア、ドライバのバージョンによって変動する場合があります。

総評

SL5010-i3-QGM は、約5万円という低価格で購入できるパソコンでありながら、日常利用で十分高いパフォーマンスを発揮します。ネットサーフィンはもちろんオフィスソフトウェアの使用等、パソコンに負荷がかからない作業であれば十分快適です。

どんな編集も快適とは言えませんが、動画や画像編集にも十分使える性能ですし、PC ゲームでも 3D グラフィックを多用してパソコンに高い負荷がかかるゲームタイトルでなければ、十分快適にプレイできます。

また、5万円台という低価格で購入できるのも魅力的であり、性能が低くても良いから安く買いたい方にとって、SL5010-i3-QGM は最適な選択肢の一つです。

今回使用した SL5010-i3-QGM は仕様が決まったモデルで BTO カスタマイズに対応していませんが、他に BTO カスタマイズに対応した SL5010-i3-QGB もあります。基本構成は SL5010-i3-QGM と一緒であり、CPU の変更やメインメモリーの容量アップ、SSD への変更、BD ドライブへの変更等が可能です。

もし予算に余裕があり、高い性能を望むなら、CPU を Core i3 から Core i5 や Core i7 へ変更しておくのがおすすめです。特に Core i7 は動画編集や PC ゲームのプレイに向いたモデルに搭載されるような高性能 CPU であり、強力なパフォーマンスを発揮します。

SL5010-i3-QGM 販売店

今回使用した SL5010-i3-QGM は、パソコン工房で販売されています。

2014年2月14日確認時点では、SL5010-i3-QGM は完売となっていますが、BTO カスタマイズに対応した SL5010-i3-QGB が販売中で、SL5010-i3-QGM と基本構成は同じです。また、SL5010-i3-QGB は OS が Windows 7 である製品と OS が Windows 8.1 である製品に分かれていますので、選ぶ時は自分が欲しい OS かどうか確認する必要があります。
パソコン工房
BTO カスタマイズに対応したパソコンや PC パーツ、周辺機器等を販売しているパソコンショップです。様々なユーザーのニーズに応えられるようラインナップが豊富であり、どのモデルも性能の割りに価格が安いです。PC パーツも安く販売しているため、自作ユーザーにもおすすめできるパソコンショップです。


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