ハイブリッド PC レビュー「HP Pavilion 11-h100 x2」
最終更新日
2023年09月07日
コストパフォーマンス重視のハイブリッド PC
ノートパソコンに代わってタブレット PC が台頭してきています。そのような中でノートパソコンとしてもタブレット PC としても使える1台2役のハイブリッド PC があります。ハイブリッド PC があれば、利用シーンに合わせて使い分けられますので、ノートパソコンとタブレット PC を別々に用意する必要がありません。
個別に購入する必要がなくなるため、安く済むかと思いきや、各メーカーのハイブリッド PC を見ると10万円を超えるような価格が高いモデルが多く、両者合わせた分と考えても割高感は否めず、ノートパソコンとタブレット PC を別々にそろえた方が良いのではないかとさえ思えます。
このようなお悩みを解決できるタブレット PC が、HP(Hewlett-Packard(ヒューレット・パッカード))にあります。それは、HP Pavilion 11-h100 x2 と呼ばれるモデルです。HP Pavilion 11-h100 x2 は、約6万円で購入できるお手頃な価格でありながら、快適に使える機能と性能を持っているコストパフォーマンスが高いハイブリッド PC です。
今回は、この HP Pavilion 11-h100 x2 を実際に使用してみた個人的な感想等を以下に記載しています。
※仕様、価格は 2014年4月4日 時点のものです。
※仕様、価格は変更される場合があります。
個別に購入する必要がなくなるため、安く済むかと思いきや、各メーカーのハイブリッド PC を見ると10万円を超えるような価格が高いモデルが多く、両者合わせた分と考えても割高感は否めず、ノートパソコンとタブレット PC を別々にそろえた方が良いのではないかとさえ思えます。
このようなお悩みを解決できるタブレット PC が、HP(Hewlett-Packard(ヒューレット・パッカード))にあります。それは、HP Pavilion 11-h100 x2 と呼ばれるモデルです。HP Pavilion 11-h100 x2 は、約6万円で購入できるお手頃な価格でありながら、快適に使える機能と性能を持っているコストパフォーマンスが高いハイブリッド PC です。
今回は、この HP Pavilion 11-h100 x2 を実際に使用してみた個人的な感想等を以下に記載しています。
HP Pavilion 11-h100 x2 の主な仕様 | |
---|---|
OS | Windows 8.1 64ビット |
画面サイズ | 11.6インチ型(1366×768) |
CPU | Celeron N2920 |
メインメモリー | 2GB シングルチャネル |
ストレージ | SSD 64GB |
光学ドライブ | なし |
グラフィックス | インテル HD グラフィックス |
バッテリー駆動時間 | 約5時間30分(タブレットのみ) 約8時間30分(キーボードドック装着時) |
価格 | 5万7000円(税抜)(2014年4月4日時点) |
※仕様、価格は変更される場合があります。
HP Pavilion 11-h100 x2 外観
正面
まずは、キーボードドックを装着してノートパソコンとした状態の外観から見ていきます。正面に限らず、各方向から見ると小型のノートパソコンのように見えますが、他のノートパソコンと違う点は、液晶ディスプレイ側本体とキーボード側本体との境目付近にあるリリースラッチです。このリリースラッチを左にスライドするとロックが外れ、液晶ディスプレイ側本体を持ち上げるとキーボー後側本体と分離でき、タブレット PC として使用できるようになります。
ハイブリッド PC によっては、キーボードをスライドさせて液晶ディスプレイ本体に格納する、またはヒンジ部分でキーボードを液晶ディスプレイの裏側へ回転させる事でタブレット PC として使える、両者が分離しないモデルもありますが、HP Pavilion 11-h100 x2 のように分離するハイブリッド PC は、分離してキーボード側の重量と厚さが無くなるのがメリットです。
キーボードドッグを再度装着する場合は、接続部分の端子が合うように液晶ディスプレイ側本体を乗せるように置けば、リリースラッチが自動的に右にスライドしてロックがかかるようになっています。
このように非常に簡単な操作で、ノートパソコンとタブレット PC を使い分ける事ができます。
背面
背面には、塗装が施された全体の中央に HP のロゴがアクセントとして光り、シンプルなデザインとなっています。左側上部には電源ボタン、右側上部にはボリュームコントロールボタンがありますが、周囲に溶け込み、目立たないようになっています。HP Pavilion 11-h100 x2 は、ボディカラーがフライヤーレッドのモデルと、スパークリングブラックのモデルがありますが、今回使用したのは、フライヤーレッドのモデルであり、深みのある赤色で派手な印象はなく、落ち着きがある美しい色です。
