電源ユニットの保護回路

最終更新日 2023年09月07日

電源ユニットの保護回路とは

電源ユニットの保護回路とは、電源ユニットに異常が発生したときに電源ユニット自体や他のPCパーツを保護する回路です。

電源ユニットを正しく使用しないと、異常に温度が高くなったり、短絡(ショート)が発生する場合がありますが、保護回路が動作を停止させます。

電源ユニットを正しく使用していても、電源ユニットが故障し異常に高い電圧や異常に大きい電流が発生する可能性がありますが、そうなったときに保護回路が異常電圧や異常電流を遮断します。

電源ユニットの保護回路の種類

SIP(Surge Inrush Protection)

雷&突入電流保護回路です。雷や突入電流により大きな電流が流れてきても保護する回路です。昔は突入電流対象でしたが、雷も対象にした保護回路を搭載する電源ユニットが増えました。雷に関しては保護に限度があります。必ずしも保護できるとは限らず、電源ユニットに限らず他のPCパーツも故障する場合があります。

OPP(Over Power Protection)

過電力保護回路(過負荷保護回路)であり、一定の電力を超えないように保護し、異常発熱を防ぎます。仕様の範囲を超える電力の入力があると、自動的に停止します。

OVP(Over Voltage Protection)

過電圧保護回路であり、一定の電圧を超えないように保護し、異常な高電圧による誤動作や故障を防ぎます。

UVP(Under Voltage Protection)

低電圧保護回路であり、一定の電圧より下がらないように保護し、異常な低電圧による誤動作や故障を防ぎます。

PCパーツに過電圧がかかると故障するので、過電圧保護回路が必要です。低電圧がかかってもPCパーツが正常に動作できず、故障する可能性がなさそうです。低電圧保護回路が不要そうです。例えば、12V動作のPCパーツに対し17Vかかると危険そうですが、7Vかかっても危険そうに見えません。

実際には故障する場合があるので低電圧保護回路が必要です。0Vという基準で見るのではなく、PCパーツから見る必要があります。例えば、12V動作のPCパーツに7Vかかると、PCパーツから見れば5Vの電圧がかかります。PCパーツに17Vかかる場合と同じです。

OCP(Over Current Protection)

過電流保護回路であり、一定の電流を超えないように保護し、異常な大電流による誤動作や故障を防ぎます。

OTP(Over Temperature Protection)

過温度保護回路であり、一定の温度を超えないように保護し、異常な温度による誤動作や故障を防ぎます。

SCP(Short Circuit Protection)

短絡保護回路であり、短絡(ショート)から保護し、短絡による故障を防ぎます。

コネクターの誤接続、マザーボード上に金属製の工具や部品がある等、誤った使用で短絡が発生する可能性がありますが、万が一やってしまっても故障を防いでくれます。

保護回路による起動ロックの解除方法

パソコンの電源が入らない場合、電源ユニットの保護回路が原因の可能性があります。保護回路により起動ロックされた場合、電源コンセントを含む全てのケーブルを接続せず放置し、その後に接続すると解除されます。どのくらい放置すればよいかは電源ユニットや保護回路によって違います。

数分くらいで解除される場合があります。長くても1日も放置すれば十分です。知人によると電源ユニットを1日どころか数日程度、放電のために放置しないとパソコンの電源が入らなかったというトラブルを経験したことがあるそうです。とりあえず数分程度から放置してみて、それでも解決しない場合は数時間、1日、数日と放電する時間を長くしてみるとよいです。

それでも解除されるとは限りません。例えば、雷から保護する回路にヒューズがある場合があり、雷の影響を受けてヒューズが飛ぶと元に戻りません。修理に出すか買い替える必要があります。


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