インテル Core i シリーズのプロセッサー・ナンバーの見方 - CPU の選び方
最終更新日
2023年09月07日
プロセッサー・ナンバーとは
インテル社の CPU には、製品ごとに異なるプロセッサー・ナンバーが付けられています。数字やアルファベットから成るプロセッサー・ナンバーは、製品の識別ができるだけでなく、プロセッサー・ナンバーには法則があるため、数字やアルファベットから性能の大小関係や製品の特徴がわかります。
しかし、Core i シリーズに限りませんが、プロセッサー・ナンバーはマイクロアーキテクチャや開発コードネームが変わると、法則も変わる場合があります。Core i シリーズでは、マイクロアーキテクチャごとに分けるとわかりやすいため、マイクロアーキテクチャごとにプロセッサー・ナンバーの見方について記載します。
一部のマイクロアーキテクチャでは、同じ、もしくは似た名称の開発コードネームが存在します。
基本的に、マイクロアーキテクチャが同じ製品であれば同じ世代ですが、Sandy Bridge-E の製品、Ivy Bridge-E の製品、Haswell-E の製品は例外で、次の世代に入ります。
これらの製品は、同じマイクロアーキテクチャの製品の中で非常に性能が高く、その後継となるマイクロアーキテクチャの製品と比べても非常に性能が高いため、次世代の製品として扱われると思われます。
以下で詳しく見ていきますが、どの世代の製品なのかは、プロセッサー・ナンバーに含まれれる数字から判断できます。
しかし、Core i シリーズに限りませんが、プロセッサー・ナンバーはマイクロアーキテクチャや開発コードネームが変わると、法則も変わる場合があります。Core i シリーズでは、マイクロアーキテクチャごとに分けるとわかりやすいため、マイクロアーキテクチャごとにプロセッサー・ナンバーの見方について記載します。
マイクロアーキテクチャ、開発コードネーム一覧
以下は、Core i シリーズ採用マイクロアーキテクチャ、開発コードネームを簡易にまとめた表です。マイクロアーキテクチャ | 開発コードネーム | 発売時期 |
---|---|---|
Nehalem | Bloomfield, Lynnfield, Clarksfield | 2008〜2010年 |
Westmere | Gulftown, Arrandale, Clarkdale | 2010〜2011年 |
Sandy Bridge | Sandy Bridge, Sandy Bridge-E, Sandy Bridge Gladden | 2011〜2013年 |
Ivy Bridge | Ivy Bridge, Ivy Bridge-E, Ivy Bridge Gladden | 2012〜2013年 |
Haswell | Haswell, Haswell-E | 2013〜2014年 |
Broadwell | Broadwell | 2015年 |
Skylake | Skylake-S ,Skylake-H, Skylake-U | 2015年 |
一部のマイクロアーキテクチャでは、同じ、もしくは似た名称の開発コードネームが存在します。
世代について
Core i シリーズは、第1世代等と呼ばれますが、以下のように世代ごとに分けられます。世代 | マイクロアーキテクチャ | 開発コードネーム |
---|---|---|
第1世代 | Nehalem | Bloomfield, Lynnfield, Clarksfield |
Westmere | Gulftown, Arrandale, Clarkdale | |
第2世代 | Sandy Bridge | Sandy Bridge, Sandy Bridge Gladden |
第3世代 | Sandy Bridge-E | |
Ivy Bridge | Ivy Bridge, Ivy Bridge Gladden | |
第4世代 | Ivy Bridge-E | |
Haswell | Haswell | |
第5世代 | Haswell-E | |
Broadwell | Broadwell | |
第6世代 | Skylake | Skylake-S ,Skylake-H, Skylake-U |
基本的に、マイクロアーキテクチャが同じ製品であれば同じ世代ですが、Sandy Bridge-E の製品、Ivy Bridge-E の製品、Haswell-E の製品は例外で、次の世代に入ります。
これらの製品は、同じマイクロアーキテクチャの製品の中で非常に性能が高く、その後継となるマイクロアーキテクチャの製品と比べても非常に性能が高いため、次世代の製品として扱われると思われます。
以下で詳しく見ていきますが、どの世代の製品なのかは、プロセッサー・ナンバーに含まれれる数字から判断できます。
Nehalem、Westmere マイクロアーキテクチャ
Nehalem の Core i シリーズは、第1世代 Core i シリーズとも呼ばれます。Nehalem の後継として Westmere マイクロアーキテクチャが登場し、Westmere の Core i シリーズも第1世代 Core i シリーズと呼ばれます。