光沢仕上げのため、どうしても指紋の跡が見えやすくなりますが、これが気になる場合はフライヤーレッドのモデルを選ぶのが良さそうです。恐らく、スパークリングブラックのモデルの方だと、フライヤーレッドのモデルよりも指紋の跡が目立つと思われます。
左側面
HP Pavilion 11-h100 x2 の左側面には、USB(USB2.0)が1つ、ヘッドフォン出力/マイク入力兼用端子があります。右側面
HP Pavilion 11-h100 x2 の右側面には、メモリーカードスロット(SD カード対応)、HDMI 出力端子、USB(USB2.0)が1つ、AC アダプタと接続するための電源コネクターがあります。メモリーカードスロットがあるため、ストレージ SSD の容量 64GB を拡張するために、SD カードを活用する事ができます。また、HDMI 出力端子と外部ディスプレイを接続すれば、広い画面で作業できるようになります。
下面(タブレット PC)
キーボードドッグを外し、タブレット PC とした場合の下面を見ていくと、AC アダプタと接続するための電源コネクター、ヘッドフォン出力/マイク入力兼用端子、メモリーカードスロット(microSD カード対応)があります。メモリーカードスロットがあるため、microSD カードをストレージの拡張容量として使用できます。上面や左右側面には、他に外部インターフェース等はありません。そのため、USB や HDMI 出力端子を使用したい場合は、キーボードドックを装着して使用する必要があります。
そのため、ノートパソコンとして使う分には、十分な外部インターフェースがあると言えますが、タブレット PC として使う分だと不足を感じるかもしれません。個人的には、タブレット PC として使う際に USB 接続機器が使えるよう、液晶ディスプレイ側本体にマイクロ USB が付いていて欲しかったです。
主要 PC パーツ構成
CPU
HP Pavilion 11-h100 x2 が搭載する CPU は、インテル社の Celeron N2920 です。Celeron N2920 の主な仕様は、コア数4、スレッド数4、動作周波数 1.86GHz、バースト周波数 2.00Hz となります。最近のパソコンが搭載する CPU は、Core i シリーズ(Core i7/i5/i3)が主流であり、Celeron と聞くと性能が低いのではないかと不安になるかもしれませんが、CPU の技術進歩によって性能が随分と底上げされているため、Celeron でも日常利用の範囲であれば十分快適に使える性能を持っています。
メインメモリー
HP Pavilion 11-h100 x2 が搭載するメインメモリーの容量は 2GB です。使い方次第では容量が不足してきますが、ネットサーフィン等、タブレット PC に合った使用用途に限るなら十分な容量です。ストレージ
HP Pavilion 11-h100 x2 が搭載するストレージは、SSD で容量は 64GB です。SSD は、読み書き速度が速く、他にも衝撃に強い、動作音が静か、消費電力が低いという特長があるストレージで、HP Pavilion 11-h100 x2 のようなバッテリーで動作する小型パソコンに向いています。容量 64GB は少ない印象を受けますが、足りなくなるようであれば、メモリーカードやオンラインストレージ等を上手く活用していく必要があります。
光学ドライブ
HP Pavilion 11-h100 x2 は、ノートパソコンとしても使えるハイブリッド PC ですが、光学ドライブを搭載していません。搭載していなくても、最近は CD や DVD 等の光ディスクメディアに代わって USB メモリーやメモリーカード等の記憶媒体が普及し、インターネットによるソフトウェアのダウンロード提供も普及しているため、光学ドライブが無くても困るシーンはあまり発生しないと言えます。もし、CD や DVD 等を使用する必要がある場合は、外付け光学ドライブを用意する手があります。グラフィックス
HP Pavilion 11-h100 x2 が使用するビデオチップは、CPU 統合ビデオチップのインテル HD グラフィックスです。CPU 統合ビデオチップの性能も随分と向上し、負荷が低い方のゲームであれば十分快適にプレイできるほどのグラフィックス性能があります。使い勝手の良いハイブリッド PC
ノートパソコンとして安定して使える
