HDDのCHS

最終更新日 2023年10月24日

HDDのCHSとは

基礎

HDDのCHSとはCylinder Head Sectorの略で、シリンダー、ヘッド、セクターの3つの情報を組み合わせてアクセスする場所を指定する方式です。シーエイチエスと読みます。

アクセス場所を指定する流れ

CHSでアクセス場所を指定する流れをイメージするには、HDDの内部構造を知る必要があります。HDD内部には1枚以上のプラッターがあります。プラッターとは、磁性体を塗布した平たい円形のものです。

プラッター上でデータを記憶する領域が単位に分かれています。単位の1つがトラックです。同心円の一定幅の線がトラックです。木の年輪に例えると、同心円の年輪がトラックに該当します。

セクターと呼ぶ単位もあります。セクターが最小単位です。トラックを放射状に等分割した1つ1つがセクターです。トラックをバウムクーヘンに例えると、バウムクーヘンを均等に切り分けたものがセクターです。

シリンダーとは、複数枚のプラッターの同じ位置にあるトラックの集まりです。ヘッドはデータ記憶領域の単位ではありません。ヘッドとは、プラッターに対しデータ読み書きを行う部品です。

CHSでアクセス場所を指定するとき、まずシリンダーを指定します。次にヘッドを指定します。これらによって、どのプラッターかつどのトラックにアクセスするのか決まります。次にセクターを指定します。これでアクセスする場所の指定が完了です。

CHSで対応可能な最大容量

504メガバイト

CHSで対応可能な最大容量が、シリンダー、ヘッド、セクター、それぞれ指定可能な数の最大値によって決まります。最大値がある理由が、BIOSやIDEでは扱えるビット数に上限があるためです。

  シリンダー ヘッド セクター
BIOS 10bit(1,024) 8bit(256) 6bit(63)
IDE 16bit(65,535) 4bit(16) 8bit(255)
(※)ビット数(最大値)、セクターは1から割り振るので64や256ではない

BIOSやIDEで最大値が異なるので、小さい方の最大値に合わせる必要があります。これを考慮してアクセス場所指定可能なセクター数の合計を求めます。

1,024×16×63=1,032,192(アクセス場所指定可能なセクター数の合計)

セクターの容量が512バイトです。最大容量を求めます。

1,032,192×512バイト=528,482,304バイト=504メガバイト(最大容量)

7.875ギガバイト

最大容量が504メガバイトよりも大きくするために、BIOSやIDEではシリンダー、ヘッド、セクター、それぞれの区別をなくしまとめてビット数を扱うとし、HDDにおいてシリンダー、ヘッド、セクター、それぞれを指定する値に変換する方法を取ることになりました。

BIOSは24ビット、IDEは28ビットですが、小さい方に合わせる必要があります。これを考慮してアクセス場所指定可能なセクター数の合計、最大容量を求めます。

1,024×256×63=16,515,072(アクセス場所指定可能なセクター数の合計)

16,515,072×512バイト=8,455,716,864バイト=8,064メガバイト=7.875ギガバイト

出典

CHS(Cylinder Head Sector) 鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」(1999/07/08公開記事)
CHS - 意味・説明・解説 : ASCII.jpデジタル用語辞典(2008/10/07更新記事)
3TBハードディスクの落とし穴(2ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2010/12/27公開記事)


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