SSDの選び方

最終更新日 2023年09月07日

ストレージの種類

SSDとHDD

SSDはデータ読み書き速度が速い等、様々なメリットがありますが、容量あたりの価格が高い等、様々なデメリットがあります。昔と比べるとデメリットが小さくなり、デメリットを気にせずにSSDを選ぶとよいです。

SSDは低価格化が進んでいますが、それでも容量あたりの価格が高いデメリットが気になる場合はHDDを選ぶとよいです。データ読み書き速度が遅い等のデメリットがあるので、HDDとSSDのメリット、デメリットを考慮して自分に合う方を選ぶとよいです。例えば外付けストレージを選び、かつ外に持ち出して使用する場合、SSDの衝撃に強いメリットが大きいので、SSDのデメリットを受け入れて選ぶのが望ましいです。

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SSDとUSBメモリー

SSD(Solid State Drive)とは、機械的に動作する部品がなく固体状態のドライブなのでUSBメモリーも該当します。広義では該当しますが一般的には該当しません。両者を別物として扱います。

外付けSSDではなくUSBメモリーでも同様に使用できますが、外付けSSDの方がデータ読み書き速度等に優れるので外付けSSDがよいです。外付けSSDにはUSBメモリーと似た形状をした製品があり、これは外付けSSDです。

SSDの仕様

SSDの仕様を確認して選びますが、SSDによっては仕様の一部が非公開です。

例えば、フラッシュメモリーのメーカー、コントローラーのメーカーや型番、キャッシュメモリーの有無、データ読み書き速度、MTBF、TBW等が非公開の場合があります。

特に価格が安いSSDは、他のSSDと比べて仕様が非公開となっているところが多いです。

選ばない方がよいほど問題があるわけではありませんので、詳細な仕様が不明でもよく価格の安さを重視する場合は選ぶとよいです。

SSDの種類

内蔵SSD、外付けSSD

内蔵SSDを選ぶ場合、パソコン等によって搭載できる内蔵SSDの種類が違うので搭載可能か確認が必要です。既設のストレージと交換、増設する場合、それが可能かどうか確認が必要です。搭載可能なSSDのサイズ、インターフェースの規格等の確認が必要です。

ノートパソコンやデスクトップパソコンの一体型等、サイズが小さいパソコンはストレージの交換、増設作業が難しい場合があり、筐体を開けるのすら難しい場合もあります。事前にパソコンの取扱説明書(マニュアル)等を確認し、SSDの交換や増設が可能かどうか調べておくとよいです。実際にパソコン内部を確認し、既存のストレージを取り外して交換できそうか、またはSSDを増設できるか確認しておくとよいです。

内蔵SSDが搭載不可や、可能でも面倒な場合、外付けSSDがよいです。ケーブルを抜き差しするだけなので簡単に使用できます。

PS4では内蔵SSDと外付けSSDどちらがよい?

PS4では内蔵ストレージ用インターフェースがSATA2(最大速度3Gbps)です。これがボトルネックになるので内蔵SSDによるパフォーマンス向上効果が外付けSSDの場合と同程度です。PS4 ProではSATA3(最大速度6Gbps)であり、内蔵SSDの方が外付けSSDよりもパフォーマンス向上効果が高いです。

PS4の起動を除きPS4ゲームの高速化に注目すると、PS4を高速化したい場合は内蔵SSDと外付けSSDどちらでもよく、PS4 Proを高速化したい場合は内蔵SSDの方がよいです。PS4の起動の高速化は外付けSSDでは無理で内蔵SSDにする必要があります。

内蔵SSDの種類

内蔵SSDを選ぶ場合、ドライブベイに搭載する2.5インチSSDか、M.2 スロットに搭載するM.2 SSDを選ぶのが基本です。PCI Express対応M.2スロットがあり性能重視の場合は、M.2 SSDを選ぶとよいです。PCI Express対応M.2スロットはないがPCI Express対応拡張スロットがあり、性能重視の場合は拡張カード型SSDを選ぶとよいです。mSATA SSDは廃れました。