Westmere では、製造プロセスが 45nm から 32nm へ微細化、機能強化がされましたが、Nehalem を踏襲し仕様はほぼ同じのため、Westmere の Core i シリーズは、Nehalem の Core i シリーズと呼ばれる事があります。両者のプロセッサー・ナンバーの見方は同じのため、以降では Westmere Core i シリーズも含め Nehalem の Core i シリーズと記載します。
Nehalem の Core i シリーズのプロセッサー・ナンバーは、以下のように表されます。
また、3桁の数字からは具体的な機能の有無についてはわかりませんので、知りたい場合は製品の仕様を確認する必要があります。
Core i シリーズは、モバイル用途向けとデスクトップ用途向けの製品に分かれていますが、同じ用途向けの製品に限るなら、3桁の数字は、ほぼ処理速度の速さに関わる仕様の違いで決まってくるため、3桁の数字を処理速度の速さという観点で性能比較ができます。
ただし、それでも必ずしも3桁の数字が大きいほど処理速度が速いとは限りません。例えば、同じ用途向けの製品には、処理速度の速さに関わる性能を犠牲に消費電力の低さに優れた製品があります。性能が低い分は3桁の数字が下がりますが、省電力機能に優れている分で3桁の数字が上がります。
そのため、ある2つの製品を比較した場合、処理速度の速さが負けていても消費電力の低さで勝っている製品の方が、3桁の数字が大きい場合があります。
デスクトップ用途向け
これに関連して、Core i7 には Extreme Edition が製品名に含まれる Core i7 Extreme Edition があります。倍率固定が解除されていますが、サフィックス K は付きません。これは、Extreme Edition を含む製品は、倍率固定が解除されているという特徴を持つためです。
Westmere では、製造プロセスが 45nm から 32nm へ微細化、機能強化がされましたが、Nehalem を踏襲し仕様はほぼ同じのため、Westmere の Core i シリーズは、Nehalem の Core i シリーズと呼ばれる事があります。両者のプロセッサー・ナンバーの見方は同じのため、以降では Westmere Core i シリーズも含め Nehalem の Core i シリーズと記載します。
Nehalem の Core i シリーズのプロセッサー・ナンバーは、以下のように表されます。
モディファイア - 3桁の数字 サフィックス |
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モディファイア
Core i シリーズには、Core i7、Core i5、Core i3 の3ブランドがありますが、モディファイアはブランドの区別のために付きます。モディファイアには、i7、i5、i3 があり、数字が大きいほど機能と性能に優れたブランドである事を示します。3桁の数字
3桁の数字は、大きいほど機能と性能に優れている事を示します。3桁の数字は、様々な機能の有無やクロック周波数等の性能を左右する仕様を基に決められているため、3桁の数字を処理速度の速さという観点で性能比較を行うのは困難です。また、3桁の数字からは具体的な機能の有無についてはわかりませんので、知りたい場合は製品の仕様を確認する必要があります。
Core i シリーズは、モバイル用途向けとデスクトップ用途向けの製品に分かれていますが、同じ用途向けの製品に限るなら、3桁の数字は、ほぼ処理速度の速さに関わる仕様の違いで決まってくるため、3桁の数字を処理速度の速さという観点で性能比較ができます。
ただし、それでも必ずしも3桁の数字が大きいほど処理速度が速いとは限りません。例えば、同じ用途向けの製品には、処理速度の速さに関わる性能を犠牲に消費電力の低さに優れた製品があります。性能が低い分は3桁の数字が下がりますが、省電力機能に優れている分で3桁の数字が上がります。
そのため、ある2つの製品を比較した場合、処理速度の速さが負けていても消費電力の低さで勝っている製品の方が、3桁の数字が大きい場合があります。
サフィックス
サフィックスは、製品の特徴を示します。Nehalem の Core i シリーズでは、以下のサフィックスが使われます。デスクトップ用途向け
- X
- 非常に性能が高い
- K
- 倍率固定が解除されている
- S
- 低消費電力
- M
- モバイル用途向け
- X
- 非常に性能が高い
- Q
- 4つのコアを持つ(クアッドコア)
- L
- 低消費電力
- U
- 超低消費電力
- E
- 組込み機器向け
これに関連して、Core i7 には Extreme Edition が製品名に含まれる Core i7 Extreme Edition があります。倍率固定が解除されていますが、サフィックス K は付きません。これは、Extreme Edition を含む製品は、倍率固定が解除されているという特徴を持つためです。
