USB PDケーブル

最終更新日 2025年05月27日

基礎

USB PDケーブルとはUniversal Serial Bus Power Deliveryケーブルの略で、 USB PD に対応する USBケーブル です。ユーエスビー・ピーディー・ケーブルと読みます。

USB PD

USB PD とはUniversal Serial Bus Power Deliveryの略で、USB経由での電力供給に関する規格です。ユーエスビー・ピーディーと読みます。

USB PD EPR、USB PD SPR

最大電力が240Wの USB PD EPR が登場しました。従来の最大電力が100WのUSB PDを、 USB PD SPR と呼ぶ場合があります。

流せる最大電力がモデルによって違う

USB PDケーブルに流せる最大電力がモデルによって違います。20V/3A(60W)、20V/5A(100W)、48V/5A(240W)、以上があります。

USB PDケーブルの各種類が対応する最大電力

USB PDケーブルを、USBのバージョンやThunderboltのバージョンで分類できます。これらで分類した各種類が対応する最大電力を、下表に記載します。


Thunderbolt 4ケーブルは、100Wが最小要件のため、60W対応がありません。Thunderbolt 5ケーブルは、240Wが最小要件のため、60W対応や100W対応がありません。ちなみに、Thunderbolt 5機器では最小要件が140Wです。

対応最大電力の違いで付けたUSB PDケーブルの名称

対応する最大電力がわかるように、USB PDケーブルに名称を付ける場合があります。


60W対応だと20V/3A対応なので3Aケーブル、100W対応だと20V/5A対応なので5Aケーブルです。USB PD EPR登場により5Aケーブルが紛らわしい名称になりました。240W対応が48V/5A対応ですが、5Aケーブルと呼びません。それでも5Aが共通しており紛らわしいです。5Aケーブルと聞いて240W対応と判断する人が多いかもしれません。

対応最大電力を示すロゴマーク

USB PDケーブルのコネクターに、対応する最大電力を示すロゴマークがあります。しかし、USB PDケーブルによってはロゴマークがありません。この場合、対応する最大電力を記載したラベルを付けておくと良いです。

60W超え対応にeMarkerが必要

60Wを超える最大電力に対応するUSB PDケーブルのコネクターが、eMarkerを内蔵しています。60W超えに対応するには、eMarkerが必要になるためです。

eMarker内蔵でも60W超え対応とは限らない

USB PDケーブルがeMarker内蔵でも、最大電力が60W超えに対応とは限りません。

eMarker非内蔵でもUSB PD対応として良い条件

USB PDケーブルがUSB 2.0対応かつ60W対応とする場合は、eMarker非内蔵でもUSB PD対応として良いと、USB Type-Cの規格で決まっています。しかし、USB 3.x以降対応かつ60W対応かつeMarker非内蔵という、規格に従っていないUSB PDケーブルが存在します。

eMarker非内蔵だと60Wを超えない

eMarker非内蔵のUSB PDケーブルを、60W超えに対応するUSB PD充電器等で使用しても、USB PDケーブルのeMarkerの有無を検出し、伝送する電力が60Wを超えない仕組みになっています。

eMarker非内蔵だと15Wを超えない場合あり

USB PD充電器等によっては、eMarker非内蔵のUSB PDケーブルを使用すると、伝送可能な電力が15W超えでも、実際に伝送する電力が15Wを超えない場合もあります。15Wとは、USB Type-C Currentの最大電力です。つまり、USB PDではなくUSB Type-C Currentを使用して電力を伝送します。

・USB Type-Cケーブルの違いを見極める、転送速度やUSB PD対応などポイントは複数（4ページ目）：日経クロステック Active(2025/02/20公開記事)
・USB給電の規格と仕組みを理解、複数規格があり供給電力が異なるので注意 - まる分かりUSB最新事情（2ページ目）：日経クロステック Active(2025/03/21公開記事)

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