フラッシュメモリー

最終更新日 2022年07月26日

フラッシュメモリーとは

基礎

フラッシュメモリーには様々な種類がありますが、一般的にはNAND型フラッシュメモリーを指します。1987年に東芝がNAND型フラッシュメモリーを開発しました。NAND型フラッシュメモリーは不揮発性メモリーであり、電力供給がなくてもデータを保持できます。NOR型フラッシュメモリーと比較するとデータ書き込み速度やデータ消去速度が速く、回路規模が小さいので低コストで大容量化を実現できます。

3D NANDフラッシュメモリー

NANDフラッシュメモリーでは、1つのフラッシュメモリー・チップ内に複数のシリコンダイを積層化しています。3D NANDフラッシュメモリーでは、シリコンダイ内部を積層化しています。従来の積層と同様に、積層化しているシリコンダイを、1つのフラッシュメモリー・チップ内に積層化しています。3D NANDフラッシュメモリーにより大容量化が進みます。Samsung(サムスン)では、3D NANDフラッシュメモリーを3D V-NANDと呼びます。

トンネル効果により電子が漏れデータが消える

フラッシュメモリーでは、絶縁体で囲んだ場所に電子を閉じ込めてデータを保持します。電源が切れても電子を閉じ込めたままにできるので、電力供給が途絶えてもデータが消えません。しかし、長期間経過すると電子が漏れデータが消えます。

電子のような非常に小さいミクロの世界では、電子が絶縁体という壁を一定の確率で超える場合があります。この現象をトンネル効果と呼びます。目に見えるほどの大きさのマクロの世界では、例えばボールを箱で閉じ込めておけばボールが漏れないので、トンネル効果が奇妙に見えますが、ミクロの世界では私達の常識が通用しません。

データが消えるまでの期間がフラッシュメモリーの種類、劣化、保管環境等によって異なるので、一般的な目安がありません。数日、数週間、数年程度では消えませんが、5年や10年といった長期間が経過すると消える可能性が出てきます。

通電しても電子を補充しない

フラッシュメモリーを採用するストレージにはSSD、メモリーカード、USBメモリー等があります。通電しておけば電子が漏れても電子を補充しデータが消えなさそうです。実際には補充しません。通電に限らずデータを読み込んでも補充しません。電子が漏れ減りすぎてしまう前に、データを別のストレージへ書き込んで移し、移したデータをフラッシュメモリーへ書き込み戻す必要があります。

NAND型、NOR型

配線

NAND型とNOR型にはセルと接続する配線に違いがあります。フラッシュメモリーには大量のセルがあります。セルとはデータを記憶するところです。セルと接続する配線の種類には、ワード線、ビット線、ソース線があります。

ワード線とはデータ読み書きの対象とするセルを選択するときに使用する線です。ビット線とはセルに対しデータ読み書きするときにデータ転送に使用する線です。ソース線とはビット線の電圧を放電するときに使用する線です。

NAND型

NAND型ではビット線でセルを直列に接続しています。セル単位の読み取りができないのでランダムな読み取りは低速ですが書き込みは高速です。セル個別単位に読み取りできず複数のセル単位に読み取る、すなわち読み取る必要がないデータまで読み取る場合があるのでランダムな読み取りは遅いです。NAND型では多くのセルに対し一括で書き込めるので書き込みは速いです。

NAND型はNOR型と比べると配線が少なく、その分セルの数を増やせるので高集積化(大容量化)に有利です。セルのサイズは非常に小さいので、配線が占めるスペースは相対的に見て大きいです。配線が減るだけでも空くスペースが大きいです。

NOR型

NOR型ではビット線でセルを並列に接続しています。セル単位の読み取りが可能なのでランダムな読み取りは高速ですが書き込みは低速です。NOR型ではセル個別単位に読み取りでき、読み取る必要があるデータのみ読み取れるのでランダムな読み取りは速いです。NOR型ではセル個別単位で書き込むので書き込みは遅いです。

