SSDのデータ保持期間
最終更新日
2023年09月07日
SSDのデータ保持期間とは
データ保持期間とは
SSDのデータ保持期間とは、データを保存してから正常に読み込み可能な期間です。SSDでは内部にあるフラッシュメモリーにデータを保存しますが、データ保持期間が有限です。書き換える度に劣化し、劣化するほどデータ保持期間が短くなります。データ保持期間がデータ書き換え回数に比例し短くなるわけではなく、データ書き換え回数がデータ書き換え可能回数(寿命の目安)に近づくほど短くなっていきます。書き換え回数が書き換え可能回数に達してもデータ保持期間がなくなりません。クライアント向けSSDの場合は約1年以上、エンタープライズ向けSSDの場合は約3ヶ月以上あります。
ECC
フラッシュメモリーでは電子の量の違いでデータを判別しますが、時間経過で電子が漏れ出すので保持期間が有限です。電子漏出でデータのエラー率が上昇しますが、SSDはECC(データ訂正)機能に対応していますのでエラーを訂正できます。エラー率が一定以上になると訂正できなくなり、データが破損する場合があります。ECCによる訂正があると訂正したデータを書き込みますので保持期間がリセットです。例えば、フラッシュメモリーが保持期間1年間の状態であり、某データの保持期間が残り1日になったときに訂正があると、そのデータの保持期間が1年にリセットです。
ユーザー操作によるデータ読み込み、OSやアプリケーションの自動的データ読み込み等のときにエラーを検出した場合、エラー訂正処理を実行します。読み込み対象にならないとエラーの検出や訂正が実行されず、訂正不可になるほどエラー率が高くなるとデータが破損します。
書き換え可能回数に達したときの保持期間
書き換え可能回数に達しても幾つかの条件を満たす必要があります。その中にデータ保持期間があります。半導体業界団体JEDECの標準仕様で決まっています。
クライアント向けSSDの場合は、データ保持期間が30度の環境にて保管で1年以上です。エンタープライズ向けSSDでは、40度の環境にて保管で3ヶ月以上です。
UBER(Uncorrectable Bit Error Rate)とは、ECCによりデータを訂正できなかった不正ビット数を、読み込みしたデータの総ビット数で割って出した確率です。
クラス | 負荷 (JESD219参照) |
稼働条件 | 電源オフ時の保持時間 | FFR(ファンクション不良率) | UBER(訂正不可能なビット誤り) |
---|---|---|---|---|---|
クライアント | クライアント用 | 8時間/日 30度 |
30度で1年以上 | 3%未満 | 10の15乗ビットに1回以下 |
エンタープライズ | エンタープライズ用 | 24時間/日 55度 |
40度で3ヶ月以上 | 3%未満 | 10の16乗ビットに1回以下 |
クライアント向けSSDの場合は、データ保持期間が30度の環境にて保管で1年以上です。エンタープライズ向けSSDでは、40度の環境にて保管で3ヶ月以上です。
UBER(Uncorrectable Bit Error Rate)とは、ECCによりデータを訂正できなかった不正ビット数を、読み込みしたデータの総ビット数で割って出した確率です。
ウェアレベリング
スタティック・ウェアレベリングによってデータ書き換えが行われ、そのときにデータ保持期間がリセットされますのでデータを維持できます。
ダイナミック・ウェアレベリングだと、書き換え頻度が低いデータはウェアレベリング処理の対象にならず、データ保持期間がリセットされません。
簡単に言うと、ダイナミック・ウェアレベリングでは書き換え頻度が高いデータを対象にしますが、スタティック・ウェアレベリングでは書き換え頻度が低いデータも対象にします。
昔と違って今では、どのSSDもスタティック・ウェアレベリングに対応しています。
セルの平均消去回数と最大消去回数、両者の差が一定以上にならないとウェアレベリングが実行されませんので、使い方によってはデータ保持期間がリセットされるとは限りません。
ダイナミック・ウェアレベリングだと、書き換え頻度が低いデータはウェアレベリング処理の対象にならず、データ保持期間がリセットされません。
簡単に言うと、ダイナミック・ウェアレベリングでは書き換え頻度が高いデータを対象にしますが、スタティック・ウェアレベリングでは書き換え頻度が低いデータも対象にします。
昔と違って今では、どのSSDもスタティック・ウェアレベリングに対応しています。
セルの平均消去回数と最大消去回数、両者の差が一定以上にならないとウェアレベリングが実行されませんので、使い方によってはデータ保持期間がリセットされるとは限りません。
通電
SSDには電荷を補充する機能がないので、電源を入れて通電するだけでは保持期間が延びません。延ばすには書き換える必要があります。ユーザー側が書き換え操作をしなくても、スタティック・ウェアレベリングにより書き換えが自動的に行われ保持期間が延びます。書き換え回数が完全に平準化されており、データ書き込みが全く発生しない場合、スタティック・ウェアレベリングが実行されません。実行される条件を満たしていても、短時間の通電では十分実行されません。