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SSDの種類

ドライブベイに搭載するSSDの筐体

金属製筐体

ドライブベイに搭載するSSDは、性能向上に伴いコントローラーやキャッシュメモリーの発熱が大きくなり、金属製の筐体を採用し効率的に熱を逃がす仕組みを導入するSSDが登場しました。熱を筐体によく伝えるために両者の間には熱伝導シートがあります。SSDはHDDと比べて発熱が小さく冷却性能の重要性が低いですが、SSDの発熱がHDDよりも大きいのが当たり前になり冷却性能の重要性が増しています。金属製筐体の方が望ましいですが、一般的な用途では必要性が低いです。SSDにかかる負荷が高くデータ読み書きが大量に発生する用途であれば金属製筐体がよいです。

金属製筐体だが熱伝導シートなし

筐体が金属製だと熱伝導シートがありそうですが、SSDによってはありません。熱伝導シートのコストが小さいですが、大量になると大きくなるのでコストダウンのためです。もし熱伝導シートがなく追加したい場合、単体販売の熱伝導シートを購入し装着する方法がありますが、SSDの分解が必要であり分解するとメーカー保証が無効になります。放熱性重視であれば熱伝導シートありがよいですが、仕様等に未記載の場合が多いです。分解し内部までレビューした記事があれば参考にできます。似たような仕様の金属製筐体採用SSDの中で価格が高い方であれば熱伝導シートがある場合が多いです。

封印シール

筐体の側面やネジに封印シールが貼られているSSDがあります。剥がすと保証が無効になります。SSDを分解すると保証が無効になりますが、分解したのがわかるように封印シールが貼られています。分解はしていないが誤って封印シールを剥がしてしまったり、何らかの原因で封印シールが剥がれてしまう場合もあるでしょうが、これらの場合でも保証が無効になるので剥がれないように取り扱います。

ドライブベイに搭載するSSDのサイズ

2.5インチ,3.5インチ

3.5インチSSDもありますが無きに等しく、ほとんどが2.5インチSSDです。パソコンの2.5インチシャドウベイに搭載可能ですが、3.5インチシャドウベイでも変換マウンターを使用すると搭載可能です。単体販売の2.5インチSSDにマウンターが付属する製品もあれば付属しない製品もあります。単体販売のマウンターがありますので、必要でも付属にこだわる必要がありません。

2.5インチSSDを5インチベイに搭載可能とする変換マウンターもあります。5インチベイのスペースが広いので、複数台を搭載可能な変換マウンターが多く、例えば最大6台搭載可能とする変換マウンターがあります。

2.5インチSSDを拡張スロットに搭載可能とするマウンターもあります。製品によって特徴に違いがあり、拡張スロットのインターフェースPCI Expressを利用する、PCケースのスロットカバーがある部分よりSSDの取り付けや取り外しが簡単にできる等、個性が見られます。ロープロファイルの拡張スロットでは使用できない、拡張スロットを2〜3つ分占有する、拡張スロット周辺のPCパーツと物理的に干渉すると使用できない等、注意が必要な特徴も見られます。

高さ(厚さ)

SSDは高さ(厚さ)に7mmと9.5mmがありますが、搭載できる高さ(厚さ)のSSDを選ぶ必要があります。

9.5mm搭載可能なドライブベイでも、スペーサーを使用すると7mmのSSDを搭載できます。

微妙なサイズの違い

SSDはHDDと形状が異なり、同じ2.5インチ、高さ(厚さ)でも幅、奥行き、高さ(厚さ)が微妙に違う場合があります。

デスクトップパソコンでは微妙なサイズの違いが問題にならない場合が多いですが、ノートパソコンでは問題になる場合があります。

ノートパソコンは持ち運ぶものですので、SSDが衝撃、振動を受けて故障しないようにドライブベイ内部の形状がしっかりと既設のSSDに合わせて作られている場合が多いです。

その場合、別途で購入して用意したSSDを取り付けようとすると、上手くはまらない場合があります。

そのため、ノートパソコンに搭載する目的でSSDを選ぶ場合、SSDのメーカーの公式サイト等を調べて対応パソコンを調べてみるとよいです。

HDDを搭載しているノートパソコンでSSDへ交換するためにSSDを選ぶ場合、HDDからSSDへの交換のためにHDDの形状に合わせて作られたSSDもありますので、これを選ぶのもよい選び方です。

