RAID

最終更新日 2021年06月25日

RAIDとは

RAIDとは、Redundant Array of Inexpensive Disksの略であり、複数のストレージを組み合わせて使用し、データの読み書き速度の向上やデータの安全性の向上を実現する技術です。

RAIDレベル

RAIDを利用するとき、何台のストレージが必要になるのか、どのようにデータを書き込むのか、 RAIDレベルによって違います。

RAIDレベルによって、データの読み書き速度が向上するのか、データの安全性が向上するのか、両方とも向上するのかが決まります。

RAID 0

複数のストレージに分けてデータを記録します。

複数のストレージに対し同時にデータ読み書きしますので、データの読み書き速度の向上が可能ですが、データの安全性の向上にはなりません。

ストレージ2台を使用する場合、1台だと2回のデータ書き込み処理が発生するところを、2台に分散させて同時にデータを書き込むことにより1回のデータ書き込み処理で済ませることで、理論上はデータ書き込み速度が2倍になります。

1台だと2回のデータ読み込み処理が発生するところを、2台それぞれから同時にデータを読み込み1回で済ませることで、理論上データ読み込み速度が2倍になります。

あくまでも理論上なので実際にはデータ読み書き速度が2倍にはなりませんが、それでも体感できるほどデータ読み込み速度が向上します。

どれか1台のストレージが故障すると、RAIDに使用している全てのストレージに保存されているデータが失われます。

複数のストレージにデータ読み書きし高速化することをストライピングと呼びます。

RAID 01(RAID 0+1)もストライピングを行います。

RAID 1

複数のストレージに同じデータを記録します。

どれかのストレージが故障してもデータを保護できます。

一般的に2台のストレージを使用し容量が半分になりますが、データの安全性の向上が可能です。

複数のストレージに同じデータを書き込むことをミラーリングと呼びます。

RAID 01(RAID 0+1)もミラーリングを行います。

RAIDではなくても、パソコンのストレージとクラウドストレージへ同じデータを書き込むこと等もミラーリングです。

RAID 5

複数のストレージに分けてデータとエラーを訂正するための情報パリティを記録します。

パリティに使用する容量はストレージ1台分となります。

どれか1台のストレージが故障しても、他のストレージに記録されたパリティよりデータを復旧できます。

RAID 5を利用するには3台以上のストレージが必要です。

RAID 6

RAID 5と似ていますが、データとエラーを訂正するための情報パリティの記録容量がストレージ2台分となります。

どれか2台のストレージが故障しても、他のストレージに記録されたパリティよりデータを復旧できます。

RAID 6を利用するには4台以上のストレージが必要です。

RAID 01(RAID 0+1)

RAID 0とRAID 1を組み合わせた記録方式です。

例えば4台のストレージがあるとして、2台ずづ分けAとBのグループに分けるとします。

AとBそれぞれにRAID 0としてデータを記録します。

AとBそれぞれに同じデータが保存されているため、どちらかが故障してもデータが保護されます。

RAID 01を利用するには4台以上のストレージが必要です。

RAID 5のデータ安全性

RAID 5だとストレージ1台が故障すると冗長性がなくなります。

冗長性がないとは、ストレージの中で1台が故障してしまうとデータを守れない状態です。

RAID 5では1台が故障してもデータの読み書きを行い続けられる便利さがありますが、その便利さが仇となってしまうかのように故障に気づかず、さらにもう1台が故障してしまいデータ復旧できなくなってしまう場合があります。

1台が故障し即交換してデータを再構築するとしても、その再構築にかかる時間が長く、再構築中はストレージに高い負荷がかかります。

再構築が完了する前に故障が発生すると、全てのデータを失います。

新品のストレージを複数台用意してRAID構築し使い続けていると、複数台のストレージが近いタイミングで同時故障してしまう可能性は無視できないほど小さくはありません。

重要なデータを守る場合、RAID 5ではなくRAID 6がよいです。

RAIDレベルとパソコン

一般的にパソコンでは、RAID 0かRAID 1の利用が多いです。

RAID 5、RAID 6、RAID 01(RAID 0+1)は、必要なストレージ台数が多い理由もありますが、業務用途向けの本格的なRAID構成ですので、パソコンので利用が少ないです。

ソフトウェアRAIDとハードウェアRAID

ソフトウェアRAIDとは、RAID専用のハードウェアを使用せずにソフトウェアで実現するRAIDです。

OS等のソフトウェアが制御しますので、CPUに高い負荷がかかり、OS起動後にRAIDが有効になりますのでOSの起動ドライブには設定できない制限がありますが、専用のハードウェアを使用しませんのでコストが安いです。

ハードウェアRAIDとは、RAID専用のハードウェアを使用して実現するRAIDです。

専用のハードウェアを使用しますので、コストが高いです。

特徴 ソフトウェアRAID ハードウェアRAID
実現手法 ソフトウェアで制御 専用ハードウェアで制御
CPU負荷 高い 低い
設定 面倒 簡単
コスト 安価 高価

