USBの給電

最終更新日 2024年12月02日

USBの給電とは

基礎

USBの給電とは、USBポートで電力を供給することです。キュウデンと読みます。

USBの給電、給電能力

給電能力の向上

USB登場後しばらくは給電能力が最大2.5Wでした。消費電力が低い周辺機器を動かせるだけでの電力を供給できれば十分でした。USBを使用する機器が増え、消費電力が高いノートパソコンやディスプレイ等にも電力を供給する需要が出てきました。そこでUSB PDと呼ぶ規格が登場し、USB PD登場当初は給電能力が最大100W、今では最大240Wです(2025/06/17時点)。

給電能力の一覧

下表は、USBの各バージョンの給電能力です。

バージョン 最大電流 電圧 最大電力
USB 1.0 0.5A 5V 2.5W
USB 1.1 0.5A 5V 2.5W
USB 2.0 0.5A 5V 2.5W
USB 3.2 Gen 1
(USB 3.1 Gen 1,USB 3.0)
0.9A 5V 4.5W
USB 3.2 Gen 2x1(USB 3.2 Gen 2)
(USB 3.1 Gen 2)
0.9A 5V 4.5W
USB 3.2 Gen 2x2 (※) (※) (※)
USB4 Gen 2x2 (※) (※) (※)
USB4 Gen 3x2 (※) (※) (※)
USB4 Gen 4x2(USB4 Version 2.0 Gen 4x2) (※) (※) (※)
(※) USB Type-C Current 利用(最大電流1.5A、電圧5V、最大電力7.5W、または3A、5V、15W)

USBの給電、USB BC

バッテリー充電用

USBの給電に関する規格にUSB BCがあります。USB BCは、スマートフォン、携帯電話、携帯型ゲーム機等のバッテリーを充電するために策定された規格です。

USB BCの給電能力

USB BCの給電能力は、最大電流1.5A、電圧5V、最大電力が7.5Wです。

規格 最大電流 電圧 最大出力
USB BC 1.5A 5V 7.5W

USBの給電、USB PD

給電能力が大きい

USBの給電に関する規格にUSB PDがあります。従来と比べて給電能力が大幅に向上しており、ノートパソコンの充電にも使用できるほどです。

USB PDの給電能力

規格 最大電流 電圧 最大電力
USB PD SPR 3A/5A 5V/9V/15V/20V 100W
USB PD EPR 3A/5A 5V/9V/15V/20V/
28V/36V/48V
240W

USB Type-C

USB PDに対応できるコネクターがUSB Type-Cのみです。USB Type-AやUSB Type-BはUSB PDに対応できません。

USBの給電、メーカー独自規格

主なメーカー独自規格

USBの給電に関する規格に、メーカー独自の規格もあります。下表は、主なメーカー独自規格です。

メーカー 規格
OPPO(オッポ) Super VOOC(スーパーボーク)
Anker(アンカー) PowerIQ(パワーアイキュー)
Qualcomm(クアルコム) Quick Charge(クイックチャージ)
Xiaomi(シャオミ) Hyper Charge(ハイパーチャージ)
Huawei(ファーウェイ) Super Charge(スーパーチャージ)

USB Type-Cでは、USB PD以外で電圧を変更することを禁止しました。そのため、メーカー独自規格の最新バージョンは、USB PDに準拠した仕様になりました。

USB PD登場によりメーカー独自規格対応機器が減少

USB PDが登場する前は、USBの給電能力が低く、消費電力が大きい機器の充電ができません。そのため、様々なメーカーが給電能力が高い規格を開発しました。給電能力が高いUSB PDが登場し、メーカー独自の規格に対応する機器が減っており、いずれ廃れる可能性があります。

USBの給電、コネクター

出力するコネクター、入力するコネクター

USBのコネクターにUSB Type-A、USB Type-B、USB Type-Cがあります。USB Type-Aは電力を出力する役割を持ち、USB Type-Bは電力を入力する役割を持ちます。USB Micro-Bは電力を出力する役割を持つ場合もあります。USB Type-Cは、電力を出力する役割を持つ場合もあれば、電力を入力する役割を持つ場合もあります。

USBの給電、USB PDケーブル

使用するUSB PDケーブルによっては最大電力低下

USB PD機器が対応する最大電力より小さい最大電力に対応するUSB PDケーブルを使えます。しかし、最大電力がUSB PDケーブルの方に合わせられます。例えば、100W対応USB PD機器に60W対応USB PDケーブルを使うと、60Wに合わせられます。

USBの給電、変換アダプター

変換アダプター使用で短絡する場合あり

使用する変換アダプターによっては、電力を出力する役割を持つコネクター同士を接続できる場合があります。その場合、電源の短絡(ショート)が発生し、故障する恐れがあります。

例えば、片方がUSB Type-Aプラグ、もう片方がUSB Type-Cレセプタクルの変換アダプターがあります。この変換アダプターを使用すると、パソコンのUSB Type-A、USB PD充電器のUSB Type-C、両者を接続できますが、どちらも電力を出力する役割を持っており、短絡が発生し故障する恐れがあります。問題ない場合もあります。例えば、パソコンのUSB Type-A、外付けSSDのUSB Type-C、両者を接続する場合、後者は電力を入力する役割を持つため、短絡が発生しません。

出典

給電(きゅうでん)とは? 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書
給電 | 広辞典 | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス
間違ってつないだら最悪発火する、USB変換アダプターの使用に要注意 | 日経クロステック(xTECH)(2022/08/05公開記事)
間違ってつないだら最悪発火する、USB変換アダプターの使用に要注意(2ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2022/08/05公開記事)
USB給電の規格と仕組みを理解、複数規格があり供給電力が異なるので注意 - まる分かりUSB最新事情(5ページ目):日経クロステック Active(2025/03/21公開記事)


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