PCIe SSD
最終更新日
2023年09月07日
PCIe SSDとは
基礎
PCIe SSDとは、データ転送方式がPCIeのSSDです。PCIeはPCI Expressの略です。まずはエンタープライズ向けSSDとして普及
PCIe SSDは、エンタープライズ向けSSDとして登場し、2011年頃から普及が進みました。まずPCIe SSDのベンダーのFusion-ioが、2011年以降に売り上げを大きく伸ばしました。後に、EMC、Intel、SanDisk、Samsung Electronics等も、PCIe SSDのベンダーになりました。ちなみに、2014年6月に、SanDiskがFusion-ioを買収することを発表しました。PCIe SSDはM.2 SSDの場合が多い
データ転送方式がPCIeのSSDには、SATA Expressコネクターに接続して使用する2.5インチSSDや3.5インチSSD、M.2スロットに接続して使用するM.2 SSD、PCI Expressスロットに接続して使用する拡張カードのSSD、以上があります。SATA Expressコネクターは普及せず、PCI ExpressスロットはSSDのために使用する場合が少ないです。そのため、PCIe SSDはM.2 SSDの場合が多いです(2023/08/18時点)。M.2 SSDでもデータ転送方式がPCIeとは限らない
M.2 SSDでもデータ転送方式がPCIeとは限りません。データ転送方式がSATAのM.2 SSDもあります。PCIe SSDは消費電力と発熱が大きい
SSDに限りませんが、性能が高いほど消費電力と発熱が大きいです。PCIe SSDは性能が高いため、消費電力と発熱が大きいです。PCIe SSDの価格が高い
PCIe SSDの価格が高いです。PCIe SSDのデータ読み書き速度が速いのが大きな要因です。他にも価格が高くなる要因があり、例えばNAND型フラッシュメモリーのMLCを使用していると、さらに価格が高くなります。PCIe SSDのデータ転送方式
PCIeのGen
PCIeのGenとはGenerationの略で、同じ最大転送速度に属するPCIeの規格です。日本語では世代です。PCIeの最大転送速度がGenによって異なります。PCIeのGen
下表は、PCIeの各Genの最大転送速度の一覧です。Gen | 転送回数(GT/s) 片方向/双方向 |
転送速度(Gbps) 片方向/双方向 |
転送速度(GB/s) 片方向/双方向 |
---|---|---|---|
PCIe Gen 1 | 2.5/5 | 2.5/5 | 0.25/0.5 |
PCIe Gen 2 | 5/10 | 5/10 | 0.5/1.0 |
PCIe Gen 3 | 8/16 | 8/16 | 約1.0/約2.0 |
PCIe Gen 4 | 16/32 | 16/32 | 約2.0/約3.9 |
PCIe Gen 5 | 32/64 | 32/64 | 約3.9/約7.9 |
PCIe Gen 6 | 64/128 | 64/128 | 約7.6/約15.1 |
各転送速度が、1レーン当たりの最大転送速度です。
単位にGbpsを使用する最大転送速度は、8B/10B符号化等を反映していない最大転送速度です。単位にGB/sを使用する最大転送速度は、8B/10B符号化等を反映した最大転送速度です。PCIe Gen 1からPCIe Gen 2までは8B/10B符号化、PCIe Gen 3からPCIe Gen 5までは128B/130B符号化、PCIe Gen 6からは242B/256B符号化です。
PCIeのレーン
PCIeのレーンとは、データ転送を行う単位です。レーンの本数が2本なら、x2と表記します。複数のレーンを束ね、最大転送速度を上げられます。例えば、PCIe Gen 2 x2の場合、最大転送速度が5Gbps×2=10Gbpsです。最大転送速度が速いほど読み書き速度が速い傾向
PCIe SSDが対応するPCIeのGenとレーン数によって決まる最大転送速度が速いほど、PCIe SSDの読み書き速度が速い傾向があります。PCIe SSDのコントローラーインターフェース
NVMeはAHCIよりもSSDの性能を引き出しやすい
PCIe SSDにPCIe Gen 3を導入する動きが始まった頃、コントローラーインターフェースに従来のAHCIに代わってNVMeを導入する動きも始まりました。大雑把に言うと、AHCIはHDDを前提に開発した規格であり、NVMeはSSDを前提に開発した規格です。このため、NVMeはAHCIに比べてSSDの性能を引き出しやすいです。コラム
元からPCIe SSD非搭載のPCに搭載すると故障率が上がる可能性
一般的にPCIe SSDは性能が高く発熱が大きいです。元からPCIe SSDを搭載するパソコンであれば、発熱大を考慮し設計しているでしょうが、元からPCIe SSDを搭載していないパソコンにPCIe SSDを搭載する場合、発熱により故障率が上がる可能性があります。PCIe SSDの搭載を考慮していない設計だと、PCIe SSDの熱がマザーボードに伝わり温度が異常に上昇したり、パソコン内部の温度が異常に上昇することによって、PCIe SSDに限らず他のPCパーツも故障率が上がる可能性があります。特に冷却性能が低いパソコンでは注意が必要です。例えば、モバイルノートパソコンは内部スペースが狭くて冷却性能が低いです。PCIe SSDを搭載すると発熱により故障率が上がる可能性があります。PCIe SSDの搭載を考慮している設計なら話は別です。
出典
・PCIe SSD | 日経クロステック(xTECH)(2014/07/04公開記事)
・PCIe SSD(2ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2014/07/04公開記事)
・間違えやすいSSD選び、ストレージ増強の知識まとめ(4ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2018/08/01公開記事)
・間違えやすいSSD選び、ストレージ増強の知識まとめ(5ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2018/08/01公開記事)
・PCIe SSD(2ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2014/07/04公開記事)
・間違えやすいSSD選び、ストレージ増強の知識まとめ(4ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2018/08/01公開記事)
・間違えやすいSSD選び、ストレージ増強の知識まとめ(5ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2018/08/01公開記事)
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