マザーボードのチップセット
最終更新日
2023年09月07日
マザーボードのチップセットとは
基礎
マザーボードのチップセットとは、IC(集積回路)やLSI(大規模集積回路)等のチップが一群となったものです。マザーボードに必要な様々な機能をチップセットに統合しています。CPU、メインメモリー、内部インターフェース、外部インターフェース等の機能がチップセットにあります。各チップは他のチップと連携し、CPU、メインメモリー、ストレージ、光学ドライブ等、各PC パーツを結びつけ間に流れるデータを制御する機能もあります。互換チップセット
互換チップセットとはCPUメーカー以外のメーカーが開発したチップセットです。CPUメーカーが開発したチップセットと差別化を図るために機能・性能を向上させた製品が多いです。価格を安くするために機能・性能を落とした製品もあります。ノースブリッジとサウスブリッジ
違い
一般的にチップセットは2つに分かれています。片方がノースブリッジ、もう片方がサウスブリッジです。チップセットによってはサウスブリッジをノースブリッジに統合しており1つです。ノースブリッジはCPU、メインメモリー、ビデオカード等、高速なデータ転送速度が必要なPCパーツを接続しており、サウスブリッジはストレージ、光学ドライブ、インターフェースのUSBやLAN等、低速なデータ転送速度で十分なPCパーツを接続しています。
ビデオカード
当初ではノースブリッジはCPU、メインメモリー、PCIバスを接続でした。ノースブリッジとビデオカードはPCIバス経由で接続でした。後にビデオカードがPCIバスから独立し、ノースブリッジはビデオカードを接続しました。独立するまではノースブリッジにAGPスロットはなく、ビデオカードはPCIスロットに接続でした。独立しノースブリッジに接続になったとき、ビデオカード接続用のAGPスロットができました。
グラフィックス回路
ノースブリッジによってはグラフィックス回路を内蔵しており、ビデオカードがなくてもディスプレイに出力できます。グラフィックス回路を内蔵していない場合、ビデオカードが必要です。両者を接続するバス
当初はノースブリッジとサウスブリッジをPCIバス接続でしたが、後にPCIバスではデータ転送速度が不足するようになり、高速化した専用バス接続になりました。インテルのMCH、ICH
インテルのチップセットの場合、ノースブリッジとサウスブリッジではなくMCH(Memory Controller Hub)、ICH(I/O Controller Hub)と呼ぶ場合があります。MCHがノースブリッジ、ICHがサウスブリッジです。AMDのトンネルチップ
AMDのチップセットの場合、ノースブリッジをトンネルチップと呼ぶ場合があります。ノースブリッジは頭脳的存在のCPU、第2の頭脳的存在のビデオカードと接続し、さらにサウスブリッジとも接続しており、様々なデータ転送が多く発生する経由地です。内部が見えないが多くの車が通過しているトンネルのようなのでトンネルチップと呼ぶ場合があります。チップセットのメーカー
主なメーカー
チップセットの主なメーカーは、インテル、AMD、NVIDIAです。VIA Technologiesも存在しましたが、チップセット事業から撤退しました。
インテルのチップセットはインテルのCPUに対応しており、AMDのチップセットはAMDのCPUに対応しています。
NVIDIAのチップセットには、インテルのCPUに対応しているチップセットもあれば、AMDのCPUに対応しているチップセットもあります。
NVIDIAはGPUに強みがあり、グラフィックス関連の機能や性能に特化したマザーボードが搭載しています。
NVIDIA撤退
NVIDIAもチップセット事業から撤退しましたので、メーカーはインテルとAMDのみになります。(2010/11/21時点)チップセットとマザーボード
チップセットによって決まるマザーボードの仕様
チップセットはマザーボードが搭載しており、チップセットによってマザーボードで使用可能なPCパーツや利用できる機能が決まってきます。チップセットの仕様だけでマザーボードの仕様が決まるわけではなく、チップセットが対応していてもマザーボードが対応しなかったり、チップセットが対応していなくてもマザーボードが対応することもあります。例えば、チップセットが某機能に対応していてもマザーボードが対応していない場合、その機能を利用できません。そのため、同じチップセットを採用しているマザーボードでも、モデルが異なると仕様も異なることがあります。マザーボードのチップセットは交換できない
マザーボードのチップセットは交換できません。マザーボードの修理サービスを提供している業者等、専門的な技術を持つところであれば可能ですが、一般的なユーザーでは困難です。チップセットとCPU
CPU倍率変更
チップセットによってCPUの倍率変更する機能の有無が異なります。アンロック対応(倍率固定が解除)のCPUを搭載しオーバークロックする場合に必要な機能です。チップセットとGPU
チップセット内蔵GPUとは
チップセットによってはグラフィックス処理を担うGPUがあり、チップセット内蔵GPU、オンボードGPU等と呼びます。昔はGPUがあるチップセットが主流でしたが、CPU内蔵GPUが普及し、GPUがないチップセットが主流になりました。
チップセットによってはCPU内蔵GPUを使用できない
チップセットによってはCPU内蔵GPUを使用できずビデオカードが必要です。ビデオカード向けに性能重視したチップセットだとCPU内蔵GPU使用不可の場合が多いです。チップセットとインターフェース
チップセットによって決まるインターフェースの仕様
マザーボードのインターフェースの仕様がチップセットによって決まります。例えば、マザーボードのUSBポートやSATAポート等の種類や最大数はチップセットによって決まります。マザーボードによってはチップセット以外の別チップ(インターフェース用のコントローラー)を追加搭載し増やしており、その場合はチップセットの種類や最大数と異なります。
マザーボードのUSBポートやSATAポート等の対応規格もチップセットによって決まりますが、これに関してもマザーボードによってはチップセット以外の別チップを追加搭載し、さらに高速な規格に対応しています。例えばチップセットではUSB 2.0、SATA2対応だが、別チップを追加搭載しUSB 3.0、SATA3対応の場合があります。
出典
・チップセット - 意味・説明・解説 : ASCII.jpデジタル用語辞典(2011/10/06更新記事)
・チップセット(chip set) 鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」(1998/07/29公開記事)
・チップセット(chip set) 鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」(1998/07/29公開記事)
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