NOR型はNAND型と比べると配線が多く、同じ面積あたりに配置できるセル数が少なくなるので高集積化に不利です。

  NAND型 NOR型
セル個別単位の読み取り 不可能 可能
ランダムな読み取り 遅い 速い
書き込み 速い 遅い
高集積化 有利 不利

同期型、非同期型

フラッシュメモリーには同期型、非同期型があります。同期型はクロックに同期して動作し、非同期型はクロックなしで動作します。同期型と非同期型の両者に対応したフラッシュメモリーもあり、この対応についてわかるだけではどちらで動作するのかはわかりません。

非同期型では動作するタイミングの基準となるクロックがないので、データ読み書きをするときはコマンドを送信しデータの送受信が終わったことを確認後に次の動作をするので低速です。同期型ではクロックがあるので、データ読み書きをするときは複数の動作分のコマンドを送信でき、複数のデータを連続して送受信できるので高速です。

人に例えると、クロックがオーケストラの指揮者、フラッシュメモリーが演奏者です。非同期型だと指揮者がおらず演奏者達がバラバラなタイミングで動くので、演奏者達に対し細かく指示しなければならず、一つ一つの動作が終わったことを確認して指示する必要があり高速化が難しいです。同期型であれば演奏者達が指揮者によるタイミングで動くので、細かい指示が不要であり、各動作が始まり終わるタイミングが事前にわかるので動作が終わったことの確認が不要です。まとめて指示を出した後はタイミングに合わせて動作すればよいので、演奏者達が素早く動けるようにすれば高速化が容易です。

同期型は高速で高コストなので価格が高い製品に採用、非同期型は低速で低コストなので価格が低い製品に採用されている場合が多いです。製品の仕様等に同期型か非同期型か記載されていない場合が多く、その場合はデータ読み書き速度と価格から推測でき、性能が高く価格が高ければ同期型の可能性が高く、性能が低く価格が安いと非同期型の可能性が高いです。

フラッシュメモリーの信頼性

フラッシュメモリーの信頼性とは、データ書き換え可能回数、データ読み出し誤り率、データ保持期間のことです。

フラッシュメモリーの信頼性が高い(低い)とは、書き換え可能回数が多い(少ない)、データ読み出し誤り率が低い(高い)、データ保持期間が長い(短い)ことを意味します。

フラッシュメモリーの信頼性について一意に定義されているわけではありませんので、フラッシュメモリーの信頼性が何を指すのか上記とは違う場合があります。

フラッシュメモリー採用ストレージ

フラッシュメモリー採用ストレージには、SSD、メモリーカード、USBメモリー等があります。

SSDが採用するフラッシュメモリーは、メモリーカードやUSBメモリー等が採用するフラッシュメモリーよりも、データ読み書き速度が速く、信頼性が高く、コストが高いです。

B級品のフラッシュメモリー

B級品のフラッシュメモリーとは、一定の品質の基準を満たさなかったフラッシュメモリーであり、通常と比べて書き換え可能回数が少なくデータ保持期間が短いです。

本来は流通しませんが、不正に入手したメーカーが製品に採用している場合があり、特に価格が安い製品にB級品が採用の可能性があります。

価格が高いが有名なメーカーの製品であれば、B級品が採用の可能性がまずありません。

仮にB級品でも全く使い物にならないほどではなく、用途によってはあまり気にする必要がありません。

例えば、光ディスクメディアやクラウドストレージに保存してある動画データや音楽データを一時的に保存し利用するためであれば、B級品であってもよいです。

フラッシュメモリーのデータ読み書き速度

データ書き込み速度が遅い

フラッシュメモリーでは、絶縁体で囲んだ場所に電子を入れたり出したりしてデータを書き込みます。絶縁体に電子を出し入れする穴がなく、トンネル効果を利用します。

トンネル効果とは、電子等のミクロの世界で起きる現象です。目に見えるほどの大きさの世界では、何かが絶縁体を壊さずに突破が起きません。ミクロの世界ではトンネル効果により起きます。電圧が高いほどトンネル効果が起きやすいです。電子が絶縁体の突破にかかる時間が一瞬ですが、ある程度の時間がかかります。

