USB 3.x Type-Cケーブル

最終更新日 2024年06月11日

USB 3.x Type-Cケーブルとは

基礎

USB 3.x Type-Cケーブルとは、USBの規格のUSB 3.xに対応し、コネクターでは規格のUSB Type-Cに対応するUSBケーブルです。

USB 3.x Type-Cケーブルの価格が高い理由

USB 3.x Type-Cケーブルの価格がUSB 2.0 Type-Cケーブルよりも高いです。USB 3.x Type-Cケーブルの方が内部配線の本数が多くコストがかかるためです。USB 3.x Type-Cケーブルの方が太いことからも内部配線の本数が多いとわかります。

USB 3.x Type-CケーブルとUSB規格

対応するUSB規格の種類

USB 3.x Type-Cケーブルには、USB 3.2 Gen 1x1(5Gbps)対応、USB 3.2 Gen 2x1(10Gbps)対応、USB 3.2 Gen 2x2(20Gbps)対応があります。規格上にはUSB 3.2 Gen 1x2(10Gbps)もありますが、これに対応するUSB 3.x Type-Cケーブルはありません。

対応USB規格よりも上位のUSB規格としても使用できる可能性

USB 3.2 Gen 1x1(5Gbps)対応等の対応とは、データ転送速度を保証するという意味です。そのため、USB 3.2 Gen 1x1(5Gbps)対応でも、USB 3.2 Gen 2x1(10Gbps)対応やUSB 3.2 Gen 2x2(20Gbps)対応としても使用できる可能性があります。

USB4でも使用可能

パソコンのUSBポートがUSB4対応でも、USB 3.x Type-CケーブルでUSB4周辺機器を接続して使用できます。ただし、最大データ転送速度が20Gbpsとなります。

USB 3.x Type-Cケーブル、データ転送速度

最大20Gbps

USB 3.x Type-Cケーブルが対応する最大データ転送速度が、USB 3.2 Gen 1対応は5Gbps、USB 3.2 Gen 2対応は10Gbps、USB 3.2 Gen 2x2対応は20Gbpsです。

USBケーブルの各種類が対応する最大データ転送速度

下表は、USBケーブルの各種類が対応する最大データ転送速度です。

USBケーブルの種類 最大データ転送速度
USB 2.0ケーブル 480Mbps(60MB/s)
USB 3.2 Gen 1ケーブル
(USB 3.1 Gen 1ケーブル)
(USB 3.0ケーブル)
5Gbps(500MB/s)
USB 3.2 Gen 2ケーブル
(USB 3.1 Gen 2ケーブル)
10Gbps(1.21GB/s)
USB 3.2 Gen 2x2ケーブル 20Gbps(2.42GB/s)
USB4 Gen 2x2ケーブル 20Gbps(2.42GB/s)
USB4 Gen 3x2ケーブル 40Gbps(4.85GB/s)
USB4 Gen 4x2ケーブル 80Gbps(9.7GB/s)

USB 3.2 Gen 2x2ケーブル以降は、USB Type-Cケーブルです。USB 3.2 Gen 2ケーブル以前は、USB Type-Cケーブルとは限らず、例えばUSB Type-Aケーブルもあります。

USB 3.x Type-Cケーブル、DisplayPort Alternate Mode

基本的にDisplayPort Alternate Mode対応

基本的にUSB 3.x Type-CケーブルはDisplayPort Alternate Mode対応です。例外的に、規格に従っていないUSB 3.x Type-CケーブルはDisplayPort Alternate Mode非対応の場合があります。

USB 2.0 Type-Cケーブルは非対応

USB 2.0 Type-CケーブルはDisplayPort Alternate Mode非対応です。DisplayPortデータ転送にも使用するUSB 3.x信号用の配線がないためです。

USB 3.x Type-CケーブルのeMarker

eMarker内蔵

USB 3.x Type-Cケーブルのコネクターの内部に、eMarkerと呼ぶICチップがあります。対応するUSBのバージョン、対応するThunderboltのバージョン、対応するUSB PDの最大電力、製造者情報等が、eMarkerに記録されています。USB機器がeMarkerの記録情報を読み取ることによって、一部の機能が使用できるようになります。例えば、USB 3.x Type-CケーブルがUSB PDの最大電力100Wや240Wに対応するには、対応情報がeMarkerに記録されている必要があります。

Thunderbolt 3

Thunderbolt 3非対応のUSB 3.x Type-Cケーブルだと、eMarkerにThunderbolt 3対応情報が記録されておらず、Thunderbolt 3機器では使えないという情報が見られます。実際は使用できますが、最大データ転送速度が20Gbpsになります。

eMarker内蔵が必須

USB 3.x Type-Cケーブルは、eMarkerの内蔵が必須です。eMarkerの内蔵にコストがかかります。これがUSB 3.x Type-Cケーブルの価格が高い要因です。ちなみに、eMarker非内蔵のUSB 3.x Type-Cケーブルも存在しますが、規格に従っていません。eMarker非内蔵のため、USB PDの最大電力100Wや240W等、一部の機能に対応できません。eMarker非内蔵でも対応できる機能があり、例えばDisplayPort Alternate Modeがあります。

USB 2.0 Type-CケーブルはeMarkerがオプション

USB 2.0 Type-CケーブルはeMarker内蔵がオプション、すなわちeMarker内蔵が必須ではありません。これがUSB 2.0 Type-Cケーブルの価格が安い要因です。