SSDのインターフェース

規格

SSDのインターフェースには様々な規格があり、パソコン等にSSDを接続できるように規格を選ぶ必要があります。

最大速度

複数の規格の中から選べる場合、性能(データ読み書き速度)重視であれば最大速度(データ転送速度)が速い規格を選ぶとよいです。

対応している規格の最大速度が速いほど、性能が高い傾向があります。

あくまでも傾向であり、SSDを比較すると最大速度が速い方が性能が高いとは限りません。

性能が高くても最大速度が遅いとボトルネックになり、本来の性能を発揮できません。

最大速度が速くても持て余していると、性能が低いです。

性能を重視して選ぶ場合、最大速度に限らず性能に関する情報も調べる必要があります。

ドライブベイに搭載するSSDのインターフェース

SATA

SSDはマザーボードとSATAで接続しますが、SATAには幾つか規格が存在しデータ転送速度が違います。

SSDはSATA3のデータ転送速度でも足りないほどですので、SATA3対応SSDを選ぶとよいです。

最近のSSDとマザーボードはSATA3に対応しており、簡易な仕様等にSATA3対応と記載されていないことがあるほどです。

SATAの互換性

SATAには複数の規格SATA1、SATA2、SATA3がありますが、互換性がありますので規格が違う同士でも接続でき動作します。

ただし、古い方(最大速度が遅い方)の規格で動作します。

例えば、SATA3対応SSDをSATA2対応ポートに接続でき動作しますが、SATA2のデータ転送速度がボトルネックになり、SSDが本来の性能を発揮できない場合があります。

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SATA(Serial ATA)

M.2 SSDのインターフェース

サイズ

M.2スロットが対応している幅、長さに合うM.2 SSDを選ぶ必要があります。

一般的にM.2スロットは2242、2260、2280の3種類に対応しており、2242、2260、2280どれかに当てはまるM.2 SSDを選べば搭載できる可能性が高いです。

基本的に長いほど容量が大きいので長いのを選ぶとよく、M.2 SSDの主流サイズは2280です。

短いM.2 SSDを選ぶ必要がなければ2280が選択の目安であり、M.2スロットの対応サイズの制限次第では2242や2260が選択の目安です。

KeyID

M.2 SSDはマザーボードのM.2 スロットに搭載しますが、KeyIDが一致するようにM.2 SSDを選ぶ必要があります。

M.2スロットのKeyID 搭載可能なM.2 SSDのKeyID
KeyB KeyB,KeyB+M
KeyM KeyM,KeyB+M
(※)KeyBのM.2 SSDは存在しない

SATA、PCI Express

SATAと聞くとドライブベイに搭載するストレージの規格、PCI Expressと聞くとビデオカード等の規格を思い浮かべる人が多いと思われます。

M.2に加えてSATA、PCI Expressが出てきて難しいですが、厳密な正しさを無視して言えば、M.2 は物理的な端子形状について決めた規格、SATAやPCI ExpressはM.2におけるデータ転送について決めた規格とでも思っておけばよいです。

性能重視の場合、PCI Express対応M.2 SSDを選ぶとよいです。

Windowsの起動にかかる時間、動画・画像等の大きなデータの読み書きにかかる時間等が短くなり、SATA対応M.2 SSDと比べると体感できるほど速いです。

マザーボードのM.2 スロットの多くはSATA、PCI Express両者に対応していますが、片方に対応している場合、それに合わせてM.2 SSDを選ぶ必要があります。

M.2スロット 搭載可能なM.2 SSD
SATA SATA
PCI Express PCI Express
SATA,PCI Express SATA,PCI Express

PCI Expressのリビジョン(世代)、レーン数

PCI Expressは、リビジョン(世代)やレーン数によってデータ転送速度が違います。

データ転送速度が速いほどデータ読み書き速度が速い傾向がありますので、性能重視の場合はリビジョンが新しくレーン数が多いのを選ぶとよいです。

マザーボードのM.2 スロットとM.2 SSD両者がPCI Expressに対応しているが、対応リビジョン、レーン数が違っていても互換性があり正常に動作しますので、リビジョン、レーン数が違うM.2 SSDを選んでもよいです。