キーボードが分離するハイブリッド PC は、ただのノートパソコンと違ってディスプレイ側本体に搭載する部品量が多くなるため、ノートパソコンとして使っていると、画面の向こう側へ倒れやすくなってしまいます。HP Pavilion 11-h100 x2 では、ディスプレイ側本体を支える足がしっかりしており、安定して使えます。タッチ操作する場合でも、必要以上の力で画面を押さなければ、倒れる事はありません。
ただし、倒れないようにするためと思われますが、ただのノートパソコンと比べると、ディスプレイ側本体を大きくは開けません。そのため、HP Pavilion 11-h100 x2 を地べたに置いて、自分も地べたに座って使用する場合は、やや距離をとらないと、画面を斜め上方角度から見るようになってしまいます。
使い勝手が良いキーボード
ハイブリッド PC の中には、タブレット PC を主軸としているせいかキーボードの使い勝手が落ちるモデルが見られますが、HP Pavilion 11-h100 x2 は特にそのような事を感じず、同サイズのノートパソコンと比べて劣らない使い勝手があります。詳しく見ていくと、HP Pavilion 11-h100 x2 のキーボードは、隣のキーへの誤入力が起きにくいアイソレーション設計です。キーと枠の間の隙間はかなり狭いため、ゴミが入りにくいというメリットもあります。
キーピッチは約 18.9mm であり、ゆとりのある距離を確保していて、小型でありながら入力しやすいです。タッチパッドの面積や入力時に手を置くスペースは十分確保されており、窮屈さを感じません。
さらにキーストロークは約 1.5mm となっており、浅くて入力しづらいとは感じません。キーボード側本体を薄くするとキーストロークが犠牲になり、浅くて入力しづらいと感じるようになりますが、HP Pavilion 11-h100 x2 ではそこまでキーボード側本体を薄くしていませんので、キーストロークが犠牲になっていないようです。
見やすく綺麗な液晶ディスプレイ
HP Pavilion 11-h100 x2 の液晶ディスプレイは、IPS 方式の液晶パネルを採用しており、視野角が広いため、斜めから見てもあまり色合いの変化や明るさの変化がなく見やすいです。光沢液晶(グレア液晶)のため、映りこみがありますが、発色が良くコントラストが高いため、動画や画像コンテンツを高画質で楽しめます。静かな環境でも動作音を気にせず使える
HP Pavilion 11-h100 x2 は、エアインテークが無く、耳を近づけても音が聞こえないため、ファンレスのようです。そのため、静かな環境でも動作音を気にせずに使えます。持ち運びしやすい軽さと薄さ
HP Pavilion 11-h100 x2 の重量は、タブレット PC の状態で約 790g、ノートパソコンの状態で約 1.55kg です。厚さは、タブレット PC の状態で 12mm、ノートパソコンの状態で 25mm です。特に重くて厚いとは感じず、鞄に入れて気軽に持ち運べます。各メーカーのハイブリッド PC と見比べると、より軽くて薄いモデルが見られますが、やはり薄型化と軽量化には製造コストがかかるせいか価格が高いです。HP Pavilion 11-h100 x2 の価格を考えれば、多少重くても厚くても全然受け入れられます。
以下は、それぞれの状態で厚さを約 200 ページの単行本と並べた様子です。
HP Pavilion 11-h100 x2 の実力
日常利用において十分なパフォーマンスを発揮
HP Pavilion 11-h100 x2 は、ノートパソコンとして使えるハイブリッド PC ですが、性能に関してはタブレット PC に近い特性を持ちます。タブレット PC は内部スペースが狭く、バッテリー消費量を抑える必要があるため、高性能な PC パーツの搭載が難しく、全般的に性能が低いですが、CPU をはじめとするハードウェアの技術進歩は速く、HP Pavilion 11-h100 x2 を使うと、技術進歩による性能の底上げを実感します。ネットサーフィンやブラウザゲーム等の低負荷のゲームプレイ、動画や画像コンテンツの閲覧等、日常利用においてなら十分なパフォーマンスを発揮します。
さすがに高度な動画編集や画像編集、高い負荷がかかるゲームタイトルのプレイに使うのは厳しいですが、どのハイブリッド PC にも当てはまると言えますので、デスクトップパソコンや据え置きノートパソコンも用意して、使用用途に応じて使い分けていきたいです。
ハイブリッド PC で動画編集や画像編集、高負荷のゲームプレイを行いたいのであれば、他メーカーのモデルまで選択範囲を広げる手がありますが、必要な予算がかなり増えるのが現状です。HP Pavilion 11-h100 x2 の2倍以上は予算が必要です。