USB 3.x Type-Cケーブルのピン

ピンの一覧

ピン 名称 役割 ピン 名称 役割
A1 GND グラウンド B12 GND グラウンド
A2 TX1+ USB 3.x信号伝送(1) B11 RX1+ USB 3.x信号伝送(1)
A3 TX1- USB 3.x信号伝送(1) B10 RX1- USB 3.x信号伝送(1)
A4 VBUS 電力伝送 B9 VBUS 電力伝送
A5 CC 設定信号伝送 B8 SBU2 機能拡張(2)
A6 D+ USB 2.0信号伝送 B7 - 未使用
A7 D- USB 2.0信号伝送 B6 - 未使用
A8 SBU1 機能拡張(1) B5 VCONN eMarker電力伝送
A9 VBUS 電力伝送 B4 VBUS 電力伝送
A10 RX2- USB 3.x信号伝送(2) B3 TX2- USB 3.x信号伝送(2)
A11 RX2+ USB 3.x信号伝送(2) B2 TX2+ USB 3.x信号伝送(2)
A12 GND グラウンド B1 GND グラウンド

規格違反によりピンが非結線

規格に従っていないUSB 3.x Type-Cケーブルだと、本来は結線しているピンが結線していない場合があります。例えば、TX1+ピン、TX1-ピン、RX1+ピン、RX1-ピンが結線しておらず、デュアルレーンを利用できない場合があります。例えば、SBU1ピン、SBU2ピンが結線しておらず、DisplayPort Alternate Modeを利用できない場合があります。

USB 3.x Type-Cケーブルの長さ

ケーブル最大長の目安

USB 3.xでは、USB 3.x Type-Cケーブルの最大長の目安を規定しています。目安のため、目安より長くても規格に従っていないとなりません。

下表は、USB 3.xに限らずUSB 3.x以外も含めたUSB Type-Cケーブルの最大長の目安です。

バージョン 最大速度 ケーブル最大長
USB 2.0 480Mbps 4m
USB 3.x Gen 1x1 5Gbps 2m
USB 3.x Gen 2x1 10Gbps 1m
USB 3.x Gen 2x2 20Gbps
USB4 Gen 2x2 20Gbps 2m
USB4 Gen 3x2
40Gbps 0.8m
USB4 Gen 4x2 80Gbps

ケーブルの長さによって決まる最大データ転送速度

USB 3.xでは、eMarkerから対応する最大データ転送速度を読み取り、その速度で動作することをしません。このため、USB 3.x Type-Cケーブルが実際に対応する最大データ転送速度が、ケーブルの長さによって決まります。実際に対応する最大データ転送速度が、仕様上の対応する最大データ転送速度よりも遅くなったり速くなったりする場合があります。

例えば、USB 3.x Gen 2x2 Type-Cケーブルが対応する最大データ転送速度が仕様上では20Gbpsでも、ケーブル最大長の目安の1mより長いと、実際に対応する最大データ転送速度が20Gbpsより遅くなる場合があります。USB 3.x Gen 1x1 Type-Cケーブルが対応する最大データ転送速度が仕様上では5Gbpsでも、ケーブル最大長の目安の2mより短いと、実際に対応する最大データ転送速度が5Gbpsより速くなる場合があります。

USB 3.x Type-CケーブルとUSB 2.0 Type-Cケーブル

主な違いが配線

USB 3.x Type-CケーブルとUSB 2.0 Type-Cケーブルの主な違いが、配線です。USB 2.0 Type-Cケーブルには、USB 2.0信号用の配線、電源用の配線、制御信号用の配線、以上があります。USB 3.x Type-Cケーブルには、これらの配線に加えてUSB 3.x信号用の配線があります。

USB 3.x、DisplayPort Alternate Mode不要ならUSB 2.0 Type-Cケーブルで良い

USB 3.x Type-CケーブルはUSB 3.xに対応、DisplayPort Alternate Modeに対応です。これらにUSB 2.0 Type-Cケーブルは非対応です。これらが不要ならUSB 2.0 Type-Cケーブルで良いです。ちなみにUSB PD 100W対応が必要でも、USB 2.0 Type-Cケーブルにも対応モデルがあります。

USB 3.x Type-Cケーブル、Thunderbolt

Thunderbolt 3でも使用可能

パソコンのThunderboltポートがThunderbolt 3対応の場合、USB 3.x Type-Cケーブルを使用できないという情報が見られますが、実際は使用できます。ただし、最大データ転送速度が20Gbpsとなります。

Thunderbolt 4でも使用可能

パソコンのThunderboltポートがThunderbolt 4対応の場合、USB 3.x Type-CケーブルでThunderbolt 4周辺機器を接続して使用できます。ただし、最大データ転送速度が20Gbpsとなります。

Thunderbolt 5でも使用可能

パソコンのThunderboltポートがThunderbolt 5対応の場合、USB 3.x Type-CケーブルでThunderbolt 5周辺機器を接続して使用できます。ただし、最大データ転送速度が20Gbpsとなります。

出典

多機能USB Type-Cは便利だけどややこしい、インタフェース規格最新事情(2ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2022/01/11公開記事)
同じように見えても速度が違う?ケーブルにまつわる困りごとを解決 | 日経クロステック(xTECH)(2022/01/13公開記事)
同じように見えても速度が違う?ケーブルにまつわる困りごとを解決(2ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2022/01/13公開記事)
ケーブルの価格差が大きいのはなぜ?まだあるケーブルにまつわる素朴な疑問 | 日経クロステック(xTECH)(2022/01/18公開記事)
USB Type-Cケーブルの違いを見極める、転送速度やUSB PD対応などポイントは複数(4ページ目):日経クロステック Active(2025/02/20公開記事)
USB給電の規格と仕組みを理解、複数規格があり供給電力が異なるので注意 - まる分かりUSB最新事情(4ページ目):日経クロステック Active(2025/03/21公開記事)


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