ただし、データ転送速度が遅い方に合わせて動作しますので、本来の性能を発揮できない場合があります。

排他仕様

マザーボードによってはM.2スロットが排他仕様になっている場合があります。

排他仕様の場合、M.2以外の物理的インターフェース、例えば物理的インターフェースのSATAポートやPCI Expressスロット等の使用状況次第では、M.2 スロットを使用できない場合があります。

例えば、PCI Express対応M.2スロットとPCI Expressスロットがそれぞれ1つあり、一方にPCパーツを接続して使用するともう片方が使用できない場合があります。

M.2 SSDを搭載する予定のマザーボードのM.2スロットに、排他仕様があるのか調べるとよいです。

もし排他仕様があり他のPCパーツの搭載状況によっては、M.2 SSDを使用できない場合があります。

AHCI、NVMe

AHCIやNVMeは、大雑把に言えばストレージの制御について決めた規格です。

AHCIはSATA向けの規格、NVMeはPCI Express向けの規格です。

M.2スロットもM.2 SSDもSATA対応ならAHCI対応、PCI Express対応ならNVMe対応なので、原則的にはAHCIやNVMeについて確認が不要です。

ただし、NVMeが登場し始めた頃は、PCI Express対応かつAHCI対応のM.2スロットやM.2 SSDが見られました。

これら古いM.2スロットやM.2 SSDを使用する場合、SATAやPCI Expressを合わせてもAHCIやNVMeに関しては合わない組み合わせが出てきますので注意が必要であり、その場合の動作は以下のとおりです。

M.2スロット M.2 SSD 動作可否
PCI Express対応
AHCI対応
PCI Express対応
NVMe対応
動作しない
PCI Express対応
NVMe対応
PCI Express対応
AHCI対応
動作する(※)
(※)M.2 スロットがNVMeに対応していれば互換性を維持するためAHCIに対応していると考えられるので動作するとしたが推測の域を出ない

M.2 SSDと拡張カード

M.2 SSD搭載時に生ずる問題

M.2 SSDを搭載するときに、PCI Expressの最大速度、M.2スロットの数、発熱が問題になる場合があり、拡張カード搭載可能なパソコンであればそれを併用すると解決できます。

必要があれば、拡張カードを導入し併用するとよいです。

PCI Expressの最大速度

マザーボードのM.2スロットが対応しているPCI Expressのリビジョンやレーン数によっては、M.2 SSDの性能をフルに発揮できない場合があります。

例えば、M.2スロットがPCI Express 2.0 x2対応、M.2 SSDがPCI Express 3.0 x4対応の場合です。

そこで、M.2 SSDを搭載可能な拡張カードを使用すると、PCI Express 3.0 x4接続で使用できます。

ただし、拡張カードを接続するのに使用する拡張スロットがPCI Express 2.0に対応していたり、PCI Express 3.0対応でもx4未満だと、本来の性能を発揮できません。

M.2スロットの数

一般的にマザーボードにあるM.2スロットの数が少ないですが、足りない場合はM.2 SSD搭載可能な拡張カードを使用すると搭載可能なM.2 SSDの数を増やせます。

発熱

M.2 SSDの中で性能が高い製品は発熱が大きく、温度が上昇しすぎるとサーマルスロットリングが発動し性能が低下します。

冷却性能を向上できるM.2 SSD搭載可能な拡張カードを使用すると、サーマルスロットリングの発動を抑制できます。

マザーボードにあるM.2スロットにM.2 SSDを搭載する場合でも付けられるヒートシンクがありますが、拡張カードの方がサイズが大きいヒートシンクを採用でき有利です。

