フラッシュメモリーの書き換え
最終更新日
2023年09月11日
フラッシュメモリーの書き換えとは
基礎
フラッシュメモリーの書き換えとは、フラッシュメモリーのデータを書き直すことです。カキカエと読みます。書き換え前と書き換え後でデータ存在場所が異なる
フラッシュメモリーにデータが存在する場所を物理的な場所とします。フラッシュメモリーの制御チップではデータが存在する場所を管理します。制御チップ管理上の場所を論理的な場所とします。データを書き換えると、書き換え前のデータと書き換え後のデータ、それぞれの論理的な場所は同じです。物理的な場所は異なる場合があります。この理由は、フラッシュメモリーの劣化を抑えるためです。
フラッシュメモリーではデータを書き換えると劣化し、データが記憶できなくなるほど劣化すると寿命です。フラッシュメモリーの一部の物理的な場所にデータ書き換えが集中すると、その場所の劣化が早まり寿命も早まります。これを防ぐために、書き換え前のデータとは異なる物理的な場所に書き換え後のデータを記憶する場合があります。
物理的な場所と論理的な場所の関係も管理する必要がありますが、これも制御チップが行います。
出典
・気になる「自然蒸発」と「セル寿命」(4ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2009/11/18公開記事)
フラッシュメモリーではデータ書き換え処理が複雑
ハードディスクではデータの直接上書きができますが、フラッシュメモリーではできません。そのため、データを書き換える場合、データを消去する必要があります。ページ単位ではデータ消去できずブロック単位ではデータ消去できるので、データ書き換え処理が複雑になります。ブロック1 | ブロック2 | 作業用メモリー | ||
---|---|---|---|---|
データA | 未使用ページ | データA | ||
データB | 未使用ページ | データB | ||
データC | 未使用ページ | データC |
3ページで構成されたブロック1、ブロック2があるとします。ブロック1の各ページにデータA、データB、データCが書き込まれています。データBをデータDに書き換えるとします。ブロック2の全ページは未使用ページ、すなわちデータが書き込まれていません。
データ書き換えの処理を始めるとします。ブロック1の全データを、制御チップの作業用メモリーにコピーします。
ブロック1 | ブロック2 | 作業用メモリー | ||
---|---|---|---|---|
データA | 未使用ページ | データA | ||
データB | 未使用ページ | データD | ||
データC | 未使用ページ | データC |
作業用メモリーにおいてデータBをデータDに書き換えます。作業用メモリーは、データの直接上書きができるメモリーです。
ブロック1 | ブロック2 | 作業用メモリー | ||
---|---|---|---|---|
未使用ページ | データA | - | ||
未使用ページ | データD | - | ||
未使用ページ | データC | - |
作業用メモリーの全データを、ブロック2にコピーします。作業用メモリーの全データを消去します。ブロック1の全データを消去します。上記の通りフラッシュメモリーではデータ書き換えの処理が複雑になります。
出典
・なぜ消えるのか、劣化するのか(5ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2009/11/19公開記事)
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