SSDのセルのレベル

最終更新日 2021年09月21日

SSDのセルのレベルとは

SSDには記憶セルが大量に存在し、それぞれの記憶セルにデータを記録します。

1つの記憶セルに記録できるデータは、基本的に1ビット(0と1の2値)ですが、複数のビットを記録できる記憶セルもあります。

SSDのセルのレベルとは、セルに注入する電子量の段階です。

SSDではセルに電子を注入し、電子量でデータを記録しますが、セルのレベルが0〜1の2段階だと1ビット分のデータを記録できます。

セルのレベルが0〜3の4段階だと、2ビット分のデータを記録できます。

セルのレベルが0〜7の8段階だと、3ビット分のデータを記録できます。

セルのレベルが0〜14の15段階だと、4ビット分のデータを記録できます。

SSDのセルのレベルの種類

ビット数

SSDのセルのレベルには、1つの記憶セルに記録できるビット数ごとに種類があります。

種類 1つの記憶セルに記録可能なビット数
SLC(Single Level Cell) 1ビット
MLC(Multi Level Cell) 2ビット
TLC(Triple Level Cell) 3ビット
QLC(Quad Level Cell) 4ビット

MLCが2ビット以上ではなく2ビットの理由

2ビットはMLCではなくDLC(Double Level Cell)とし、MLCは2ビット以上が相応しいように思えますが、DLCという呼び方が普及していません。当初ではMLCは2ビット以上でしたが、TLCが登場するとMLCは2ビットになりました。MLCが2ビット以上だと2ビットなのか3ビットなのか、それ以上のビット数なのか、わかりにくくなるので2ビットになりました。

MLCは2ビット以上を意味することもありますが、一般的には2ビットを意味します。TLC、QLCと比較する場合は、必ずMLCは2ビットを意味します。

SLCとMLCのメリット、デメリット

容量、価格

1つの記憶セルに記録できるビット数が多いほど、SSDは同じサイズあたりに保存可能なデータ量を大きくできますので、大容量化が用意になり、容量あたりの価格を低くしやすいです。

データ書き込み速度

1つの記憶セルに記録できるビット数が多いほど、書き込み処理が複雑になりますので書き込み速度が遅くなります。

寿命、データ保持期間

1つの記憶セルにデータを記録する場合は、記憶セルに入れる電子量を調整し、電子量の多さによって記録されている値が判定できるようにします。

例えば、1つの記憶セルに1ビット記録可能なSLCの場合は、0値記録時は電子量を多くし、1値記録時は電子量を少なくします。

1つの記憶セルに記録できるビット数が多いほど、電子量のずれがエラーにつながりやすい(記録した値とは別の値と誤判定されてしまう)です。

SSDに使われる記憶セルは、書き込み回数を繰り返していくと劣化し、データ記録時の電子量の多さが段々と正常な電子量からずれていきますので、1つの記憶セルに記録できるビット数が多いタイプほど劣化に弱く、寿命が短くなりやすいです。

記憶セルに蓄えられた電子量は、時間経過していくと徐々に逃げていきますので、1つの記憶セルに記録できるビット数が多いほど、電子量のずれがエラーにつながりやすいため、データを保持可能な期間が短くなります。

メリット、デメリット一覧

SLCとMLCタイプには、上記のような違いがあるため、以下のメリット、デメリットがあります。

タイプ メリット デメリット
SLC ・データ書き込み速度が速い
・劣化に強く寿命が長い
・データの保持期間が長い
・大容量化しにくい
・容量あたりの価格が高い
MLC ・大容量化しやすい
・容量あたりの価格が低い
・データ書き込み速度が遅い
・劣化に弱く寿命が短い
・データの保持期間が短い

メリット、デメリットの逆転

SLCとMLCそれぞれのメリット、デメリットは、一般的に当てはまり、フラッシュメモリー自体の品質、コントローラー、ファームウェア等によっては逆転します。例えば、データ読み書き速度がコントローラーによって大きく変わるため、比較対象によってはMLC SSDの方が速い場合があります。

2010年頃、コンシューマー向けSSDに限ると、MLC SSDに対し新技術が積極的に投入され、SLC SSDではあまり新技術が投入されなかったので、MLC SSDの方がデータ読み書き速度等に優れている製品が多かったです。エンタープライズ向けSSDではSLC SSDに新技術が積極的に投入されました。

MLC SSDのデータ書き込み速度

MLC SSDのデータ書き込み速度が遅すぎる時期がありましたが、初期のMLC SSDが登場後しばらくはコントローラーやファームウェアの技術が成熟していなかったためです。当時はHDDより遅いMLC SSDがあったほどです。