外付けSSDのインターフェース

USB、Thunderbolt

インターフェースの規格には、USB、Thunderboltがあります。

外付けSSDを接続して使うパソコン等にある規格と合わせて選ぶとよいです。

どちらも選択肢に入る場合、パソコン等にUSBが広く普及しており価格が安いのでUSBを選ぶとよいです。

USBほどではありませんが、Thunderboltが普及しておりデータ読み書き速度重視の場合は選ぶとよいです。

Thunderboltだと価格が高いですが、USBでもデータ読み書き速度が十分速いので、価格とのバランスを考慮する場合はUSBを選ぶとよいです。

USBの規格

データ読み書き速度重視の場合、最大速度が速いUSB規格対応製品を選ぶとよいです。価格の安さ重視の場合、USB 3.2 Gen 1x1(USB 3.1 Gen1、USB 3.0)対応製品を選ぶとよく、これでもデータ読み書き速度が十分速いです。同じUSB 3.2 Gen 1x1対応でも製品によってデータ読み書き速度に違いがあります。様々な要因がありますが、USBで扱えるデータとSSDで扱えるデータとの間で変換する処理速度に違いがあるためです。最大速度が速いUSB規格だと変換処理の速さに期待できるので、データ読み書き速度重視の場合はUSB 3.2 Gen 1x1より速いUSB規格対応製品を選ぶとよいです。USB 1.1やUSB 2.0対応製品があるとしてもデータ転送速度が遅すぎてボトルネックになりデータ読み書き速度が遅いので選ばない方がよいです。

USBの規格には互換性があるので、規格が違っていても動作しますが、古い方(最大速度が遅い方)のUSB規格で動作します。外付けSSDの方が新しい規格だと本来のデータ読み書き速度が出ない可能性がありますが、将来において新しい規格に対応しているパソコン等と使用する可能性を考えて選ぶとよいです。

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Thunderboltの規格

Thunderbolt 3が普及しており、Thunderbolt 3を選ぶことになります。

Thunderboltの規格には互換性がありますので、規格が違っていても動作しますが、古い方(最大速度が遅い方)の規格で動作します。

Thunderbolt 3の端子形状はUSB Type-C、前はMini DisplayPortでしたので、変換アダプター(変換ケーブル)が必要となります。

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外付けSSDの電源

外付けSSDは、バスパワーが主流です。

バスパワーだと供給電力不足のリスクがありますが、そのリスクが低いため、セルフパワーについて気にせずにバスパワーを選んでもよいです。

電源コンセントがない環境で使用する場合、バスパワーを選ぶ必要があります。

セルフパワーは、ネットワークでのデータ共有機能等の付加機能を持つ、RAIDに対応している等、消費電力が大きくなる外付けSSDに見られます。

選びたいセルフパワーの外付けSSDが見つからない場合、セルフパワー対応の外付けストレージケースと内蔵SSDを選び、内蔵SSDを外付けストレージケースに搭載して使う方法があります。

外付けストレージケースは、内蔵HDDと内蔵SSDどちらでも搭載可能な製品が多く、パソコンから取り出して余った内蔵HDDや内蔵SSDを有効活用できたりして便利です。

SSDの容量

最低限必要な容量

昔は気軽に買えないほど容量あたりの価格が高く、32GBでも約10万円の時代もありました。今では安くなり最低限必要な容量を考える必要はあまりありません。ここではWindowsをインストールしシステムドライブとして使用し、できるだけ小さい容量を選ぶことを前提にし、最低限必要な容量を見ていきます。

Windowsをインストールし使用するには、最低でも32GB必要です。(2021/10/02時点)一般的には様々なソフトウェアを利用するでしょうから、32GBでは足りません。

ビジネス用途としてMicrosoft Office等のソフトウェアを利用し文書ファイル等を扱うのが主な用途であれば、64GBあれば何とかなりますが、それでも厳しいので128GBは欲しいです。

一般的に家庭でパソコンを使うのであれば、動画・画像・音楽ファイルを保存して使うでしょうから、128GBでは足りません。最低でも256GBは欲しいです。予算に余裕があれば256GB以上、予算が厳しい場合はHDD等、SSD以外を併用するとよいです。

HDDからSSDへ交換する場合の容量

今まで使用していたHDDと同じ容量以上のSSDを選ぶとよいです。SSDはHDDよりも容量単価が高いです。予算が足りない場合は、HDDの使用済み容量を超える容量のSSDを選ぶとよいです。例えば500GBのHDDを使用してきたが200GB使用済みの場合、256GBを選ぶとよいです。使用済み容量が増えていくものなので、容量に余裕を持たせるとよいです。