しかも、ハイブリッド PC のような小型パソコンでは、内部スペースが狭い制約があるため、向上できる性能の高さには限度があり、HP Pavilion 11-h100 x2 と価格が高い高性能ハイブリッド PC を比べると、そこまで大きな性能の差は出ず、高度な動画編集や画像編集、高い負荷がかかるゲームタイトルのプレイに使うには厳しいままです。
それなら、モバイル用途として使うなら十分な 性能がある HP Pavilion 11-h100 x2 を選び、高い性能を必要とする用途ではデスクトップパソコンや据え置きノートパソコンを選んで、用途に応じて適切に使い分けた方が、遥かにコストパフォーマンスが高いです。
外出先で長く使えるバッテリー駆動時間
HP Pavilion 11-h100 x2 のバッテリー駆動時間は、仕様上ではタブレット PC の状態で約5時間30分、ノートパソコンの状態で約8時間30分です。このように分かれるのは、液晶ディスプレイ側本体とキーボード側本体それぞれにバッテリーが内蔵されているためです。日本国内メーカーのモデルと比べると、バッテリー駆動時間が短い印象を受けるかもしれませんが、測定方法の違いを考慮すれば、結構長いバッテリー駆動時間です。
HP Pavilion 11-h100 x2 では、バッテリー駆動時間の測定ができるベンチマークソフトウェア MobileMark によって測定されており、日本国内メーカーでよく採用されている JEITA バッテリ動作時間測定法(Ver. 1.0)と比べると、実用上に近い測定値が得られます。
ハードウェア構成やユーザーの使い方次第で実用上のバッテリー駆動時間は変わりますが、MobileMark による測定であれば、仕様上のバッテリー駆動時間の70%程度が、実用上のバッテリー駆動時間となります。ちなみに、JEITA バッテリ動作時間測定法(Ver. 1.0)だと50%です。
今回は、動画配信サイト YouTube にて動画コンテンツの視聴を行ってバッテリー駆動時間を測定してみましたが、結果はタブレット PC の状態で4時間7分、その後キーボードドッグを装着してから2時間14分使えました。
整理すると、タブレット PC の状態で4時間7分、ノートパソコンの状態で6時間21分となり、両者共に仕様上の約75%となりました。HP Pavilion 11-h100 x2 の価格が安いという事を考慮しなくても、優秀なバッテリー駆動時間があると言えます。動画コンテンツの視聴は、比較的バッテリー消費量が大きい使い方ですので、テキスト主体のウェブサイト閲覧や負荷が低いソフトウェアの使用であれば、もう少しバッテリー駆動時間が延びると思われます。
総評
格安のハイブリッド PC の筆頭
タブレット PC の人気はますます高まっていますが、まだノートパソコンのように多彩なモデルがまだ展開されておらず、自分の予算や必要な機能、性能に合うモデルが見つけにくいのが現状です。ハイブリッド PC となると、その傾向はさらに強まります。そのような中で HP Pavilion 11-h100 x2 は、格安のハイブリッド PC の筆頭にあげられます。約6万円というお手頃な価格でありながら、日常利用で十分快適に使っていける機能と性能を持っています。
高価格のハイブリッド PC と比べたら、どうしても劣る点が幾つか出てきますが、HP Pavilion 11-h100 x2 の価格を考えれば、非常に満足度が高いです。低予算でハイブリッド PC を購入したい方は、ぜひ HP Pavilion 11-h100 x2 をぜひ見ておきたいです。
HP Pavilion 11-h100 x2 販売店
今回レビューに使用した HP Pavilion 11-h100 x2 は、HP の直販ショップ HP Directplus で購入できます。製品の特性上 BTO カスタマイズで搭載 PC パーツの変更や追加はできませんが、外付けワイヤレスTVチューナーやポータブルスピーカー等、様々なオプションがそろっています。
- ヒューレット・パッカード
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HP は、Hewlett-Packard(ヒューレット・パッカード)の略で、米国にある海外パソコンメーカーです。海外パソコンメーカーと聞くと、人件費が安い海外で生産されて日本国内に送られてくるというイメージを持つ方がいると思いますが、HP では日本国内生産に強いこだわりを見せており、日本国内パソコンメーカーらしい特長があります。
全ての製品が日本国内生産ではなく、海外生産の製品もありますが、日本国内生産の製品は増え続け、日本国内生産だと人件費等のコストが上がり、価格が高くなってしまうのではと懸念されましたが、日本国内生産というメリットを活かした徹底的なコスト削減により、非常に高い価格競争力を維持しています。