メインメモリーのCASレイテンシ

最終更新日 2023年09月07日

メインメモリーのCASレイテンシーとは

基礎

メインメモリーのCASレイテンシーとはColumn Address Strobeレイテンシーの略で、CASを立ち下げ、アドレス信号から列アドレスを取得してから、取得した行アドレスと列アドレスにあるメモリーセルに、実際にアクセスするまでの遅延時間です。キャスレイテンシーと読みます。CASを略してレイテンシーと呼ぶ場合がありますが、略さずにCASレイテンシーと呼ぶ方がわかりやすいです。他の呼び方に、CLがあります。シーエルと読みます。CLがCas Latencyの略です。

CASレイテンシーの単位

CASレイテンシーの単位がクロックです。例えばCL=2やCL2と書きますが、2クロック分の遅延時間がかかります。

メモリーセル

メモリーセルとは、メインメモリーを構成している最小の要素です。メモリーセルでは1ビットのデータを記憶します。多数のメモリーセルが格子状となっており、アドレス信号が示す行アドレスと列アドレスを指定して特定のメモリーセルにアクセスします。

CAS

CASとはColumn Address Strobeの略で、特定のメモリーセルにアクセスする際、アクセスする列アドレスを指定するタイミングを示すために出力する信号です。

RAS

RASとはRow Address Strobeの略で、アクセスする行アドレスを指定するタイミングを示すために出力する信号です。

メモリーセルにアクセスするまでの大まかな流れ

特定のメモリーセルにアクセスするまでの大まかな流れを見ると、この流れにおいて、どこがCASレイテンシーか見えてきます。アドレス信号で行アドレスを出力します。RASを立ち下げ、アドレス信号から行アドレスを取得します。次にアドレス信号で列アドレスを出力します。CASを立ち下げ、アドレス信号から列アドレスを取得します。取得した行アドレスと列アドレスにあるメモリーセルにアクセスします。CASを立ち下げて列アドレスを取得してから、実際にメモリーセルにアクセスするまでの遅延時間がCASレイテンシーです。

CASレイテンシーとコマンド

リードコマンドを利用した定義

アドレス信号で出力する列アドレスをリードコマンドと呼ぶ場合があります。リードコマンドを利用してCASレイテンシーを定義すると、リードコマンドを発行してから実際にメモリーセルにアクセスするまでの遅延時間です。

CASレイテンシーとメモリークロック

メモリークロック同ならCASレイテンシー小が高速

同じメモリークロックで比較すると、CASレイテンシーの数値が小さい方が高速です。

CASレイテンシーとメモリータイミング

CASレイテンシーに関連する時間

CASレイテンシーの他にも関連する時間があります。Trcd、Trp、Trcがあります。

Trcd

TrcdとはRAS to CAS Delay Timeの略で、RASを立ち下げてからCASを立ち下げるまでの遅延時間です。

Trp

TrpとはRAS Precharge Timeの略で、1行分のメモリーセルをプリチャージするのに要する時間です。プリチャージとは、メモリーセルからデータを読み出した後、そのデータを同じメモリーセルに書き込むことです。メモリーセルに電荷を蓄えることによってデータを記憶しますが、メモリーセルからデータを読み出すと電荷がなくなるため、プリチャージして電荷を補充する、すなわちデータを書き込む必要があります。

Trc

TrcとはRAS Cycle Timeの略で、RASを立ち下げてから次にRASを立ち下げるまでの時間です。

出典

CASレイテンシ - 意味・説明・解説 : ASCII.jpデジタル用語辞典(2008/10/07更新記事)
CL - 意味・説明・解説 : ASCII.jpデジタル用語辞典(2008/10/07更新記事)
CL (CAS Latency) 鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」(1998/05/26公開記事)


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