それでも予算オーバーする場合、SSDとHDDを併用するとよいです。内蔵ストレージ1台のみ搭載可能なパソコンでも、外付けHDDを併用する方法があります。USB接続の外付けケースを使用すると、SSD交換まで使用してきたHDDを使用できます。

容量あたりの価格

自分にとって必要な容量を選ぶとよいですが、容量あたりの価格も考慮が必要です。普及している容量のSSDは容量あたりの価格が安いので、普及容量を選ぶとよいです。普及容量では足りない場合、普及容量よりも大きい容量を選ぶ必要がありますが、容量あたりの価格が高すぎる場合、複数のSSDの使用を検討するとよいです。普及容量かどうかは、売れ筋のSSDの容量や、SSDのラインナップが豊富な容量帯を確認するとわかります。容量が同じSSDでも性能等が違い、容量あたりの価格が大きく違う場合があります。

価格

SSDは低価格化が進んでいますが、HDDと比べると価格が高いです。必要な容量のSSDを選ぶと価格が高すぎてしまう場合、SSDの容量はある程度妥協して選び、HDDとの併用を検討するとよいです。例えば、容量が小さいSSDを利用頻度が高いデータ用にし、HDDを利用頻度が低いデータ用にする方法があります。SSDのメリットを活かしつつ、容量あたりの価格が高いというデメリットをHDDでカバーできます。

速度

容量が大きいほどデータ書き込み速度が速い傾向があります。詳細に書くと、フラッシュメモリーの数が多く並列アクセス数が多いほど速いです。フラッシュメモリーが多いほど容量が大きいので、容量が大きいほど速い傾向があります。様々な要因で速度が決まるため、容量が大きい方が速いとは限りません。

データ書き込みを続けていると、フラッシュメモリーのあちこちにデータが存在するようになるので、並列アクセス可能な最大数で書き込みできる機会が減っていきます。SSDは書き込みするほど速度が低下し、一定の速度で落ち着きます。使用開始直後は速かった方が、落ち着いた速度でも速いとは限りません。速度重視でも容量が大きい方を選べばよいとは限りません。

ダイ容量、ダイ積層数、チップ容量、チップ数、SSD容量の関係式

SSDを選ぶときに、原則的にはこの関係式を利用しません。必要であれば利用する関係式です。

フラッシュメモリーを積層した物をフラッシュメモリー・チップと呼びます。区別しやすいようにフラッシュメモリーをダイ、シリコンダイ等と呼ぶ場合があり、ここではダイとします。フラッシュメモリー・チップを略してチップと呼ぶ場合があり、ここではチップと呼びます。

以下は、ダイ容量、ダイ積層数、チップ容量の関係式です。

(ダイ容量)×(ダイ積層数)=(チップ容量)

以下は、チップ容量、チップ数、SSD容量の関係式です。

(チップ容量)×(チップ数)=(SSD容量)

以下の関係式が成り立ちます。

(ダイ容量)×(ダイ積層数)×(チップ数)=(SSD容量)

以下は、ダイ容量256(Gbit)、ダイ積層数16、チップ数16のSSD容量です。

256(Gbit)×16×16÷8(bit/byte)=8192GB=8TB

8(bit/byte)で割る理由は、GbitをGBに単位変換するためです。GBをTBに変換するために1,024で割っています。

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SSDのオーバープロビジョニング

SSDはオーバープロビジョニングの有無によって、データ書き込み速度の低下具合、寿命の長さが違いますが、これらはオーバープロビジョニングの有無で大きく違うわけではありませんので、オーバープロビジョニングを気にしてSSDを選ぶ必要性は低いです。

SSDのセルのレベル

SLC SSDは容量の大きさ、価格よりも、処理速度、寿命、データの保持期間が何よりも優先される業務用途向けです。MLC SSD、TLC SSD、QLC SSDが一般用途向けです。

