Ice Lake(第10世代インテルCore)
最終更新日
2023年09月07日
Ice Lakeとは
基礎
Ice Lakeとは、インテルのCPUの開発コードネームの一種です。アイス・レイクと読みます。Ice LakeのCPUはモバイルパソコン向けです。発売年
2019年にIce LakeのCPUの発売が始まりました。マイクロアーキテクチャー
Ice LakeのCPUのマイクロアーキテクチャーはSunny Coveです。プロセスルール
Ice LakeのCPUのプロセスルールは10nmです。Cannon Lakeの10nmの改良版なので10nm+と記載する場合もあります。インテルではIce Lakeは10nmとしています。Cannon Lakeの製品はCore i3-8121Uのみなので例外として扱い、Ice Lakeの10nmがインテル初の10nmとした可能性があります。Cannon Lakeの10nmもIce Lakeの10nmも問題あり
Cannon Lakeの10nmでは歩留まりが低い、CPU内蔵GPUのクロックが低すぎる問題がありました。CPU内蔵GPUを無効にしたほどです。Ice Lakeの10nmでは歩留まりが改善しました。CPU内蔵GPUを無効にしなくてもよいほどクロックが高くなりました。しかし、CPUの方ではクロックが高い高性能な製品を出せないほどクロックが低い問題が残りました。シリーズ
Ice Lake-U | ・Uシリーズ ・薄型・軽量・小型モバイルパソコン向け製品 |
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Ice Lake-Y | ・Yシリーズ ・ファンレスノートパソコン、2in1 PC、タブレット向け製品 |
ブランド
Ice LakeのブランドにCore i7、Core i5、Core i3、Pentiumがあります。開発コードネームKaby LakeでPentiumがPentium Goldに変更となりましたが、Ice LakeではPentiumです。インテルCoreプロセッサー・ファミリーの世代
Ice LakeのインテルCoreプロセッサー・ファミリーの世代が第10世代です。PCI Express
Ice LakeはPCI Express 3.0に対応です。Thunderbolt
Ice LakeはThunderbolt 3に対応です。Ice LakeとComet Lakeの違い
プロセスルール
プロセスルールがIce Lakeでは10nm、Comet Lakeでは14nm++です。性能
CPUの性能が主にコア数/スレッド数、クロック周波数で決まります。これらで決まる性能がIce LakeよりもComet Lakeの方が高いです。全体的に見た比較であり、コア数/スレッド数、クロック周波数が製品によって異なるので、比較対象によってはIce Lakeの方が高性能です。CPU内蔵グラフィックス
CPU内蔵グラフィックスがIce LakeではIntel Iris Plus Graphics、Comet LakeではIntel UHD Graphicsです。Ice Lakeでも製品によってはIntel UHD Graphicsです。用途向け
Ice Lakeはゲーム、動画・画像編集等、グラフィックス関連処理性能を重視する用途向けです。AI関連処理性能を重視する用途にも向いています。Comet Lakeは、CPUのコア数/スレッド数、クロック周波数の性能を重視する用途向けです。コラム
Ice LakeにSシリーズ、Hシリーズがない理由
Ice LakeにUシリーズ(Ice Lake-U)、Yシリーズ(Ice Lake-Y)はあります。Sシリーズ(Ice Lake-S)、Hシリーズ(Ice Lake-H)はありません。インテルが理由を公表しておらず不明です。Ice Lakeでは技術的な問題でクロック周波数を高くできません。従来からSシリーズ、Hシリーズにクロック周波数が高い製品がありますが、これらのシリーズに相応しいほどのクロック周波数が高い製品を出せないのでIce LakeにSシリーズ、Hシリーズがないと思われます。プロセッサー・ナンバー末尾にシリーズを示すアルファベットが付かない
Ice Lake-Uに属する製品のプロセッサー・ナンバー末尾にUシリーズを示すUが付きません。Ice Lake-Yでも同様にYシリーズを示すYが付きません。TDPで判断可能です。TDPが28Wの製品、15Wの製品はIce Lake-Uに属します。TDPが10Wの製品、9Wの製品はIce Lake-Yに属します。プロセッサー・ナンバーのG7,G4,G1の意味
Ice Lakeのプロセッサー・ナンバーのG7,G4,G1は、CPU内蔵グラフィックス(GPU)の性能を意味します。性能が高い順に並べると、G7,G4,G1です。実行ユニットの数が、G7は64基、G4は48基、G1は32基です。大雑把に言うと実行ユニット(Execution Units)とは処理を行う部分であり、実行ユニットが多いほど性能が高いです。Ice Lake以外のプロセッサー・ナンバーでもG7,G4,G1を使用する可能性があり、その場合は実行ユニットの数が異なる可能性があります。
CPU内蔵グラフィックスのブランド名が、G7,G4はIntel Iris Plus Graphics、G1はIntel UHD Graphicsです。Ice Lake以外のプロセッサー・ナンバーでG7,G4,G1を使用するとしたら、ブランド名に関しても変わる可能性があります。
プロセッサー・ナンバーにNG7を含む製品、NG4を含む製品
Core i7-1068NG7Core i7-1060NG7
Core i5-1038NG7
Core i5-1030NG7
Core i3-1000NG4
上記の製品はMacBook Pro向けと思われます。理由はMacBook Proが上記の製品を搭載しているためです。
Core i7-1068G7発売せず
Core i7-1068G7が発売予定でしたが発売しませんでした。理由が不明です。cTDPの設定値によってはCPU内蔵GPUが低性能
Ice LakeのCPUにIntel Iris Plus Graphicsを内蔵する製品があります。高性能GPUですが、cTDPの設定値によっては低性能です。cTDPとはConfigurable TDPの略であり、TDPを変更する機能です。TDPを変更すると発揮する性能も変わり、TDPが大だと高性能、小だと低性能になります。cTDPの設定可能範囲が製品によって異なりますが、例えばCore i7-1065G7では25W〜12Wです。12Wに設定するとIntel Iris Plus Graphicsではないと思えるほど低性能になります。Ice Lake-UとComet Lake-Uをベンチマークで性能比較
Cinebench R20
Ice Lake-U、Comet Lake-U、両者をベンチマークのCinebench R20で性能比較しました。入手しCinebench R20の実行までできた製品のみ掲載するので比較に使用する製品が少ないです。Ice Lake-U
製品 | コア/ スレッド |
ベース/ ターボ(GHz) |
Cinebench R20 | |
---|---|---|---|---|
Single | Multi | |||
Core i7-1065G7 | 4/8 | 1.3/3.9 | 449 | 1587 |
Core i5-1035G1 | 4/8 | 1.0/3.6 | 423 | 1426 |
Comet Lake-U
製品 | コア/ スレッド |
ベース/ ターボ(GHz) |
Cinebench R20 | |
---|---|---|---|---|
Single | Multi | |||
Core i7-10710U | 6/12 | 1.1/4.7 | 440 | 2175 |
Core i7-10510U | 4/8 | 1.8/4.9 | 451 | 1530 |
Core i5-10210U | 4/8 | 1.6/4.2 | 408 | 1377 |
Ice Lake-Uはグラフィックス関連処理性能、AI関連処理性能を強化してあり、コア数スレッド数、クロック周波数を強化したわけではないので、シングルスコアもマルチスコアもComet Lake-Uと同じくらいで当然です。Core i7-10710Uのマルチスコアが高いが6コア12スレッドのためです。Ice Lake-Uには6コア12スレッドの製品がありません。
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