データ書き込み時に電圧を高めるための時間がかかり、電子の出し入れが完了するまでの時間もかかるので、データ書き込み速度が読み込み速度より遅いです。フラッシュメモリーはデータ書き込み速度が弱点であり、フラッシュメモリーを採用するSSD等が、当初はHDDよりもデータ書き込み速度が遅かったです。後に技術進歩によりHDDより速くなりました。

フラッシュメモリーの記憶領域の単位

ブロック

ブロックとは、フラッシュメモリーでデータを記憶する部分の単位です。ブロック単位で消去を実行します。ブロックサイズがフラッシュメモリーによって異なり、はっきりとは決まっていません。ブロックとは、はっきりとは決まっていないデータの単位に使用する用語なので、フラッシュメモリー以外でも使用する用語です。

不良ブロック

不良ブロックとは、データの読み書きができなくなったブロックです。

初期不良ブロック

初期不良ブロックとは、出荷時点で存在する不良ブロックです。工業製品ではどうしても初期不良が発生します。フラッシュメモリーでは一定割合の不良ブロックが存在する状態で出荷します。

後発不良ブロック

後発不良ブロックとは、出荷後に発生する不良ブロックです。フラッシュメモリーに対しデータ書き込みとデータ消去を繰り返していくと劣化し、正常にデータ読み書きできない不良ブロックが発生します。これが後発不良ブロックです。

フラッシュメモリーとバックアップ

フラッシュメモリーは容量あたりの価格が高いですが、低価格化が進み購入しやすくなりました。

フラッシュメモリーは衝撃・振動に強く、万が一強い衝撃・振動を与えてしまっても壊れにくいので、バックアップに適していそうです。

バックアップ、アーカイブ

長期保存するためのバックアップを厳密にはアーカイブと呼び、アーカイブにはフラッシュメモリーが適しておらず、一時保存するためのバックアップではフラッシュメモリーが適しています。

フラッシュメモリーがアーカイブに適していない理由には、容量あたりの価格が高い、書き換え可能回数に制限がある、データ保持期間が短いがあります。

アーカイブに適しているHDDや光ディスクメディアや磁気テープ等と比較した場合の話であり、アーカイブにフラッシュメモリーを使用禁止と言えるほどではありません。

データ保持期間

容量あたりの価格が高いのは予算があれば解決でき、書き換え可能回数の制限はデータ書き込みを行う機会を減らすと解決できますが、データ保持期間は解決できず、これがアーカイブに適さない最大の理由です。

フラッシュメモリーでは、データを記憶するために保持した電子が長期間経つと逃げてしまいデータが消えますので、データ保持期間が有限です。

フラッシュメモリーにはフローティング・ゲートという場所に電子を閉じ込めデータを記憶する仕組みがあり、フラッシュメモリーが無通電時であってもトンネル効果によってフローティング・ゲートから電子が漏れ出し、長い期間が経過するとデータが消えるリスクがあります。

何年経つとデータが消えるのかフラッシュメモリーによって違い、さらにはフラッシュメモリーの劣化具合やフラッシュメモリーの保管環境も影響してきます。

データ保存期間

何年程度の保存であればフラッシュメモリーを使用してもよいのか、フラッシュメモリーの仕様や劣化具合や保管環境によって違いますので一概に言えません。

一般的には5年程度の保存であれば、フラッシュメモリーを使用してもよいです。

5年程度の保存でもデータを失うリスクを少しでも下げるためには、HDDや光ディスクメディアを使用するのが望ましいです。


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