SLC SSDの次にMLC SSDが登場した当初、MLCのデメリットが問題視され普及が疑問視されましたが、MLCのデメリットが解決済みになりました。2013年頃にはMLC SSDでも気にせずに選んでも大丈夫と言えるほどで、もしSLC SSDを選びたくてもMLC SSDの普及が進んでおり実質SLC SSDを選べない状況でした。

TLC SSD、QLC SSDも同様で、技術進歩によってデメリットが大きく改善されており、QLC SSDでもデメリットを気にする必要がないほどです。SLC SSDに続きMLC SSDも少なくなりTLC SSD、QLC SSDが主流になりましたので、選択肢が実質2択です。(2021/09/14時点)

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SSDのコントローラー

メーカー、型番

まだSSDが十分に成熟していなかった頃では避ける方がよいコントローラーがあったので、コントローラーも確認して選ぶのがよかったです。

例えば、JMicron製コントローラーのJMF602を搭載するSSDだとプチフリ(プチフリーズ)が発生するので、このコントローラーを避けるのがよかったです。

プチフリとはパソコンが短時間フリーズし操作できなくなる現象であり、速度が速くてもプチフリが発生すると使い勝手が悪いです。

JMF602以外でも何らかのトラブルが発生するコントローラーが見られ、SSDを選ぶときに問題があるコントローラーについて調べる必要がありました。

今では避ける方がよいほどのコントローラーがなく、また出てくる可能性が極めて低いのでコントローラーの確認が不要です。

サーモグラフィーによる鏡面状コントローラー温度測定結果

原則的にはコントローラーの発熱を気にする必要がありません。発熱が小さいのを選びたい場合、高負荷時にコントローラーの温度が低いと発熱が小さいとわかります。

SSD関連のウェブサイトや書籍を見ると、表面が鏡面状のコントローラー表面の温度をサーモグラフィーを利用し測定した結果を掲載しているのが見られます。コントローラーに限らず鏡面状の表面温度をサーモグラフィーでは正確に測定できません。鏡面状ではなくても同様の場合があります。

SSD以外でもPCパーツ、周辺機器、パソコン本体等、様々な物に対してサーモグラフィーを使用し温度を測定した結果が、コンピューター関連のウェブサイトや書籍等に見られますが、正確に測定できていない可能性がありますので注意が必要です。

SSDのTrim

データ書き込み速度の低下が大きな問題となるため、Trimに対応しているSSDを選ぶとよいですが、Trim対応SSDが普及しています。

昔はTrimに対応していないSSDがありましたが、最近のSSDはTrimに標準対応しています。

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SSDのMTBF

SSDのMTBFを利用して公平な信頼性の比較ができませんので、MTBFを確認せずにSSDを選ぶとよいです。

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SSDの消費電力

原則的にはSSDの消費電力の確認が不要です。

少しでも消費電力が低いSSDが必要等の理由があるとしても、SSDの仕様等に記載されている消費電力は、測定方法や測定条件が統一されていないので比較ができません。

SSDの保証

初期不良のみ

SSDによっては保証が初期不良のみの場合があります。

格安(激安)のSSDに保証が初期不良のみの場合が見られますが、保証のコストを下げ価格を安くするためです。

初期不良のみでもよく価格の安さを重視する場合は、気にせずに選ぶとよいです。

初期不良のみではよくない場合、1年保証や3年保証等を選ぶとよいです。

保証期間と寿命

SSDの保証期間は寿命に限らず価格とも関連しますので、保証期間が長いほど寿命が長いとは限りません。

保証期間を長くするほどコストがかかるので、寿命が長いがコストを抑えるために保証期間を短くしている場合があります。

寿命が短いがコストが増えてでも保証期間の長さを重視して購入するユーザーをひきつけるために保証期間を長くしている場合もあります。

もし保証期間と寿命が比例するように保証期間が決められているとしても、寿命はメーカーが想定している寿命であり、想定以上に寿命が短かったり長かったりします。

メーカーが寿命を想定する際に設定したSSDの使用条件と、実際に使用するユーザーの使用条件が違うと寿命も違います。

保証期間が長いほど寿命が長いと期待できますが、気にせずに選ぶとよいです。


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