RAIDのホットスワップとホットスペア

ホットスワップとは、システムの電源を切らずに故障したストレージを交換可能にする機能です。

RAIDを構築している複数台のストレージの中で故障が発生し交換する場合、通常はシステムの電源を切らなければなりません。

ホットスワップに対応している場合、システム稼働中にストレージを交換できます。

ホットスペアとは、ストレージの故障に備えて予備を待機させておき、故障したら自動的に予備への移行を可能にする機能です。

ホットスタンバイとも呼びます。

交換なしで復旧できますが、ホットスペアに対応している必要があります。

RAIDとバックアップ

2台のストレージをRAID 1構成にする例で解説します。

1台が故障しても、もう1台からデータを読み込めますのでバックアップできていそうです。

しかし、誤削除や誤って上書きすると両方でデータが失われますので、バックアップになりません。

RAIDを利用していてもバックアップが必要です。

RAIDの必要性

RAIDのメリット

RAIDを導入すると、データの読み書き速度の向上、データの安全性の向上、これらのメリットがあります。

どちらもよいメリットですが、個人で使用するパソコンではRAIDの必要性が低いです。

データの読み書き速度の向上

データの読み書き速度が向上すると、パソコンをより快適に使えるようになります。

ストレージのデータ読み書き速度が遅かった頃は、RAIDによってデータ読み書き速度が向上すると体感しやすかったです。

技術進歩によってストレージのデータ読み書き速度が十分速くなりましたので、さらにRAIDによってデータ読み書き速度が速くなっても体感しづらいです。

そのため、RAIDを利用してデータの読み書き速度を向上させるメリットは小さいです。

特にHDDよりもデータの読み書き速度に優れているSSDの登場の影響が大きく、HDDをRAIDにして使うよりはSSDを使う方がよいです。

SSDでRAIDを利用すると、さらにデータ読み書き速度が向上しますが、SSDはRAIDなしでも十分速いです。

可能な限りデータの読み書き速度を向上させたい理由がなければ、RAIDは不要です。

まだまだデータの読み書き速度の向上が重要になってくる業務用途であればRAIDの必要性が高いですが、家庭用途であればRAIDにしなくてもデータの読み書き速度が十分ですのでRAIDの必要性が低いです。

データの安全性の向上

データ安全性の向上というメリットは、ストレージに高い負荷がかかる中、24時間365日システムが停止せずに稼動し続けなればならないサーバー・ワークステーション向けのメリットです。

このような条件ではストレージが早く寿命を迎えてしまう確率が高く、データの損失やシステムの停止は深刻な問題となりますので、RAIDの必要性が高いです。

個人で使用するパソコンであれば、特殊な用途でなければストレージに高い負荷がかからず、24時間365日稼動し続ける必要がありませんので、データ安全性の向上をしておく必要がありません。

家庭用途のパソコンでもストレージに何らかのトラブルが発生して使えなくなるのは困ります。

パソコンが使用できなくならないようにしたいのであれば、RAIDによってデータ安全性の向上をしておくのもありです。

しかし、家庭用途のパソコンであれば、ストレージが早く寿命を迎えてしまうほど酷使されることがなく故障しにくいです。

24時間365日稼動させ、常に大量のデータ読み書きが発生する使い方をする人は、非常に少ないと思われます。

ストレージ以外のPCパーツにおいて故障等のトラブルが発生することも考慮すれば、ストレージをRAID構築しておくよりは、予備のパソコンを用意しておく方がよいです。

RAIDよりもバックアップ

パソコンでストレージに何らかのトラブルが発生し、データの損失が発生してしまうと誰でも困るものです。

RAIDを利用してデータの安全性を向上させておけば、データ損失のリスクを減らせますが、RAIDだけでは不十分でバックアップが不可欠です。

RAIDを利用していても、コンピューターウイルスの感染、誤操作、紛失、事故等でデータが損失するリスクがありますので、定期的なバックアップをしておく方が重要です。

RAIDでは、コンピューターウイルスの感染等で失ってしまったデータは復元できません。

データを失いたくないのであれば、データを外部記憶媒体(外付けストレージ、光ディスクメディア、メモリーカード等)にバックアップファイルとして定期的に保存しながらパソコンを使うことが重要です。

定期的にバックアップしておけば、RAIDなしで安心して使えます。

ただし、バックアップだと、最後にバックアップしてから新規作成したデータや編集したデータは復元できません。

バックアップ後から新規作成したデータや編集したデータを失いたくないのであれば、RAIDを利用してデータの安全性を向上させる必要がありますが、そこまでしておく価値がデータにあるのか検討して決める必要があります。

バックアップするタイミングは人それぞれですが、最後にバックアップしてから作成、もしくは編集したデータは、RAIDにするために必要なコストよりも価値が高いのであれば、RAIDを利用するとよいです。

例えば、動画編集や画像編集で、同じ時間をかけても二度と同じ作品を作れないようなクリエイティブな作業にパソコンを使う場合、RAIDを利用してデータの安全性を向上させておくとよいです。


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