フラッシュストレージ
最終更新日
2023年09月07日
フラッシュストレージとは
基礎
フラッシュストレージとは記憶媒体にフラッシュROMを使用する記憶装置です。フラッシュROM
ROMとはRead Only Memoryの略でデータ読み込みのみ可能ですが、さらにデータ消去と書き込みも可能にしたのがフラッシュROMです。フラッシュROMはフラッシュメモリーと呼ぶ場合が多いです。SSD
SSDはフラッシュストレージの一種です。フラッシュストレージの代表的な存在であり普及しています。SSDに限らずフラッシュストレージは電子を利用しデータを記憶します。従来のHDDと異なりSSDには回転待ち時間やシーク時間がないので、HDDと比べるとデータ読み書き速度が速いです。企業向け製品
フラッシュストレージもSSDもフラッシュROMを使用するストレージですが、一般的に企業向け製品はフラッシュストレージ、家庭向け製品はSSDと呼びます。このような区別の仕方を前提とする場合、例えばフラッシュストレージは多数のSSDを連結し構成した大規模な製品を指します。フラッシュストレージの特徴
フラッシュストレージは衝撃・振動に強い
HDDには磁気ヘッド、アクセスアーム、アクチュエーター、ボイスコイルモーター、プラッター、スピンドルモーター等、可動部品が多く、衝撃・振動で故障しやすいです。フラッシュストレージには可動部品がないので衝撃・振動に強いです。フラッシュストレージはデータ永久保存に向かない
フラッシュストレージは、データが自然蒸発する場合があります。自然蒸発とは、フラッシュストレージに保存したデータがいつの間にかひとりでに消えることです。通常は短期間ではなく長期間経過後に自然蒸発が起きますが、データの永久保存に向かないと言えるほど自然蒸発に注意が必要です。データを永久保存するならHDD、DVD、ブルーレイディスク等に保存するとよいですが、これらも永久保存できるわけではありません。例えばHDDでは故障しデータを失う可能性があり、DVDやブルーレイディスクでは劣化によりデータを失う可能性があります。それでもデータを長期間保存するなら、フラッシュストレージよりもHDD、DVD、ブルーレイディスク等が適しています。
出典
・気になる「自然蒸発」と「セル寿命」(7ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2009/11/18公開記事)
フラッシュストレージの寿命
フラッシュストレージには書き換え可能回数がある
フラッシュストレージには書き換え可能回数があります。書き換え可能回数とは、データ記録回数の上限です。書き換えると劣化し寿命を迎えます。一般的な用途では書き換え可能回数に達するほど書き換えが発生しませんので気にする必要がありません。フラッシュストレージが書き換え寿命を迎えた実例なし
某データ復旧業者によると、データ復旧のためにユーザーから預かったフラッシュストレージに関しては、フラッシュストレージが書き換え寿命を迎えてデータが消失した実例がありません。他のデータ復旧業者や別の業者では実例があるかもしれませんが、某データ復旧業者の話からフラッシュストレージの書き換え寿命を気にする必要がないとわかります。出典
・気になる「自然蒸発」と「セル寿命」(6ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2009/11/18公開記事)
フラッシュストレージが書き換え寿命を迎えたときのエラー
フラッシュストレージが書き換え寿命を迎えると、一般的には保存しているデータを保護するためにデータの書き込みができなくなります。Windows XPでの例ですが、「ファイルまたはフォルダのコピーエラー」というタイトルのダイアログボックスが表示され、そこに「ファイル名をコピーできません。このディスクは書き込み禁止になっています。書き込み禁止を解除するか、別のディスクを使ってください。」というメッセージが表示されます。
タスクトレイから「Windows - 遅延書き込みデータの紛失」というタイトルかつ「ファイル名のためのデータを一部保存できませんでした。データを損失しました。このエラーは、コンピュータのハードウェアまたはネットワーク接続の障害によって発生した可能性があります。このファイルをどこか別の場所に保存してください。」というメッセージが表示される場合もあります。
出典
・気になる「自然蒸発」と「セル寿命」(8ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2009/11/18公開記事)
フラッシュストレージのデータ復旧・復元
クイックフォーマットするとデータ復元の可能性が低い理由
クイックフォーマットは、データの管理情報を保存する領域は消去しますが、データそのものを保存する領域は消去しません。つまり、ストレージのデータを完全消去しないので復元できる可能性が高いです。しかし、フラッシュストレージでは可能性が低いです。と言ってもフラッシュストレージの中でSSDのみ該当し、USBメモリー、SDカード等は該当しません(2016/02/11時点)。SSDにはTrimと呼ぶ機能があります。Trimとは、完全消去してもよいデータがどれかわかるように、OSからSSDに通知する機能です。クイックフォーマット後にTrimを実行し、クイックフォーマットにより完全消去してもよいになったデータがどれかSSDに通知します。そしてSSDがGCを実行しデータを完全消去します。GCとはGarbage Collectionの略であり、SSD上のデータの整理や完全消去する機能です。クイックフォーマット後にTrimが未実行なら復元できる可能性が高いです。Trim実行後でもGCが未実行なら復元できる可能性が高いです。
コラム
書き換え寿命に懸念無用、データ保持期間に懸念必要
フラッシュストレージを使用する場合、書き換え寿命とデータ保持期間に懸念を抱く人がいると思います。通常の使い方であれば、書き換え寿命に懸念は無用です。不安があり和らげたいなら、容量が大きいモデルを選ぶとよいです。容量が大きいほど書き換え寿命が長いです。データ保持期間に懸念は必要です。データを長期間保存するなら、新品または新品に近い状態のフラッシュストレージを使用します。それでも何年もの放置はいけません。新品のフラッシュストレージでも短期間で故障する場合があるため、必ずバックアップしておきます。HDDにも保存し光ディスクにも保存する等、複数のバックアップ先があるのが望ましいです。
出典
・なぜ消えるのか、劣化するのか(10ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2009/11/19公開記事)
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