Sandy Bridge マイクロアーキテクチャ
Sandy Bridge の Core i シリーズは、第2世代 Core i シリーズとも呼ばれます。ただし、開発コードネーム Sandy Bridge-E は、第3世代 Core i シリーズに入り、プロセッサー・ナンバーの見方は第3世代 Core i シリーズと同じになります。
Sandy Bridge の Core i シリーズのプロセッサー・ナンバーは、以下のように表されます。
上2桁目からの3桁の数字の見方は、Nehalem の Core i シリーズと同じです。
デスクトップ用途向け
Sandy Bridge の Core i シリーズのプロセッサー・ナンバーは、以下のように表されます。
モディファイア - 4桁の数字 サフィックス |
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モディファイア
モディファイアの見方は、Nehalem の Core i シリーズと同じです。4桁の数字
Nehalem の Core i シリーズと比べると、3桁から4桁に変わりましたが、上1桁目は世代ナンバーであり、Sandy Bridge の Core i シリーズは第2世代 Core i シリーズのため、上1桁目は2となります。上2桁目からの3桁の数字の見方は、Nehalem の Core i シリーズと同じです。
サフィックス
サフィックスは、製品の特徴を示します。Sandy Bridge の Core i シリーズでは、以下のサフィックスが使われます。Nehalem の Core i シリーズと比べると、新たに P と T が使われるようになっています。デスクトップ用途向け
- X
- 非常に性能が高い
- K
- 倍率固定が解除されている
- P
- 内蔵グラフィックスが無い
- S
- 低消費電力
- T
- 低消費電力(S が付く CPU よりも消費電力が低い)
- M
- モバイル用途向け
- X
- 非常に性能が高い
- Q
- 4つのコアを持つ(クアッドコア)
- L
- 低消費電力
- U
- 超低消費電力
- E
- 組込み機器向け
Ivy Bridge マイクロアーキテクチャ
Ivy Bridge の Core i シリーズは、第3世代 Core i シリーズとも呼ばれます。ただし、開発コードネーム Ivy Bridge-E は、第4世代 Core i シリーズに入り、プロセッサー・ナンバーの見方は第4世代 Core i シリーズと同じになります。
Ivy Bridge の Core i シリーズのプロセッサー・ナンバーは、以下のように表されます。
上2桁目からの3桁の数字の見方は、Nehalem の Core i シリーズと同じです。
Ivy Bridge の Core i シリーズのプロセッサー・ナンバーは、以下のように表されます。
モディファイア - 4桁の数字 サフィックス |
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モディファイア
モディファイアの見方は、Nehalem の Core i シリーズと同じです。4桁の数字
Ivy Bridge の Core i シリーズは、第3世代 Core i シリーズですので、上1桁目の世代ナンバーは3となります。上2桁目からの3桁の数字の見方は、Nehalem の Core i シリーズと同じです。
サフィックス
サフィックスは、製品の特徴を示します。Ivy Bridge の Core i シリーズでは、以下のサフィックスが使われます。Sandy Bridge の Core i シリーズと比べると、新たに Y が使われるようになっています。デスクトップ用途向け
- X
- 非常に性能が高い
- K
- 倍率固定が解除されている
- P
- 内蔵グラフィックスが無い
- S
- 低消費電力
- T
- 低消費電力(S が付く CPU よりも消費電力が低い)
モバイル用途向け
- M
- モバイル用途向け
- X
- 非常に性能が高い
- Q
- 4つのコアを持つ(クアッドコア)
- L
- 低消費電力
- U
- 超低消費電力
- Y
- 極低消費電力
- E
- 組込み機器向け
Haswell マイクロアーキテクチャ
Haswell の Core i シリーズは、第4世代 Core i シリーズとも呼ばれます。ただし、開発コードネーム Haswell-E は、第5世代 Core i シリーズに入ります。
Haswell の Core i シリーズのプロセッサー・ナンバーは、以下のように表されます。
開発コードネーム Haswell-E の Core i シリーズは、第5世代 Core i シリーズですので、上1桁目の世代は5となります。
上2桁目からの3桁の数字の見方は、Nehalem の Core i シリーズと同じです。
デスクトップ用途向け
Haswell の Core i シリーズのプロセッサー・ナンバーは、以下のように表されます。