2008年頃から実用的な速度を持つMLC SSDが増え始め、SLC SSDと比較すると遅いですが、十分速くなったので遅さを気にする必要がありません。

TLC、QLCのデメリット

MLCよりもメリット、デメリットが大きい

TLCは、MLCのメリットがさらに大きく、デメリットがさらに大きくなります。QLCは、TLCよりもMLCのメリットがさらに大きく、デメリットがさらに大きくなります。メリットが強くなることはよいですが、デメリットが強くなることはよくありません。

TLC、QLCだとデメリットが問題になりますが、TLC、QLCを採用するSSDが主流になったほど技術進歩により改善しました。用途次第ではQLC、TLCではなくMLCがよいですが、一般的な用途ではTLC、QLCで大丈夫です。データ書き込み速度が遅い、劣化に弱く寿命が短い、データの保持期間が短い、以上のデメリットが問題になってくる人はかなり限られます。

TLC、QLC採用SSDはSLCキャッシュと呼ぶ仕組みを採用することでデータ書き込み速度が遅いデメリットを改善していますが、そのSLCキャッシュ容量が足りなくなるとデータ書き込み速度が遅くなり問題になってきます。大容量のデータ書き込みを行わなければ、SLCキャッシュ容量が不足する可能性が非常に低いです。

動画編集等に使い大容量のデータ書き込みが頻繁に発生する場合は、劣化に弱く寿命が短いことが問題になってきますが、多くのユーザーは問題になってくるほど1日あたりのデータ書き込み量が大きくありません。

データの保持期間が短いデメリットについては、SSDを使用せずに何年間も長期に渡って放置しなければ問題になりません。

SLCキャッシュ(疑似SLCキャッシュ)

TLC、QLCだと実用化が難しいと言われたほどデータ書き込み速度が遅く、データ書き換え回数の上限が少ないです。これらを解決したのがSLCキャッシュです。

SLCキャッシュとは、TLCやQLCのフラッシュメモリーの一部をSLCとして使用する領域です。まずはSLCキャッシュにデータを書き込み、データがたまったらまとめてTLCやQLCの領域に書き込みます。

SLCキャッシュのデータ書き込み速度が速いので、TLCやQLCの遅さをカバーできます。データをまとめて書き込むので、データ書き換え回数の増加を抑えられます。

eMLC(enterprise Multi Level Cell)

eMLCとは、セルのサイズを大きくする、セルの酸化膜を厚くする等をして耐久性を高めた方式です。

業務用途ではMLCだと耐久性に問題があるため、eMLCが開発されました。

eMLC採用NAND型フラッシュメモリー搭載SSDは、データセンター等、業務用途向けです。

eMLCを採用したNAND型フラッシュメモリーは、寿命の目安となる書き換え可能回数が延びていますが、無通電時のデータ保持期間が短くなっています。

eMLCはSLCよりも耐久性が低いですが、コストが安いです。

eMLCはMLCよりも耐久性が高いですが、コストが高いです。

eMLCはSLCとMLCの中間的存在であり、コストと耐久性のバランスがよいです。

pSLC(Pseudo SLC)

pSLC(Pseudo SLC)とは、複数のビットを記憶する方式MLC等をSLCとして使う方式です。

pSLCではMLC等をSLCとして使うことにより容量が小さくなりコストが上がりますが、データ書き込み速度と耐久性が向上します。

Synchronous、Asynchronous

SSDの仕様等にセルのレベルに加えてSynchronousやAsynchronousも記載の場合があります。略してSyncやAsyncと記載の場合もあります。

これはフラッシュメモリーが同期型(Synchronous)か非同期型(Asynchronous)かを示します。Synchronous MLCやAsynchronous MLC等と記載の場合がありますが、セルのレベルの種類ではありません。

同期型は非同期型よりも性能、耐久性、コストが高いです。

書き換え回数の上限

プレーナー型NANDフラッシュメモリーとは、2D NANDフラッシュメモリーとも呼び、データを記憶するためのセルが多数あり、このセルを平面に敷き詰めるような構造をしています。

3D NANDフラッシュメモリーでは、セルを平面に敷き詰め、さらに立体的に積み上げるような構造をしています。

NANDフラッシュメモリーの構造の違いによって書き換え回数の上限が違います。

書き換え回数の上限は、データ保持期間等の信頼性を保証できる範囲内における上限値です。

例えば、データ保持期間が10年を保証できる範囲内であれば、MLCで1万回に達しても10年のデータ保持が保証されます。

書き換え回数の上限に達すると壊れるわけではなく、例えばMLCであれば5万回程度に達しても壊れる可能性が低いです。

以下は一般的な書き換え回数の上限であり、フラッシュメモリーによって違ったり、保証条件によっても違う場合があります。

SLC 10万回(プレーナー型)
MLC 1万回(プレーナー型)
TLC 1000回(プレーナー型)
3000回〜5000回(3D NAND)
QLC 300回〜1000回(3D NAND)


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