Alder Lake(第12世代インテルCore)

最終更新日 2023年09月07日

Alder Lakeとは

基礎

Alder Lakeとは、インテルのCPUの開発コードネームの一種です。アルダー・レイクと読みます。Rocket Lakeの後継です。

発売年

2021年にAlder LakeのCPUの発売が始まりました。

マイクロアーキテクチャー

Alder LakeのマイクロアーキテクチャーはGolden CoveとGracemontです。2つのマイクロアーキテクチャーを組み合わせています。

プロセスルール

Alder LakeのプロセスルールはIntel 7です。

10nm Enhanced SuperFinからIntel 7に変更

当初は10nm Enhanced SuperFinでした。10nm Enhanced SuperFinは10nm SuperFinの改良版です。10nm SuperFinは10nmの改良版です。10nm Enhanced SuperFinが他メーカーの7nmに相当を示す目的でIntel 7に変更です。

CPUソケット

Alder LakeのCPUソケットはLGA 1700です。

シリーズ

Alder Lake-S ・Sシリーズ
・デスクトップパソコン向け製品
Alder Lake-HX ・HXシリーズ
・SシリーズのパッケージをBGAにした製品
Alder Lake-H ・Hシリーズ
・高性能モバイルパソコン向け製品
Alder Lake-P ・Pシリーズ
・高性能・薄型・軽量・小型モバイルパソコン向け製品
Alder Lake-U ・Uシリーズ
・薄型・軽量・小型モバイルパソコン向け製品

ブランド

Alder LakeのブランドにCore i9、Core i7、Core i5、Core i3、Pentium Gold、Celeronがあります。

インテルCoreプロセッサー・ファミリーの世代

Alder LakeのインテルCoreプロセッサー・ファミリーの世代が第12世代です。

プロセッサー・ナンバーの5桁の数字または4桁の数字を見ると世代を見分けられます。先頭2桁が12であれば第12世代です。例えばCore i9-12900KS、Core i7-1280Pが第12世代ですが、先頭2桁が12です。

先代の第11世代の開発コードネーム

先代の第11世代の開発コードネームがデスクトップパソコン向けCPUではRocket Lake、モバイルパソコン向けCPUではTiger Lakeです。Rocket Lakeはデスクトップパソコン向けCPUのみ、Tiger Lakeはモバイルパソコン向けCPUのみのためです。厳密にはTiger Lakeにデスクトップパソコン向けCPUもあるが、パッケージがBGAなのでモバイルパソコン向けCPUに近いです。

先々代の第10世代の開発コードネーム

先々代の第10世代の開発コードネームがデスクトップパソコン向けCPUではComet Lake、モバイルパソコン向けCPUではIce Lake、Comet Lakeです。2つありますが、Comet Lakeの後継としてIce LakeのUシリーズ、Yシリーズが登場したためです。Ice LakeにHシリーズはありません。

メインメモリー

  規格 最大チャンネル数
Alder Lake-S DDR5-4800、DDR4-3200 2
Alder Lake-HX DDR5-4800、DDR4-3200 2
Alder Lake-H DDR5-4800、DDR4-3200
LPDDR5-5200、LPDDR4x-4267
2
Alder Lake-P DDR5-4800、DDR4-3200
LPDDR5-5200、LPDDR4x-4267
2
Alder Lake-U(※) DDR5-4800、DDR4-3200
LPDDR5-5200、LPDDR4x-4267
2
LPDDR5-5200、LPDDR4x-4267 2
(※)製品によって異なる

DDR5 SDRAMとDDR4 SDRAMに互換性がありません。マザーボードにDDR5 SDRAM対応製品とDDR4 SDRAM対応製品があります。両者に対応の製品はありません(2022/11/02時点)。

Alder LakeとRocket Lakeの違い

ハイブリッド・アーキテクチャー

Alder Lakeではハイブリッド・アーキテクチャーを採用したのがRocket Lakeとの大きな違いです。ハイブリッド・アーキテクチャーとは、2つの異なるマイクロアーキテクチャーを統合した構造です。Alder LakeではGolden CoveとGracemontを統合しています。Golden Coveに性能重視のパフォーマンス・コア、Gracemontに電力効率重視のエフィシエント・コアがあります。下記ではPコア、Eコアと書きます。Alder LakeではCPUがスレッド・ディレクターを内蔵しており、OSと協力してPコアとEコアに処理を割り振り、性能と電力効率を最大化します。

コラム

ハイブリッド・アーキテクチャー非採用の製品がある理由

デスクトップパソコン向けCPUにハイブリッド・アーキテクチャー非採用の製品があります。非採用の製品ではPコアのみでEコアなしです。Core i5ではCore i5-12600K、Core i5-12600KFを除いて非採用です。Core i3、Pentium Gold、Celeronでは全製品が非採用です。インテルが非採用の理由を公表していません。

