USBのAlternate Mode
最終更新日
2023年09月07日
USBのAlternate Modeとは
基礎
USBのAlternate Modeとは、USB以外のプロトコルを利用するデータ転送を実現する機能です。プロトコルには、DisplayPort、HDMI、MHL、Thunderbolt等があります。Alternate Modeにより様々なインターフェースをUSBへ集約できます。例えば、インターフェースにUSB、DisplayPortを持つパソコンを作る場合、USB端子、DisplayPort端子を搭載する必要がありますが、Alternate Modeを採用するとUSB端子のみ搭載し、インターフェースにUSB、DisplayPortを持たせることが可能です。Alternate Modeを利用しUSB以外のプロトコルのデータ転送を行っているときに、プロトコルUSBのデータ転送やバスパワーによる電力供給も同時にできます。
デスクトップパソコンのタワー型等では多くの端子を搭載できますので、様々なインターフェースをUSBへ集約するメリットが小さいですが、多くの端子を搭載することが難しいモバイルノートパソコン、タブレット等ではメリットが大きいです。
相性問題
USB普及前は、USB機器に相性問題が発生するのが少なくなかったです。普及が進み相性問題の発生が無きに等しくなりました。しかし、Alternate Modeの登場で相性問題の発生が増えました。例えばDisplayPort出力できるはずだが正常に出力できない相性問題が発生する場合があります。Alternate Modeの仕様は、各インターフェース、例えばDisplayPortやHDMIの標準化団体が策定しています。USBの仕様を策定する標準化団体とは異なります。そのため機器同士を接続し正常に動作するのか認証する制度が確立できておらず、これが相性問題の発生が増えた原因です。将来に制度が確立し相性問題が無きに等しくなる可能性があります(2017/08/28時点)。
Alternate Modeと端子形状
Alternate Modeに対応可能な端子形状は、USB Type-Cです。
USB Type-A、USB Type-Bは、Alternate Modeに対応できません。
パソコン等にUSB Type-C端子があっても、Alternate Modeに対応しているとは限りません。
Alternate Modeの対応が必要な場合、USB Type-C端子であるだけではなく、Alternate Modeに対応しているのかどうかも確認が必要です。
USB Type-A、USB Type-Bは、Alternate Modeに対応できません。
パソコン等にUSB Type-C端子があっても、Alternate Modeに対応しているとは限りません。
Alternate Modeの対応が必要な場合、USB Type-C端子であるだけではなく、Alternate Modeに対応しているのかどうかも確認が必要です。
Alternate Modeの種類とプロトコル
Alternate Modeは、プロトコルごとに種類があります。
機器によって対応しているAlternate Modeの種類が違います。
| Alternate Mode の種類 | プロトコルの種類 |
|---|---|
| DisplayPort Alternate Mode | DisplayPort |
| HDMI Alternate Mode | HDMI |
| MHL Alternate Mode | MHL |
| Thunderbolt Alternate Mode | Thunderbolt |
機器によって対応しているAlternate Modeの種類が違います。
Alternate Modeと規格
DisplayPort Alternate Mode
DisplayPort Alternate Modeは、USB 3.1で対応しました。DisplayPort Alternate Modeに対応するには、USB 3.1以降に対応する必要があります。
USB 3.1以降に対応でも、DisplayPort Alternate Modeの対応が必須ではありませんので、DisplayPort Alternate Modeに対応しているとは限りません。
Alternate ModeとUSBデータ転送、USB PD
DisplayPort Alternate Mode
DisplayPort Alternate Modeを利用する場合、DisplayPortのデータ転送だけでなく、USBのデータ転送、USB PDの給電、これらを同時できます。例えば、ノートパソコンと外付け液晶ディスプレイを、USB Type-Cケーブルで接続するとします。
外付け液晶ディスプレイには複数のUSB Type-CがありUSBハブとしても使えるとし、外付け液晶ディスプレイと外付けストレージをUSB Type-Cケーブルで接続するとします。
ノートパソコンから外付け液晶ディスプレイへDisplayPortのデータ転送を行って映像出力を行う、外付け液晶ディスプレイを経由してノートパソコンと外付けストレージが互いにUSBのデータ転送を行う、外付け液晶ディスプレイからノートパソコンへUSB PDによる給電を行う、以上の動作を同時に行うことができます。
USB Type-Cがあれば、DisplayPort Alternate Mode、USBのデータ転送、USB PDに対応しているとは限りません。
例えば、USBのデータ転送に対応していますが、DisplayPort Alternate Mode、USB PDに対応していない場合があります。
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