SSDがリフレッシュ機能対応だと、読み込み時にエラーを検知した場合にECCで訂正するので、読み込みを行なうデータに関しては保持期間が延びます。読み込んだファイルの誤りビット数が一定以上にならないとリフレッシュ処理が実行されないので、定期的にファイルを読み込む必要があります。誤りビット数が訂正できないほど多くなるとデータが破損します。読み込みを行わないデータに関してはリフレッシュ機能の対象外なので保持期間が延びません。
例えば、OS起動時だけ読み込むOS起動用ファイルは、起動時のみリフレッシュ処理対象です。長期間稼働を続け終了後に再度起動すると、起動に必要なファイルが破損や消失しており、正常に起動できない場合があります。スタティック・ウェア・レベリング処理の対象になれば保持期間が延びますが、次に起動するまで対象にならない可能性があります。
SSDがオートリフレッシュ機能対応だと、読み込みを行わないデータも対象なので、全てのデータ保持期間が延びます。実行タイミングが製品によって違い、1日1回実行であれば24時間以上の通電が必要です。
SSDに限らずフラッシュメモリーを使用するストレージはリフレッシュ機能が必須であるため、どのSSDもリフレッシュ機能に対応しています。オートリフレッシュ機能に関しては必須とは言えないので、非対応のSSDが多いです。
SSDがリフレッシュ機能対応だと、読み込み時にエラーを検知した場合にECCで訂正するので、読み込みを行なうデータに関しては保持期間が延びます。読み込んだファイルの誤りビット数が一定以上にならないとリフレッシュ処理が実行されないので、定期的にファイルを読み込む必要があります。誤りビット数が訂正できないほど多くなるとデータが破損します。読み込みを行わないデータに関してはリフレッシュ機能の対象外なので保持期間が延びません。
例えば、OS起動時だけ読み込むOS起動用ファイルは、起動時のみリフレッシュ処理対象です。長期間稼働を続け終了後に再度起動すると、起動に必要なファイルが破損や消失しており、正常に起動できない場合があります。スタティック・ウェア・レベリング処理の対象になれば保持期間が延びますが、次に起動するまで対象にならない可能性があります。
SSDがオートリフレッシュ機能対応だと、読み込みを行わないデータも対象なので、全てのデータ保持期間が延びます。実行タイミングが製品によって違い、1日1回実行であれば24時間以上の通電が必要です。
SSDに限らずフラッシュメモリーを使用するストレージはリフレッシュ機能が必須であるため、どのSSDもリフレッシュ機能に対応しています。オートリフレッシュ機能に関しては必須とは言えないので、非対応のSSDが多いです。
24時間365日連続稼働
SSDを24時間365日連続稼働の場合でも、データ保持期間を心配する必要があります。OSやソフトウェアには、起動時や動作開始時のみアクセスするファイルがあり、24時間365日連続稼働すると長期間アクセスしないファイルが出てきます。このようなファイルを1年や数年経ってアクセスすると、ファイルが破損している可能性があります。特にデータ書き換え回数が多くデータ保持期間が短くなっているSSDでは、注意が必要です。
SSDがリフレッシュ機能対応であり、保存したデータ全てに頻繁にアクセスする場合は、データ保持期間を心配する必要がありません。データにアクセスした際に必要に応じてリフレッシュ処理が実行され、データ保持期間が短くなっていてもリセットされる効果があります。オートリフレッシュ機能対応であれば、アクセスしないデータも自動的にリセットされます。
SSDがリフレッシュ機能対応であり、保存したデータ全てに頻繁にアクセスする場合は、データ保持期間を心配する必要がありません。データにアクセスした際に必要に応じてリフレッシュ処理が実行され、データ保持期間が短くなっていてもリセットされる効果があります。オートリフレッシュ機能対応であれば、アクセスしないデータも自動的にリセットされます。
重要データ
SSDのセルのレベルには様々な種類がありますが、データ保持期間が長い順に並べるとSLC、MLC、TLC、QLCとなります。SSDではコントローラーが制御に利用するデータをフラッシュメモリーに保存しており、そのデータのほとんどが書き換えが行われず、またウェアレベリング処理の対象になりません。TLCやQLCだともちろんですが、MLCでもそのデータが長期間経過後に消えてしまう恐れがあります。
そこでMLCやTLCやQLCでもSLCとしても使用可能なフラッシュメモリーが開発され、SLCではなくても制御に利用する重要なデータはSLCとして書き込み保存してあります。SLCとして書き込んであっても、いずれはデータが消えますので、そのときが来たら寿命と言えますが、その前にコントローラー等のハードウェアが寿命を迎える可能性が高いです。
そこでMLCやTLCやQLCでもSLCとしても使用可能なフラッシュメモリーが開発され、SLCではなくても制御に利用する重要なデータはSLCとして書き込み保存してあります。SLCとして書き込んであっても、いずれはデータが消えますので、そのときが来たら寿命と言えますが、その前にコントローラー等のハードウェアが寿命を迎える可能性が高いです。
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