モバイルパソコン向けCPUと比べるとデスクトップパソコン向けCPUでは電力効率を高める重要性が低い。Core i5、Core i3、Pentium Gold、Celeronではコア数が少なくクロック周波数が低いので電力効率を高める重要性が低い。Core i5-12600K、Core i5-12600KFはアンロック対応でオーバークロック可能なので電力効率を高める重要性が高い。以上を考慮すると電力効率を高める重要性が低い製品ではハイブリッド・アーキテクチャー非採用にしたと考えられます。

Alder Lake-SとRocket Lake-Sをベンチマークで性能比較

Cinebench R23

Alder Lake-S、先代のRocket Lake-S、両者をベンチマークのCinebench R23で性能比較しました。比較に使用する製品は入手しベンチマークテストできた製品なので少ないです。

Alder Lake-S

製品 コア/
スレッド
Cinebench R23
Single Score Multi Score
Core i9-12900KS 8P/16
8E/8
2084 27783
Core i9-12900K 8P/16
8E/8
1978 26617
Core i7-12700K 8P/16
4E/4
1912 22711
Core i5-12600K 6P/12
4E/4
1870 17496

Rocket Lake-S

製品 コア/
スレッド
Cinebench R23
Single Score Multi Score
Core i9-11900K 8/16 1653 15203
Core i7-11700K 8/16 1578 14321
Core i5-11600K 6/12 1532 10773

Alder Lake-Sの方がマルチスコアが大幅に高いが、コア数とスレッド数が大きく増えたので当然です。シングルスコアも大幅に高く、Alder Lake-SはRocket Lake-Sより性能が大きく向上したとわかります。

Alder Lake-SとVermeerをベンチマークで性能比較

Cinebench R23

インテルがAlder Lake-SはAMDのVermeerよりも性能が高いと言っていたので、Cinebench R23で性能比較しました。入手しCinebench R23の実行までできていない製品は未掲載です。

Alder Lake-S

製品 コア/
スレッド
Cinebench R23
Single Score Multi Score
Core i9-12900KS 8P/16
8E/8
2084 27783
Core i9-12900K 8P/16
8E/8
1978 26617
Core i7-12700K 8P/16
4E/4
1912 22711
Core i5-12600K 6P/12
4E/4
1870 17496

Vermeer

製品 コア/
スレッド
Cinebench R23
Single Score Multi Score
Ryzen 9 5950X 16/32 1618 25237
Ryzen 9 5900X 12/24 1612 21346
Ryzen 7 5800X3D 8/16 1481 14512
Ryzen 7 5800X 8/16 1599 15496
Ryzen 7 5700X 8/16 1513 13295
Ryzen 5 5600X 6/12 1529 10978
Ryzen 5 5600 6/12 1471 10903

VermeerのコアはインテルのPコアに相当します。例えばRyzen 9 5950Xは16Pコア32スレッドに相当し、単純にコア数スレッド数で予想すればCore i9-12900KSの8Pコア16スレッド+8Eコア8スレッドよりも性能が高そうです。しかし、Core i9-12900KSの方がマルチスコアが高くシングルスコアも高いです。他の製品も同様な傾向なので、インテルがAlder Lake-SはVermeerよりも性能が高いと主張するのが妥当です。

Alder Lake-HとTiger Lake-Hをベンチマークで性能比較

Cinebench R23

Alder Lake-H、Tiger Lake-H、両者をベンチマークのCinebench R23で性能比較しました。入手しCinebench R23の実行までできた製品のみ比較に使用します。Alder LakeはRocket Lakeの後継ですが、Rocket LakeにHシリーズがないのでAlder Lake-HはTiger Lake-Hの後継です。

Alder Lake-H

製品 コア/
スレッド
ベース/
ターボ(GHz)
Cinebench R23
Single Multi
Core i9-12900HK 6P/12
8E/8
2.5/5.0(P)
1.8/3.8(E)
1904 17399
Core i9-12900H 6P/12
8E/8
2.5/5.0(P)
1.8/3.8(E)
1916 14490
Core i7-12700H 6P/12
8E/8
2.3/4.7(P)
1.7/3.5(E)
1768 15783

Tiger Lake-H

製品 コア/
スレッド
ベース/
ターボ(GHz)
Cinebench R23
Single Multi
Core i9-11980HK 8/16 3.3/5.0 1585 13037
Core i9-11900H 8/16 2.5/4.9 1555 13073
Core i7-11800H 8/16 2.3/4.6 1504 11467
Core i7-11375H 4/8 3.3/5.0 1594 6627
Core i7-11370H 4/8 3.3/4.8 1509 5746
Core i5-11400H 6/12 2.7/4.5 1439 9394
Core i5-11300H 4/8 3.1/4.4 1388 5186

Core i9-12900HのマルチスコアがCore i9-12900HKと同じくらいになるはずのところ低いです。Core i9-12900Hを搭載する薄型・軽量モバイルノートパソコンでCinebench R23を実行したので、冷却性能が低く消費電力と発熱を抑えるために性能も抑えていたと考えられます。Core i9-12900Hを除外して比較すると、Alder Lake-HはTiger Lake-Hよりも性能が大きく上がったとわかります。


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