モディファイア - 4桁の数字 サフィックス |
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モディファイア
モディファイアの見方は、Nehalem の Core i シリーズと同じです。4桁の数字
Haswell の Core i シリーズは、第4世代 Core i シリーズですので、上1桁目の世代ナンバーは4となります。開発コードネーム Haswell-E の Core i シリーズは、第5世代 Core i シリーズですので、上1桁目の世代は5となります。
上2桁目からの3桁の数字の見方は、Nehalem の Core i シリーズと同じです。
サフィックス
サフィックスは、製品の特徴を示します。Haswell の Core i シリーズでは、以下のサフィックスが使われます。Ivy Bridge の Core i シリーズと比べると、新たに R と H が使われるようになっています。デスクトップ用途向け
- X
- 非常に性能が高い
- K
- 倍率固定が解除されている
- P
- 内蔵グラフィックスが無い
- R
- ハイパフォーマンス・グラフィックスを内蔵し、BGA1364 パッケージの CPU
- S
- 低消費電力
- T
- 低消費電力(S が付く CPU よりも消費電力が低い)
- E
- 組込み機器向け
- M
- モバイル用途向け
- X
- 非常に性能が高い
- Q
- 4つのコアを持つ(クアッドコア)
- H
- ハイパフォーマンス・グラフィックスを内蔵
- U
- 超低消費電力
- Y
- 極低消費電力
- E
- 組込み機器向け
Broadwell マイクロアーキテクチャ
Broadwell の Core i シリーズは、第5世代 Core i シリーズとも呼ばれます。
Broadwell の Core i シリーズのプロセッサー・ナンバーは、以下のように表されます。
上2桁目からの3桁の数字の見方は、基本的に Nehalem の Core i シリーズと同じです。
サフィックスにUが付く製品は、基本的に TDP は 15W で、CPU 統合ビデオチップは製品によって様々ですが、上4桁目の最後の数字が7だと、TDP は 28W、CPU 統合ビデオチップは Iris graphics 6100 です。
デスクトップ用途向け
Broadwell の Core i シリーズのプロセッサー・ナンバーは、以下のように表されます。
モディファイア - 4桁の数字 サフィックス |
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モディファイア
モディファイアの見方は、Nehalem の Core i シリーズと同じです。4桁の数字
Broadwell の Core i シリーズは、第5世代 Core i シリーズですので、上1桁目の世代ナンバーは5となります。上2桁目からの3桁の数字の見方は、基本的に Nehalem の Core i シリーズと同じです。
サフィックスにUが付く製品は、基本的に TDP は 15W で、CPU 統合ビデオチップは製品によって様々ですが、上4桁目の最後の数字が7だと、TDP は 28W、CPU 統合ビデオチップは Iris graphics 6100 です。
サフィックス
サフィックスは、製品の特徴を示します。Broadwell の Core i シリーズでは、以下のサフィックスが使われます。デスクトップ用途向け
- C
- 倍率固定が解除されている
- R
- ハイパフォーマンス・グラフィックスを内蔵し、BGA1364 パッケージの CPU
- U
- 超低消費電力
Skylake マイクロアーキテクチャ
Skylake の Core i シリーズは、第6世代 Core i シリーズとも呼ばれます。
Skylake の Core i シリーズのプロセッサー・ナンバーは、以下のように表されます。
上2桁目からの3桁の数字の見方は、基本的に Nehalem の Core i シリーズと同じです。
デスクトップ用途向け
Skylake の Core i シリーズのプロセッサー・ナンバーは、以下のように表されます。
モディファイア - 4桁の数字 サフィックス |
---|
モディファイア
モディファイアの見方は、Nehalem の Core i シリーズと同じです。4桁の数字
Skylake の Core i シリーズは、第6世代 Core i シリーズですので、上1桁目の世代ナンバーは6となります。上2桁目からの3桁の数字の見方は、基本的に Nehalem の Core i シリーズと同じです。
サフィックス
サフィックスは、製品の特徴を示します。Skylake の Core i シリーズでは、以下のサフィックスが使われます。デスクトップ用途向け
- K
- 倍率固定が解除されている
- T
- 低消費電力
- K
- 倍率固定が解除されている
- Q
- 4つのコアを持つ(クアッドコア)
- H
- ハイパフォーマンス・グラフィックスを内蔵
- U
- 超低消費電力